報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「導かれし愚か者たち」

2014-03-01 21:14:40 | 日記
[2月23日11:00. 東京都23区内某所 日蓮正宗東京第3布教区 大化山・正証寺 藤谷春人]

「いやー、先週は凄い雪でしたよ」
 藤谷は寺院内にある談話室で、地区長と共に副講頭や副住職と話をしていた。
「でも全員、無事に下山できましたので。ご報告申し上げます」
「大変ご苦労様でした。御山では……厳密には藤谷さんにおかれましては、御登山に向かわれるまでの間、色々な苦難があったとお伺いしております」
 副住職は静かに言った。
「あっ、えー……まあ、色々と……。何しろ、数十年ぶりの大豪雪でしたから」
「万難を排し、無事に御開扉が叶ったことは、大変な功徳になりますよ」
 と、副講頭もニコニコしていた。
「はっ、ははは……大変恐れ入ります」

[同日12:00.同場所 藤谷]

「あー、緊張した。2つの意味で。あ、いや、もう1つあったか……」
 藤谷は正面入口横にある、“折伏誓願達成表”を見た。
 藤谷の班だけ、すこぶる棒グラフの長さが短い。
「グラフにしてあからさまに公表しないだけ、まだ顕正会の方がマシじゃね?……まあ、いいや。このままじゃ、アレだな。最近、稲生君が折伏をやっているという話を聞かない。ちょっとハッパ掛けてみるか」
 藤谷はユタに電話を掛け、
「……とにかくだ。うちの班も、他の班とグラフの長さを同じにするように頑張ってくれ」
{「分かりました」}
 というユタの言葉に、電話を切る藤谷。
「よし。これで一応、班長としてやることはやったからな。うん。さて、俺は街折に出かけてこよう」

[同日12:40.東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅 藤谷春人]

〔出口は、右側です。ホームドアに、ご注意ください〕

 乗り入れて来た西武の電車が地下ホームに滑り込んできた。

〔足元に、ご注意ください。銀座一丁目、銀座一丁目。新木場行きです〕

 藤谷はここで電車を降りた。

[同日12:50.JRAウインズ銀座 藤谷春人&佐藤公一]

「車が通ります!ご注意ください!」
 警備員達の交通誘導を横目に、
「ふっふっふっ。街折開始♪」
 と、競馬新聞片手に場外馬券売り場に入る藤谷だった。
「ていうか、何でブクロには場外が無いかなー。銀座通り潰したんだから、その分、ブクロに作れってな」

 バキッ!
「いてぇよォ……グスン……」
 ↑またまた予想を外して、壁に八つ当たるも自爆。
「よォ、儲かりまっか?ケンショー・ブルーさんよ?」
「ああっ!?オメーはクソ法華講員!何しに来やがったんだっ、ああっ!?」
「折伏に来たんだよ、オメーをよ」
「ああっ!?俺はイエロー先生一筋だぜっ!正本堂のことなんか分かんねーよ!ああっ!?」
「おやおや?ケンショー幹部ともあろうお方が、正本堂をご存じでない?」
「正本堂が完成した後も妙信講が実は内拝を願い出てたなんて知らねーよ!」
「知ってんじゃん!……あ、今度の馬、何買った?」
「1-4-7だぜっ!細井管長と阿部管長の間に血脈は無ェぜ!」
「いや、お前な……。そんな穴過ぎるヤツ行ったって、しょうがねーだろ。オレは3-5-8だな。イエローさん、自分で昔、『何があっても血脈は途絶えることはない』って言ってるぜ?」
「ああっ!?そんな昔のことなんざ知らねーよ!そんなカタ過ぎる予想、功徳なんか無ェぜ!」
「当たんなきゃ意味ねーんだよ。で、いくらブッ込んだ?……バカだろ!そんなに穴ばっかに、そんなに入れるかよ、フツー!」
「ああっ!?イエロー先生は、『何があっても大丈夫』だと仰せだぜっ、ああっ!?」

 で……。
「やっぱ、3-5-8か。うーん……オッズ低いけど、こんなもんか。……おい、大丈夫か?」
 当たり券を換金してきた藤谷だった。
「…………」
 ↑全額スッてアワ吹いてるブルー。
「バカだな……」
「習い損ないの寛師教学に取り憑かれて哀れですね〜!」
 ↑藤谷達に独り言を投げかけて立ち去る沖浦さん。
「あ?……何だあのオッサン?……学会員か?まあ、いいや」
 そこへ電話が掛かって来る。
「あっ、はい。もしもし?あ、男子部長。お疲れさまっス!」
{「日曜日だってのに、どこにいるんだ、キミは!?」}
「あ、えーと……ちょっと銀座まで……」
{「銀座!?のんきにショッピングしてる場合じゃないぞ!東京地区の、それもキミの班の誓願達成率、分かってるよな!?」}
「もちろんです!班長として班員にもハッパを掛けましたし、さっきも自分、顕正会員に折伏してたんスよ」

〔「さあ、各馬一斉にスタートしました!おーっと!後方からいきなりダッシュしてくる白い影!4番アサイショーエーだ!」〕

{「何か、馬がどうたらこうたらって聞こえたぞ!?」}
「あ、いや、気のせいっスよ。ほら、今、浅井昭衛って聞こえたでしょ?今、顕正会員と法論の最中で……」

〔「更にその後ろを走るは8番のパラパラアカネ!更に10番のドクターバーズと続いております!」〕

「え、ええ!もう、実はバーズ博士とパラパラ茜氏との法論の最中で……」
{「嘘つくな!誓願達成まで競馬自粛と言っただろうが!ちょっとお寺に戻ってこい!」
「へ、へーい……」

〔「アサイショーエー、速い!今1着でゴール!続いて2着はドクターバーズ、3着はパラパラアカネです!」〕

「くそっ!7番のヨッピンが来ると思ってたんだけどなぁっ!あーっ!もうっ!!」
 藤谷はハズレ馬券を未だアワ拭いてるサトーに投げつけた。
「法論は来週に持ち越しにしといてやるよ!じゃあな!」

[同日17:00.正証寺 藤谷春人&稲生ユウタ]

 厳格な男子部長から数時間、正座でお説教の刑を食らった藤谷だった。
「じゃあ、稲生君が1人でグラフの線を他班と同じようにしてくれるんだな?」
 改めて男子部長は藤谷に詰問するように聞いた。
「はい。そう言ってました。今日中に」
「今日中に!?キミんとこの班が他と同じようにするには、最低でも5人はやらないとダメだぞ?1人で5人……それも今日1日でできると思ってるのか?」
「すいません……ちょっと無理だったかも……です」
「全く!班長のキミがそんなんでどうするんだ!だから誓願だって、何ヶ月も最下位で未達成なんだぞ!」
「はい……」
 そこへ、
「こんにちはー!お待たせしましたー!」
 ユタが登場した。
「おおっ、ユタ!待ってたぞ!で、どうだ?首尾の方は?」
「ええ、ばっちりです!」
 ユタはニッコリ笑って、右手の親指を上に向けた。
「なにいっ!?本当に1人で!?」
 男子部長は目を剥いた。
「ふっふっふ〜。どうです、男子部長?うちの班は懈怠が目立ちますが、やればできる班なんスよ〜?」
「じゃあ、俺に言われる前にやれよ!」
「で、班長、誓願達成表は玄関でしたっけ?」
「ああ、そうだ。おっ、そうだそうだ。そこにちゃんと書き込まなきゃな」

 ユタ達は玄関に移動した。
「ところで、手に持ってるのは何だ、稲生君?」
「新しいグラフ表ですよ」
「えっ?うちの班のことなのに、わざわざ新しく作ってきたのか?」
「パソコンとプリンターがあって良かったです」
「A1サイズのプリンター、お前んちにあんの!?」
 ユタはそれまでの棒線グラフの表を外し、新たな表を貼り付けた。
 それは円グラフだった。
「ん?ちょっと。うちの班、全然変わってないぞ?どういうことだ?」
「いや、班長の仰る通りにしてきましたよ?」
「どこが?」
「だって班長、『他の班と同じ長さのグラフを作れ』って言ったじゃないですか。円グラフなら、どの班も中心点からの長さは一緒ですよ?」
「ちがーう!『他の班とグラフの長さが同じになるように』って……あれ?」
 ガシッ!と男子部長に肩を掴まれる藤谷とユタ。
「今日は深夜バスで帰ってもらうからな、キミ達!?」
「いやっ、あの……男子部長!これはその……何かの間違いで……!」
「日曜日は“ミッドナイト・アロー”運転してないです、部長!」

[同日同時刻 JRAウインズ銀座 佐藤公一]

「お客さん、閉店なんで早く帰ってくださいよ」
 緑色の制服を着た整理員が迷惑そうに声を掛ける。
「…………」
 ↑未だに泡吹いて失神しているサトー。
「隊長、ゴミ収集車来ましたー」(←たまたま今日、ゴミ収集車の誘導係に当たった作者)
「ああ。【作者の本名】君、こいつを外に出しといてくれ」
 作者に指示を与える警備隊長。
「いっそのこと、ゴミ収集車に回収させます?」
「清掃工場からクレーム来るからダメ!」
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下らない話。

2014-03-01 19:21:21 | 日記
 現役顕正会員、厳虎さんのブログでも、今年9月7日に行われる男子部5万人大会について取り上げられている。
 会場は埼玉県さいたま市のさいたまスーパーアリーナである。最寄り駅はJR宇都宮線、高崎線、京浜東北線のさいたま新都心駅とJR埼京線の北与野駅である。
 尚、この2つの駅は京浜東北線以外の快速電車は全て通過するので、各駅停車並びに普通列車に乗車されたし。
 話題に出した当の厳虎さんやバーズさんはもちろんのこと、ポテンヒットさんも参加されるのだろうな。
 因みにこの会場、私の現住所から徒歩15分程度の場所である。
 どの程度の数の法華講員が彼らを捕まえに行くのかは知らないが、私は行かないよ。

 だいたい、何を今更変な議論をしているのかと思う。
 顕正会員が何人集まろうが、そんなことどうでもいいだろうが。
 法論をしたい信徒は会場に乗り込んでそれを申し込んでくればいいのだし(私が顕正会員なら応じないが)、どうしても大会をやめさせたければ訴訟でも起こしてやめさせればいいのだ。もっとも、正信会の寺院を取り戻せなかったのと同じ結果になることは目に見えているが。

 しかし、顕正会も大変だね。
 大会をやらなかったら、「公約違反」だとバカにされ、やろうとすると、「どこそこの会場は何万人しか入らないから、そもそもが無理だ」とバカにされ、やったらやったで今度は、「何万人集めると豪語していたのに、実際は何万人しか集まらなかった」と、やっぱりバカにされる。

 何だか、哀れになってくるよ。だから、私はやらない。そんなことをしても、顕正会が消えて無くなるわけでもないからね。

「バカたれが!顕正会はそれくらいされてもいいようなことをしてるんだ!!」
 という反論もあるだろう。
 でも、それはおかしい。それなら、やはり出る所に出るべきだと思う。
 山門入り口さんもちょこっと苦言を呈していた春季総登山会の誓願の件。
 これについて、顕正会員からそれをバカにした内容の発言があったか。無いだろう。それと同じだ。

 今はとにかく、自分の信心を確立させることが大事だと思っている。前回と同じ失敗はしたくないので。
「それが折伏だ!」
 というほど、私は武闘派になれないということは前回の失敗で明らかになった。
 その反省を踏まえ、自分はどうあるべきかを今なお模索中である。

 従って、顕正会男子部5万人のことなど、どうでもいい。
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“アンドロイドマスター” ショート・ストーリー

2014-03-01 10:13:30 | 日記
 とある日曜日の午前中……。

〔「さようなら、リリアンヌ……。もしも、また生まれ変われたら……その時はまた遊んでね……」〕

 敷島とアリスは市街地に繰り出して映画を見ていた。
 リンとレンが主演の感動ものの映画で、その通り、観客からは涙を誘っていたのだが、
(ミュージカルと構成がだいぶ違うな。やっぱり、他の出演者もボカロにしないと……)
 敷島は冷静に分析していたし、アリスは……。
(やっぱポップコーンはソルトに限るわ)
 ラージサイズのポップコーンを片手にしていた。

 映画が終わって、適当に街中を歩く。
「シキシマ、いい仕事取ってくるね」
「いや、映画の仕事はあいつらの所属先のプロダクションが取ったものだから。俺はただ単に許可を出すだけさ。“悪ノ娘と召使”は、やっぱり歌とダンスも交えたミュージカルに限るな。そもそもが音楽プロデューサーの発案で始まった企画なもんだから、普通の実写映画というのは……どうした?」
 アリスは行列のできている店の前で立ち止まった。
「これ、何の列?」
「あー、これ東京じゃ有名なラーメン屋だよ。そうか。仙台にもあったのか」
「食べたい!」
「今から並ぶのか?」
「日本人は並ぶのが好きね」
「好きで並んでるんじゃないと思うけどなぁ……」
 恐らくは、大和民族の悲しい性(さが)。

 ラーメン屋ということもあって、意外と回転は速い。
「えーと……この店は食券方式か。先に食券……チケットを買って、カウンターに出すんだってさ」
「Ok.」
 で、ようやく敷島達の番が回って来る。
「アリス、何にする?」
「ここはチャーシューダブルで行くわ」
「おっ、いきなりボリュームのあるヤツ行くなぁ……。(てかコイツ、さっきポップコーン食ってなかったか!?)」
 アリスは紙幣投入口に……つかえて入らない。
「アリス、まさかとは思うけどドル札は入らんからな?」
「違うわよ」
「ん?」
 敷島が覗き込むと、
「アメリカン・エクスプレスはもっと入らねぇぜ、アメリカ人!」

 で、食券を購入し、店員の前にスッと出す。
「注文の仕方は……」
 敷島が何か言いかけたが、
「メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシ」
 さも当然のようにアリスがしたり顔で言った。
「ブッ!(何で食券買うのに慣れていないのに、注文の仕方は慣れてるんだ、コイツ!?)」

 そして、出て来たのは……。
「げっ……!?」
 敷島は口をあんぐり。モヤシやら何やら山盛りになって出てきて、凄いビジュアルになっている!
 しかし、アリスは……。
「Wow!It’s appetizing!(きゃー!美味しそう!)」
 と、大はしゃぎ。
「お前、食えるのか?」
「もちろん!」
 ヒョイ、パク!ヒョイ、パク!とアリスはリズミカル且つ粛々と食したという。

「So good tasty!Thank you!」
「マジで完食しやがった……!」
「シキシマ。この後の予定は?」
「ちょっ……!まだ俺、食ってねぇ!」

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 アリス・フォレスト:三次元におけるモデルは、ミア・マルコヴァ(芸名、ミア・楓・キャメロン)だったりします。
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