イスラエルの臓器移植にまつわる実話

ハリウッド映画の公開がものすごく（！）遅れていて、それは仕方のないことだけど、おかげで普段あまり見ることのない…

国の作品がたくさん上映されています。制作年も２～３年前だったり。大きなスクリーンを持つ劇場は、過去の作品やうんと古い作品、

アカデミー賞受賞作品を上映するなど、きっとドキドキしながらスケジュールを組んでいるんでは？…なんて勝手に思ってます。

ヤコブ・ゴールドヴァッサー監督「靴ひも」（１８）は、イスラエル映画。監督はテルアビブ出身の７０歳。１９８２年監督デビューしました。

本作は、約１０年前聞いたある親子の実話を元にしているそうです。エルサレムで車の整備工場を営むルーベン（ドヴ・グリックマン）。

別れた妻が交通事故死し、発達障害のある息子のガディ（ネヴォ・キムヒ）と約３０年ぶりに同じ屋根の下で暮らすことに。

ところが決められた生活習慣を頑なに守ろうとするガディ。どう接したら良いのか分からないルーベン。２人は少しづつ打ち解けるように。

その頃、ルーベンが末期の腎不全と診断され人工透析が必要となります。ガディが自立支援コミュニティに入るのに、３～４か月…

待つことがわかり、やむなく特別給付金を申請することになります。そこで面接で靴ひもが結べないふりをすることになるのですが…

果たして、ガディは？ちなみに、解けない結び方は＜イアン・セキュアノット＞と言います。ぜひ、調べてみて下さいね。

３０歳になったドランの純愛ドラマ

「マイ・マザー」（０９）、「胸騒ぎの恋人」（１０）、「わたしはロランス」（１２）、「トム・アット・ザ・ファーム」（１３）、

「Ｍｏｍｍｙ／マミー」（１４）、「たかが世界の終わり」（１６）、「ジョン・Ｆ・ドノヴァンの死と生」（１８）とすでに７本の…

監督作があるグザヴィエ・ドラン。カナダのモントリオール出身の現在３１歳。１９歳で「マイ・マザー」を監督し、世界中の…

映画ファンを魅了。出演作はもちろんですが、監督作品には特別な想いを持って劇場へ出かけます。脚本、監督、主演した作品は…

「トム・アット・ザ・ファーム」以来。最新作「マティアス＆マキシム」（１９）も、脚本、監督、主演作。本当に待っていました！

３０歳のマティアス（ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス）とマキシム（グザヴィエ・ドラン）は、幼馴染。ある日、友人のパーティで…

友だちの妹から、彼女の撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることに。これをきっかけに今まで秘めていたお互いの思いに気付きます。

婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠しきれず、マキシムは友情の崩壊を恐れ、思いを告げぬまま…

オーストラリアへ旅立つ準備をしていました。果たして、２人は？予告編を見ただけで、見たかったドランが帰ってきた！と…

興奮してしまいます。本当に待っていました。ドランが「君の名前で僕を呼んで」に感動して描いた本作。待ち遠しいです。

ジャック・ロンドン、自伝的小説

この春、映画館が休館になる前に公開されたクリス・サンダース監督、ハリソン・フォード主演「野性の呼び声」（２０）。見ました？

アメリカの作家ジャック・ロンドン原作の冒険小説の映画化でした。日本では『野性の呼び声』と『白い牙』が代表作です。

１８７６年１月１２日サンフランシスコ出身。貧しい幼少時代、世界恐慌時には各地を流浪。苦労して作家となるのでした。

ちなみに彼は、１９１６年１１月２１日４０歳で自殺しています。いったい彼の人生は、どんなだったのでしょう？

彼自身の自伝的物語として『マーティン・イーデン』があります。舞台は２０世紀初頭のアメリカ西海岸オークランドなのですが…

イタリア、ナポリへ変更したピエトロ・マルチェッロ監督「マーティン・エデン」（１９）が公開されます。こういう変更はどうなのかなと…

思うのですが、第７６回ヴェネツィア国際映画祭で「ジョーカー」（１９）のホアキン・フェニックスを抑え、男優賞を受賞しました。

労働者地区出身で貧乏な船乗りの青年マーティン・エデン（ルカ・マリネッリ）は、上流階級の令嬢エレナ・オルシーニ…

（ジェシカ・クレッシー）と出会い、恋に落ちます。それを機に彼は文学に関心を抱くようになります。洗練された彼女に…

釣り合う人物になることを夢見て、猛勉強を始めるのでした。しかし、貧しい彼と優雅で富豪の娘との運命は、果たして？

映画の音を作った人々

『映画は映像と音でできている』そう言ったのは、「ブロークバック・マウンテン」（０５）、「ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日」（１２）の…

アン・リー監督。ドキュメンタリー映画、ミッジ・コスティン監督「ようこそ映画音響の世界へ」（１９）は、予告編を見るだけでわくわくします。

音と言っても映画の音には、『セリフ』、『環境音』、『効果音』、『音楽』などがあります。そして映像と信じられないような組み合わせによって…

数々のシーンが生まれるのです。本作に登場する作品には、「地獄の黙示録」（７９）、「プライベート・ライアン」（９８）、アニメ「ウォーリー」（０８）、

「ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日」（１２）、「スター・ウォーズ」（７７）、「ブラックパンサー」（１８）、「ジョーズ」（７５）、「Ｅ．Ｔ．」（８２）、

「スター誕生」（７５）、「ロード・オブ・ザ・リング」（０１）、「ブレイブハート」（９５）、「トップガン」（８６）、「レイダース／失われたアーク《聖櫃》」（９８）、

「北北西に進路を取れ」（５９）、「アラビアのロレンス」（６２）、「ハート・ロッカー」（０８）、「ジュラシック・パーク」（９３）など多数。（予告編のみ）

さらには、１９２７年の初トーキー映画アル・ジョルスンの「ジャズ・シンガー」の紹介。映画はいったいどうやって音を得たのか？興味津々。

登場するスター、映画人たちも豪華。ジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・リンチ、アン・リー、ソフィア・コッポラ、

クリストファー・ノーラン、バーバラ・ストライサンドたち。音だけでシーンが浮かぶほど映画を愛する人たち、必見の作品です。ぜひ。

ヴェネツィア国際映画祭ユニセフ賞受賞作

当初、６月１２日公開予定だった本作。予告編を見た時の感想は、うむ、１６９分。約２時間５０分。長い。でも、劇場再開の時に見た…

中国映画、ワン・シャオシュアイ監督「在りし日の歌」（１９）は１８５分。３時間５分。長い映画には慣れています。ポスターでも分かるように…

本作は白黒映画で、ヴァーツラフ・マルホウ監督「異端の鳥」（１９）。原作はポーランドの作家イェジー・コシンスキの同名小説。

１９６５年に発表され、ポーランドでは発禁書となった問題作。監督は１１年もかけ、映像化。さらに舞台となる国や場所を特定されないよう…

インタースラーヴィク（スラヴ諸語を基に作成された特定地域の国際補助語）という人工言語が使われた初の映画とか。よくわかりませんが。

それはともかく、出演者には、馴染みが深いです。第２次世界大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるため、少年（ペトル・コラール）は…

東欧のある村の叔母のもとにたった１人で疎開します。しかしある日、叔母が病死し、火事で叔母の家も焼失してしまいます。孤児になった彼は…

差別と迫害に抗い、想像を絶する大自然と格闘しながら強く生き抜くのでした。果たして？ペトル・コラールは、監督に偶然見出された普通の子。

共演はウド・キア、ポーランド人俳優のレフ・ディブリク、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー。

第７６回ベネチア国際映画祭であまりの残酷さに途中退場者が続出。しかし上映後には、１０分間のスタンディングオベーション。貴方はどちら？

ＵＦＯは来ています。

UFOを描いた作品はあまりにたくさんあり、お気に入りもそれぞれ。中でも、スティーヴン・スピルバーグ監督「未知との遭遇」（７７）は、

世界中で大ヒットした異星人とのコンタクトを描いたSF映画。クリス・カーターが企画、製作したＴＶシリーズ「Ｘ－ファイル」（９３～０２）も、

大のお気に入り。この作品には、ＵＦＯ（未確認飛行物体）の目撃、遭遇、アブダクションなど、あるあるなストーリーが登場します。

しかし、ＵＦＯに関する様々な出来事は空想ではなく、実際に起きている（かもしれない）のです。昨年２０１９年９月のことです。

２００４年、米軍戦闘機が撮ったＵＦＯ映像を本物であると、米海軍が認めるニュースが流れました。いよいよ、ＵＦＯ、エイリアン、エリア５１、

ロズウェル、接近遭遇など、やっぱりね！という時がやって来るのです。そのための予習、復習を今！ダーシー・ウィアー監督のドキュメンタリー…

「ＵＦＯ真相検証ファイルＰａｒｔ１／戦慄！宇宙人拉致事件の真実」（１８）が、公開されます。続いて…

「ＵＦＯ真相検証ファイルＰａｒｔ２／衝撃！カメラに映った宇宙人たち」（１９）も。１８９６年に起きたカリフォルニア州ストックトンでの…

最古の拉致事件。１８９７年のテキサス州オーロラでのＵＦＯ墜落事件。そして１９６１年と１９７５年の２大拉致事件が描かれます。

２０２０年４月２７日、国防総省はＵＦＯを撮影した３本の映像の機密解除。ほら、やっぱり、『Ｗｅ ａｒｅ ｎｏｔ ａｌｏｎｅ』なのです。

サンフランシスコのヴィクトリアン・ハウス

サンフランシスコ、大昔に訪れたことがあります。坂の街、ケーブルカー、ゴールデン・ゲート・ブリッジ、フィッシャーマンズワーフ、

アルカトラズ島、チャイナタウンなど、本当に素敵な街でした。アルフレッド・ヒッチコック監督「めまい」（５８）、ピーター・イエーツ監督「ブリット」（６８）、

ドン・シーゲル監督「アルカトラズからの脱出」（７９）、ジョン・シュレシンジャー監督「パシフィック・ハイツ」（９０）など、映画の舞台としても有名。

２０１９年サンダンス映画祭グランプリにノミネートされ、監督賞＆審査員特別賞を受賞した「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」（１９）です。

脚本、監督は本作が長編初となるジョー・タルボット。サンフランシスコで生まれ育ったジミー（ジミー・フェイルズ）は、フィルモア地区の…

祖父が建て、家族と暮らしたヴィクトリアン様式の家が、売りに出されたことを知ります。もう一度、そこに住みたいと奔走するジミー。

そんなジミーをいつも支えてくれるのは、友人モントことモンゴメリー（ジョナサン・メジャース）でした。今や都市開発、産業発展により…

最もお金のかかる街となったサンフランシスコ。ジミーは心の在りどころのこの家を、取り戻すことができるのでしょうか？果たして？

共演は名優ダニー・グローヴァ―。ロケに使われた、１８８９年に建てられたヴィクトリアン・ハウスも主役の１人。パシフィック・ハイツも…

素晴らしかったけど、こちらも楽しみ。名曲『花のサンフランシスコ』も流れて、最高！Ａ２４とブラピのプランＢの作品。見ましょうね～。

闘う！カッセルとカテブ

フランス人俳優レダ・カテブの父親は、アルジェリア人で俳優マレク＝エディン・カテブ。残念ながら知りませんが、アルジェリア人の…

血が入っているんですね。エチエンヌ・コマール監督「永遠のジャンゴ」（１７）でのジプシー出身の天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを…

演じた時も素敵でした。１９７７年７月２７日生まれの４３歳。そして俳優のジャン＝ピエール・カッセルを父の持つ、ヴァンサン・カッセル。

２０１３年に離婚した元妻は、女優のモニカ・ベルッチ。マチュー・カソヴィッツ監督「クリムゾン・リバー」（００）が有名ですが、個人的には…

クリストフ・ガンズ監督「ジェヴォーダンの獣」（０１）がお気に入り。１９６６年１１月２３日パリ出身の５３歳。カテブとは１０歳違い。

２人の初共演作が、エリック・トレダノ＆オリヴィエ・ナカシュ監督「スペシャルズ！」（１９）。大ヒットした「最強のふたり」（１１）の監督たち。

本作のサブタイトルは「政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」。自閉症児をケアする施設＜正義の声＞を…

経営するブリュノ（ヴァンサン・カッセル）。他の施設で見放された子供たちも受け入れていました。ブリュノの友人マリク（レダ・カテブ）は…

ここで働くドロップアウトした若者たちの教育係。ある日、当局の監査が入り、無認可の上、赤字経営となっていた施設は閉鎖を迫られます。

さらに重度の自閉症があるヴァランタンが失踪してしまいます。果たして？カッセルとカテブ、２人ともファンなので、絶対見に行きますとも。

クリストファー・ノーランの頭の中

「フォロウィング」（９８）で監督デビューし、「メメント」（００）、「インソムニア」（０２）、「バットマン ビギンズ」（０５）、「プレステージ」（０６）、

「ダークナイト」（０８）、「インセプション」（１０）、「ダークナイト ライジング」（１２）、「インターステラー」（１４）、「ダンケルク」（１７）を監督。

１９７０年７月３０日ロンドン出身のクリストファー・ノーランです。ちなみに弟のジョナサン・ノーランは、兄の作品の脚本を共同で書き、

大好きなＴＶシリーズ「パーソン・オブ・インタレスト」（１１～１６）の企画、製作総指揮、脚本、監督を担当。兄弟揃って最先端のドラマ内容を…

扱う監督なのに、デジタルよりフィルム、ネットより本、古い映画作品のファンを公言するなど、製作する映画内容よりも古風な映画人。

それはさておき、最新作は「ＴＥＮＥＴ テネット」（２０）で、本作も監督オリジナル脚本。時間のルールを逆行するサスペンスアクション。

主人公（ジョン・デヴィッド・ワシントン）に与えられた任務は、時間のルールから脱出し、時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、

第三次世界大戦を止めること。言葉の使い方次第で未来が決まるキーワードは、ＴＥＮＥＴ／テネット。相棒（ロバート・パティンソン）と…

人類滅亡の危機に立ち向かいます。エリザベス・デビッキ、アーロン・テイラー＝ジョンソン、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナー共演。

ジョン・デヴィッドは、デンゼル・ワシントンの息子。それにしても監督の時間って、どうなっているんでしょう？頭の中を覗いて見たい！

幼い息子の面影を求めて

シャーロット・ランプリングの主演作品は、 フランソワ・オゾン監督「まぼろし」（０１）や、アンドリュー・ヘイ監督「さざなみ」（１５）、

アンドレア・パラオロ監督「ともしび」（１７）と、ひらがなのやさしいタイトルが続きます。７４歳の今も、老いを隠すことなく演技するその姿は…

いつも素晴らしく、作品も欠かさず見ています。しかし、スペイン映画、ロドリゴ・ソロゴイェン監督「おもかげ」（１９）は…

ランプリングの作品ではありませんでした。離婚した元夫と旅行中の６歳の息子から電話を受けた、エレナ（マルタ・ニエト）。

『パパが戻ってこない』…それがフランスの海辺に１人残された息子の声を聞いた、最後の会話でした。１０年後、エレナは息子が失踪した…

海辺のレストランで働いていました。ある日、エレナは息子によく似たフランス人の少年ジャン（ジュール・ポリエ）と出会います。

それ以来、エレナを慕うジャンは彼女の元を度々訪れるようになります。２人の関係は、やがて周囲に混乱と戸惑いをもたらしていくのでした。

本作は、監督が２０１７年に製作し、第９１回アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた１５分の短編をオープニングシーンに使用。

さらに息子を失った女性（マルタ・ニエト）の＜その先＞を描いた作品です。監督は、本作が長編５作目となります。マルタ・ニエトは…

０６年には、アントニオ・バンデラス監督作に出演（日本未公開）。本作で第７６回ヴェネチア国際映画祭女優賞受賞の注目の女優です。必見。