[5月20日14:00.天候:晴 アメリカ合衆国ニューヨーク→ヒューストン行き某国内線航空機内 敷島孝夫&アリス敷島]
ニューヨークにあるデイライト社の本社に赴いた敷島夫妻は、そこの重役と色々な話をした。
まずは重役より、日本から事件解決の為に出向いてくれたことに対する礼。
そして結果として、事件を解決してくれた礼であった。
だが、その後で、色々あった。
まず、会社と対立していたアルバート所長を生きたまま警察当局に逮捕させ、司法裁判に掛けることができたことは及第点である。
重役の1人、アルバート常務を助けられなかったことは、会社として大損害であるが、しかしそれは敷島達の契約に入っていない為、敷島達に影響は無く、そもそも査定の対象外。
ジャニスとルディだが、捕獲の依頼を達成することができなかったということで、こちらは減点となった。
アリスは、あの状況下での捕獲は無理で、メモリーとデータだけでも無事に確保できたことを評価してほしいと迫ったが、そこはアメリカ。
「契約は契約だ」
と、バッサリ切られた。
それとも、デイライト社ならではの対応だろうか。
別の重役には敷島達の活動に否定的な者もおり、帰りの飛行機はファーストクラスなど言語同断で、エコノミークラスで良いという者もいた。
最終的には、ビジネスクラスで決まったのだが。
敷島達は反論したものの、どうしても言い訳になってしまうものが1つあった。
それは、シンディが何の躊躇も無く、ヘリパイロットを狙撃したこと。
シンディには殺意も悪意も無く、ヘリで逃げられたり、リンとレンを連れ去られるのを防ぐ為に行ったことであった。
だが、単なるパイロットをマルチタイプが狙撃するのはどうかという指摘には、完全な反論ができなかったのである。
無論、結果的には、そのおかげでクエントがジャニスに対して、そのヘリで特攻することができたわけだが。
とにかく、帰りの飛行機はもちろん、ギャランティについても、当初の契約とは大幅に異なった額になってしまった。
アリス:「本社もクズばっかね。アルバート所長の気持ちが少しは分かる気がするわ」
敷島:「日本のデイライトさんは、いい人達ばかりなのにねぇ……。まあ、国際線のビジネスクラスも、最近はレベルが高いみたいだし、それでいいんじゃないのか?」
敷島も会社経営者ということもあってか、何となく感づいた所があるのだが、帰りの飛行機はファーストクラスというのはただの“釣り”で、デイライト社的には何のかんのと難癖つけて、ファーストクラスには乗せないのが本音であったと思われた。
なのでビジネスクラスは、とても検討した方だと思う。
アリス:「この飛行機だってエコノミークラスなのよ。冗談じゃないわ」
敷島:「ビジネスクラスとエコノミークラスしか無い国内線だからな。何でも、ビジネスクラスは満席だったっていうから、しょうがない。それに、重要なことが1つあるだろ?」
アリス:「まあね」
敷島:「この飛行機を無事に降りるという重大なミッションが!」
どうして敷島がそんなことを言ったのか。
何故かそこへ、くすんだ緑色の軍服に黒い防弾チョッキを羽織り、ガスマスクを被った上で、どうやって持ち込んだのか、ショットガンを構えた男が1人、敷島達の所へ近づいてきた。
ハイジャック犯A:「こら!お前ら!何をコソコソ喋っている!?黙らないと撃つぞ!」
敷島:「うおっ!?あ、いや、申し訳無い。ちょっと、夫婦水入らずの会話を……!」
するとハイジャック犯A、ショットガンを天井に向けて1発発砲する。
敷島:「!!!」
アリス:「きゃっ!!」
ハイジャック犯A:「ナメてんのか、お前!?この俺が年齢=彼女いない歴35年、生涯独身まっしぐらの非リアだと思ってナメた口ききやがったな!?あぁっ!?」
敷島:「い、いや、そんなつもりはない!ここ最近は独身時代が物凄く懐かしく……」
アリス:「タカオ!後で説教よ!」
敷島:「ああっと!?」
ハイジャック犯A:「てめぇら……!」
ハイジャック犯B:「おい、何やってんだ?」
ハイジャック犯A:「あっ……!こいつらがリア充だと思って、非リアの俺をバカにした態度取りやがってよォ、蜂の巣にしてやろうかと思ってたんだ」
ハイジャック犯B:「バッカ、オメェ!弾は無駄撃ちすんなって、閣下に言われたべ!?それより、そろそろ閣下がお戻りになる頃だ。配置に戻れ!」
ハイジャック犯A:「分かったよぉ……」
ハイジャック犯2人、敷島達の席から離れる。
敷島達、ホッと一息。
と、そこへ、今度は敷島達から1番近い所のトイレから、1人の男が出てくる。
とてもスッキリした顔である。
男:「ふ〜、スッキリスッキリ。快便、快便。この歳になっても、体はとても健康。功徳〜〜〜〜!!」
ハイジャック犯C:「河童閣下!」
パーンッ!(ハイジャック犯Cに対し、男が無言で手持ちのハンドガンをぶっ放す。弾はハイジャック犯Cの頭上スレスレを飛んで行った)
男:「怨嫉謗法はやめなさいと何度も言ってるでしょう?以後、気をつけるように」
ハイジャック犯C:「も、もも……申し訳ありません……」
男は機内アナウンスのマイクを取る。
男:「あー、コホン。えー、乗客の皆さん、こんにちは。えー、突然のことで、大変驚かれたことと存じます。それに関しましては、深くお詫びを申し上げるところでございます。申し遅れました。私達は神からの啓示を受け、世界に平和と幸せをもたらすことを目的とする活動組織、ヤング・ホーク団であります。そして私、ヤング・ホーク団の代表を務めております、ジャック・シュラ・カッパーと申します。以後、お見知り置きを」
アリス:(ヤング・ホーク団?若い鷹……いや、若鷹かしら?)
敷島:(ハイジャック団の団長の名前がジャック……w)
ジャック:「乗員は既に私共で、全員射殺しております。つまり、私達の指示に素直に従って頂けない場合……安全の保障はできないということでありますな。そこの所、重々ご承知おきください」
敷島:(さらっと恐ろしいこと言ってんなー……)
ジャック:「皆さん、緊張されておりますな。では緊張をほぐす為に、私の功徳を申しあげます。【今朝、趣味のパワーリフティングのトレーニングをやった。昨日より少し重い物を持ち上げることができた】功徳〜〜〜〜〜〜!!」
シラー……。(←乗客一同、どこが凄いのかシラける)
敷島:「どこが功徳だ?単なる、ヒマな年寄りの日記の延長じゃないか。なあ?」
アリス:「そうね」
するとジャック、敷島達の所へやってきて、敷島の頭にベレッタを突き付ける。
敷島:「!!!」
ジャック:「日本人は怨嫉謗法してダメですね〜!だから、チャイナやコリアのみならず、ロシアからも足元見られてるのですよ。差別が何だ!差別はされる方が悪い!私もクソッタレ米国白人に差別される側ですが、御覧なさい!今ではこうして、差別する側に回れました!功徳です!!」
敷島:(ダメだ、このジジィ、イカレてる……)
アリス:(ていうか、日本語ペラペラね、この爺さん……)
と、その時だった!
ズシンと大きく飛行機が縦揺れを起こす。
アリス:「なに!?」
敷島:「乱気流か?」
ジャック:「おい、操縦席!操縦席!何があった?答えろ!」
ジャックは一旦敷島達から離れると、インカムで操縦席を占拠している部下達に何事かを問うた。
すると、操縦席にいた部下からは、驚くべき答えが返ってきたのである。
それは一体……!?
ニューヨークにあるデイライト社の本社に赴いた敷島夫妻は、そこの重役と色々な話をした。
まずは重役より、日本から事件解決の為に出向いてくれたことに対する礼。
そして結果として、事件を解決してくれた礼であった。
だが、その後で、色々あった。
まず、会社と対立していたアルバート所長を生きたまま警察当局に逮捕させ、司法裁判に掛けることができたことは及第点である。
重役の1人、アルバート常務を助けられなかったことは、会社として大損害であるが、しかしそれは敷島達の契約に入っていない為、敷島達に影響は無く、そもそも査定の対象外。
ジャニスとルディだが、捕獲の依頼を達成することができなかったということで、こちらは減点となった。
アリスは、あの状況下での捕獲は無理で、メモリーとデータだけでも無事に確保できたことを評価してほしいと迫ったが、そこはアメリカ。
「契約は契約だ」
と、バッサリ切られた。
それとも、デイライト社ならではの対応だろうか。
別の重役には敷島達の活動に否定的な者もおり、帰りの飛行機はファーストクラスなど言語同断で、エコノミークラスで良いという者もいた。
最終的には、ビジネスクラスで決まったのだが。
敷島達は反論したものの、どうしても言い訳になってしまうものが1つあった。
それは、シンディが何の躊躇も無く、ヘリパイロットを狙撃したこと。
シンディには殺意も悪意も無く、ヘリで逃げられたり、リンとレンを連れ去られるのを防ぐ為に行ったことであった。
だが、単なるパイロットをマルチタイプが狙撃するのはどうかという指摘には、完全な反論ができなかったのである。
無論、結果的には、そのおかげでクエントがジャニスに対して、そのヘリで特攻することができたわけだが。
とにかく、帰りの飛行機はもちろん、ギャランティについても、当初の契約とは大幅に異なった額になってしまった。
アリス:「本社もクズばっかね。アルバート所長の気持ちが少しは分かる気がするわ」
敷島:「日本のデイライトさんは、いい人達ばかりなのにねぇ……。まあ、国際線のビジネスクラスも、最近はレベルが高いみたいだし、それでいいんじゃないのか?」
敷島も会社経営者ということもあってか、何となく感づいた所があるのだが、帰りの飛行機はファーストクラスというのはただの“釣り”で、デイライト社的には何のかんのと難癖つけて、ファーストクラスには乗せないのが本音であったと思われた。
なのでビジネスクラスは、とても検討した方だと思う。
アリス:「この飛行機だってエコノミークラスなのよ。冗談じゃないわ」
敷島:「ビジネスクラスとエコノミークラスしか無い国内線だからな。何でも、ビジネスクラスは満席だったっていうから、しょうがない。それに、重要なことが1つあるだろ?」
アリス:「まあね」
敷島:「この飛行機を無事に降りるという重大なミッションが!」
どうして敷島がそんなことを言ったのか。
何故かそこへ、くすんだ緑色の軍服に黒い防弾チョッキを羽織り、ガスマスクを被った上で、どうやって持ち込んだのか、ショットガンを構えた男が1人、敷島達の所へ近づいてきた。
ハイジャック犯A:「こら!お前ら!何をコソコソ喋っている!?黙らないと撃つぞ!」
敷島:「うおっ!?あ、いや、申し訳無い。ちょっと、夫婦水入らずの会話を……!」
するとハイジャック犯A、ショットガンを天井に向けて1発発砲する。
敷島:「!!!」
アリス:「きゃっ!!」
ハイジャック犯A:「ナメてんのか、お前!?この俺が年齢=彼女いない歴35年、生涯独身まっしぐらの非リアだと思ってナメた口ききやがったな!?あぁっ!?」
敷島:「い、いや、そんなつもりはない!ここ最近は独身時代が物凄く懐かしく……」
アリス:「タカオ!後で説教よ!」
敷島:「ああっと!?」
ハイジャック犯A:「てめぇら……!」
ハイジャック犯B:「おい、何やってんだ?」
ハイジャック犯A:「あっ……!こいつらがリア充だと思って、非リアの俺をバカにした態度取りやがってよォ、蜂の巣にしてやろうかと思ってたんだ」
ハイジャック犯B:「バッカ、オメェ!弾は無駄撃ちすんなって、閣下に言われたべ!?それより、そろそろ閣下がお戻りになる頃だ。配置に戻れ!」
ハイジャック犯A:「分かったよぉ……」
ハイジャック犯2人、敷島達の席から離れる。
敷島達、ホッと一息。
と、そこへ、今度は敷島達から1番近い所のトイレから、1人の男が出てくる。
とてもスッキリした顔である。
男:「ふ〜、スッキリスッキリ。快便、快便。この歳になっても、体はとても健康。功徳〜〜〜〜!!」
ハイジャック犯C:「河童閣下!」
パーンッ!(ハイジャック犯Cに対し、男が無言で手持ちのハンドガンをぶっ放す。弾はハイジャック犯Cの頭上スレスレを飛んで行った)
男:「怨嫉謗法はやめなさいと何度も言ってるでしょう?以後、気をつけるように」
ハイジャック犯C:「も、もも……申し訳ありません……」
男は機内アナウンスのマイクを取る。
男:「あー、コホン。えー、乗客の皆さん、こんにちは。えー、突然のことで、大変驚かれたことと存じます。それに関しましては、深くお詫びを申し上げるところでございます。申し遅れました。私達は神からの啓示を受け、世界に平和と幸せをもたらすことを目的とする活動組織、ヤング・ホーク団であります。そして私、ヤング・ホーク団の代表を務めております、ジャック・シュラ・カッパーと申します。以後、お見知り置きを」
アリス:(ヤング・ホーク団?若い鷹……いや、若鷹かしら?)
敷島:(ハイジャック団の団長の名前がジャック……w)
ジャック:「乗員は既に私共で、全員射殺しております。つまり、私達の指示に素直に従って頂けない場合……安全の保障はできないということでありますな。そこの所、重々ご承知おきください」
敷島:(さらっと恐ろしいこと言ってんなー……)
ジャック:「皆さん、緊張されておりますな。では緊張をほぐす為に、私の功徳を申しあげます。【今朝、趣味のパワーリフティングのトレーニングをやった。昨日より少し重い物を持ち上げることができた】功徳〜〜〜〜〜〜!!」
シラー……。(←乗客一同、どこが凄いのかシラける)
敷島:「どこが功徳だ?単なる、ヒマな年寄りの日記の延長じゃないか。なあ?」
アリス:「そうね」
するとジャック、敷島達の所へやってきて、敷島の頭にベレッタを突き付ける。
敷島:「!!!」
ジャック:「日本人は怨嫉謗法してダメですね〜!だから、チャイナやコリアのみならず、ロシアからも足元見られてるのですよ。差別が何だ!差別はされる方が悪い!私もクソッタレ米国白人に差別される側ですが、御覧なさい!今ではこうして、差別する側に回れました!功徳です!!」
敷島:(ダメだ、このジジィ、イカレてる……)
アリス:(ていうか、日本語ペラペラね、この爺さん……)
と、その時だった!
ズシンと大きく飛行機が縦揺れを起こす。
アリス:「なに!?」
敷島:「乱気流か?」
ジャック:「おい、操縦席!操縦席!何があった?答えろ!」
ジャックは一旦敷島達から離れると、インカムで操縦席を占拠している部下達に何事かを問うた。
すると、操縦席にいた部下からは、驚くべき答えが返ってきたのである。
それは一体……!?