[7月16日09:30.天候:雨 東京都江東区森下 ワンスターホテル]
近所のコンビニからホテルに戻る勇太。
勇太:「ただいまァ」
フロントはちょうどチェックアウトの時間帯のせいか、フロントは混雑していて、エレーナも臨時で対応する有り様だった。
仕方が無いので、ソファに座って、エレーナの手が空くのを待った。
と、そこへエレベーターから……。
リリィ:「ムッシュ稲生!ボンジュー!」
リリィが降りて来た。
どうやら地下室から上がって来たらしい。
14歳で魔女になったこともあり、マリアよりも小柄である。
また、人間時代は小学校までしか行っておらず、ダンテの方針で、今は魔界の学園中等部に通っている。
勇太:「ああ、リリィ。おはよう」
リリィは私服姿で、ノースリーブの水色のTシャツを着て、下はデニムのショートパンツ姿である。
リリィ:「ムッシュ稲生、今日も泊まる!?」
勇太:「あー……うん。そういうことになりそうだね」
リリィ:「ゲーム!ゲーム一緒にしよ!?」
勇太:「おいおい、それは鈴木君のポジションじゃないのかい?鈴木君はどうした?」
鈴木:「ムッシュ鈴木、今日から大石寺に行ってる」
勇太:「添書登山か何かな?」
リリィ:「チュートーブケンシューカイのニンムだって」
勇太:「中等部研修会の任務か!前日から行ってるの!?」
リリィ:「わたしを差し置いて、同じ中学生達に【ウヒウヒ】【アハアハ】」
勇太:「いや、そういう不純な動機じゃないだろ!」
リリィ:「分かんない。ムッシュ鈴木、小さい女の子、好きだから」
勇太:「そんなことはないだろ?最初はマリアに手を出そうとしたし、今はエレーナにぞっこんじゃ?」
エレーナ:「それが今や、リリィにぞっこんなんだぜ。女に飽きやすいヤツなんだぜ。少しは稲生氏を見習えってんだ。なぁ?」
勇太:「エレーナ!フロントはもういいのかい?」
エレーナ:「取りあえず、今は手が空いたぜ。リリィ、鈴木はどうやら女子中高生が好きみたいだ。そこは稲生氏と似ているぜ」
勇太:「何で!?」
エレーナ:「あぁ?アンタもマリアンナにJKコスさせてんじゃねーか。あぁ?」
勇太:「い、いや、あれはマリアが……!」
リリィ:「わ、わたしも学校の制服着て行けば、ムッシュ鈴木に振り向いてもらえる!?」
エレーナ:「ガチだぜ。体操服にブルマ、スク水も忘れんじゃねーぜ?」
勇太:「わさわざコスプレ用に買うの?」
エレーナ:「いや。魔界の学校、女子の体操服はブルマで、スク水は旧式タイプだぜ?」
勇太:「マジで!?」
エレーナ:「お?稲生氏も行きたくなったか?」
リリィ:「フヒヒヒ……。い、稲生氏も是非来てみて!」
勇太:「き、機会があったらね!そ、それより今は、マリアの薬だ!ほら、約束の1万円!」
エレーナ:「おお!さすがは稲生氏、太っ腹だぜ。それじゃ、約束の薬を持ってマリアンナの部屋に突撃だぜ!」
リリィ:「フヒヒ……!と、突撃~!」
エレーナ:「リリィは部屋に戻ってろ。稲生氏には、連泊の手続きをしてもらうんだぜ」
リリィ:「フヒ?!は、はい……」
エレーナ:「オマエは先に掃除と洗濯をしてろ」
リリィ:「はい……」
エレーナは先にリリィをエレベーターに乗せ、地下に強制送還した。
エレーナ:「悪いな。朝から賑やかなヤツでよ」
勇太:「前と比べると、ホラーチックさが無くなったね」
エレーナ:「まあ、見た目はな」
勇太:「見た目は?」
エレーナ:「まあ、見た目っつーか……」
エレベーターが戻ってきて、2人はそれに乗り込んだ。
エレーナ:「霊感は相変わらず強くて、たまにポルターガイストが起こる」
勇太:「いいの、それ?!」
その霊感を魔力に換える修行をするのが、新弟子の役目である。
エレーナ:「危ないから、学校に通ってる場合じゃないと思うんだがな」
勇太:「その言い方じゃ、学校で怪奇現象引き起こしてることになるだろ?」
エレーナ:「実際そうなんだから仕方が無い。ぶっちゃけ、稲生氏の母校より凄い怪奇現象多発地帯だと思うぜ?」
勇太:「そんなに!?」
エレーナ:「稲生氏の母校ですら、一応セーフティゾーンはあっただろ?」
勇太:「ま、まあね……」
職員室や家庭科室、食堂や宿直室などは怪奇現象が全く報告されなかったことから、安全地帯と言えただろう(話の一環として登場した場所はあるが、あくまでもそこで怪奇現象が起きたわけではないという意味で)。
エレーナ:「リリィの学校はそんなもん一切無ェ」
勇太:「マジか。ヤだな……」
エレベーターを降りて、マリアの部屋に向かう。
エレーナ:「心配すんな。今じゃ、私らも怪奇側の存在だから」
勇太:「ええ?」
エレーナ:「ほら、自覚無ェだろ?私達、あの『飴玉婆さん』の知り合いな上、そっち側の存在だぜ?」
勇太:「う……。で、でもさすがに幽霊は怖いな……」
エレーナ:「オマエ、一応仏教徒だろ?」
勇太:「そ、そうなんだけど……」
エレーナ:「しかもホラーテイスト満載のイリーナ先生の御屋敷に普通に住んでる時点で、オマエ達もホラー側だってことだぜ」
勇太:「それはさすがに反論の余地は無い……」
そんなことを話しているうちに、マリアの部屋に到着する。
勇太:(何か今、エレベーターから部屋までの距離感が異様に長かったような……?)
エレーナはそんなこと気にせず、マリアの部屋をノックする。
エレーナ:「おーい、マリアンナ~!おはようだぜ!薬、持って来てやったぜ?」
しばらくすると、ミカエラがドアを開けた。
勇太:「ミカエラ、マリアに薬を持ってきた」
ミカエラ:「……どうぞ。お入りください」
ミカエラが2人を部屋に入れる。
随分と警戒が厳重だ。
部屋に入ると、メイド服姿のミカエラは右手にハンドガンを、同じ姿をしたクラリスはショットガンを持っていたのだから。
エレーナ:「戦争でも始める気かよ?オマエのお人形さん達は?」
マリア:「……うるさいな」
勇太:「マリア、具合はどうかな?」
マリア:「……いいように見える?」
エレーナ:「生理がヒドくて機嫌が悪く、ダンナや彼氏に当たり散らすタイプの女ってことだ。稲生氏、気を付けるんだぜ?」
勇太:「う、うん……」
マリア:「……おいコラ」
勇太:「マリア、エレーナから薬を買ったよ。これを飲んで、元気になってくれ」
エレーナ:「即効性ではないから、取りあえず今日1日は寝てることにはなるけどな」
勇太:「本当に効くの?」
エレーナ:「マリアンナの場合、この状態が数日続く予定なんだぜ。それが今日1日で済むなんて、メッチャ効く薬だと思わないか?」
勇太:「そ、そういうことなら……」
マリア:「……いくらだ?」
勇太:「あ、もう僕が買っておいたよ。僕のカードで」
マリア:「……そう。ありがとう」
エレーナ:「さあさあ、早く飲むんだぜ。飲んだらすぐに眠くなるから、よく寝ておくんだぜ」
勇太:「一応、眠くなる成分は入ってるんだね」
エレーナ:「そういうことだぜ」
マリアは薬を飲んだ。
エレーナ:「それじゃ稲生氏、今度は連泊の手続きだぜ。これはイリーナ先生のカードでいいんだろ?」
勇太:「この場合は仕方ないだろうね」
勇太はイリーナのプラチナカードを手に、エレーナと再び1階に向かった。
エレベーターを待っていると、ランドリーバッグを手にしたクラリスが後から付いてくる。
勇太:「どうしたの?」
クラリス:「マスターの服を洗濯しようと思います」
このホテルの1階には、宿泊者用のコインランドリーがある。
勇太:「じゃあ、僕がお金出すよ」
クラリス:「ありがとうございます」
エレベーターに乗り込む。
エレーナ:「稲生氏は洗濯しなくていいのか?」
勇太:「自分の服くらい、自分で洗濯するよ」
勇太は肩を竦めた。
近所のコンビニからホテルに戻る勇太。
勇太:「ただいまァ」
フロントはちょうどチェックアウトの時間帯のせいか、フロントは混雑していて、エレーナも臨時で対応する有り様だった。
仕方が無いので、ソファに座って、エレーナの手が空くのを待った。
と、そこへエレベーターから……。
リリィ:「ムッシュ稲生!ボンジュー!」
リリィが降りて来た。
どうやら地下室から上がって来たらしい。
14歳で魔女になったこともあり、マリアよりも小柄である。
また、人間時代は小学校までしか行っておらず、ダンテの方針で、今は魔界の学園中等部に通っている。
勇太:「ああ、リリィ。おはよう」
リリィは私服姿で、ノースリーブの水色のTシャツを着て、下はデニムのショートパンツ姿である。
リリィ:「ムッシュ稲生、今日も泊まる!?」
勇太:「あー……うん。そういうことになりそうだね」
リリィ:「ゲーム!ゲーム一緒にしよ!?」
勇太:「おいおい、それは鈴木君のポジションじゃないのかい?鈴木君はどうした?」
鈴木:「ムッシュ鈴木、今日から大石寺に行ってる」
勇太:「添書登山か何かな?」
リリィ:「チュートーブケンシューカイのニンムだって」
勇太:「中等部研修会の任務か!前日から行ってるの!?」
リリィ:「わたしを差し置いて、同じ中学生達に【ウヒウヒ】【アハアハ】」
勇太:「いや、そういう不純な動機じゃないだろ!」
リリィ:「分かんない。ムッシュ鈴木、小さい女の子、好きだから」
勇太:「そんなことはないだろ?最初はマリアに手を出そうとしたし、今はエレーナにぞっこんじゃ?」
エレーナ:「それが今や、リリィにぞっこんなんだぜ。女に飽きやすいヤツなんだぜ。少しは稲生氏を見習えってんだ。なぁ?」
勇太:「エレーナ!フロントはもういいのかい?」
エレーナ:「取りあえず、今は手が空いたぜ。リリィ、鈴木はどうやら女子中高生が好きみたいだ。そこは稲生氏と似ているぜ」
勇太:「何で!?」
エレーナ:「あぁ?アンタもマリアンナにJKコスさせてんじゃねーか。あぁ?」
勇太:「い、いや、あれはマリアが……!」
リリィ:「わ、わたしも学校の制服着て行けば、ムッシュ鈴木に振り向いてもらえる!?」
エレーナ:「ガチだぜ。体操服にブルマ、スク水も忘れんじゃねーぜ?」
勇太:「わさわざコスプレ用に買うの?」
エレーナ:「いや。魔界の学校、女子の体操服はブルマで、スク水は旧式タイプだぜ?」
勇太:「マジで!?」
エレーナ:「お?稲生氏も行きたくなったか?」
リリィ:「フヒヒヒ……。い、稲生氏も是非来てみて!」
勇太:「き、機会があったらね!そ、それより今は、マリアの薬だ!ほら、約束の1万円!」
エレーナ:「おお!さすがは稲生氏、太っ腹だぜ。それじゃ、約束の薬を持ってマリアンナの部屋に突撃だぜ!」
リリィ:「フヒヒ……!と、突撃~!」
エレーナ:「リリィは部屋に戻ってろ。稲生氏には、連泊の手続きをしてもらうんだぜ」
リリィ:「フヒ?!は、はい……」
エレーナ:「オマエは先に掃除と洗濯をしてろ」
リリィ:「はい……」
エレーナは先にリリィをエレベーターに乗せ、地下に強制送還した。
エレーナ:「悪いな。朝から賑やかなヤツでよ」
勇太:「前と比べると、ホラーチックさが無くなったね」
エレーナ:「まあ、見た目はな」
勇太:「見た目は?」
エレーナ:「まあ、見た目っつーか……」
エレベーターが戻ってきて、2人はそれに乗り込んだ。
エレーナ:「霊感は相変わらず強くて、たまにポルターガイストが起こる」
勇太:「いいの、それ?!」
その霊感を魔力に換える修行をするのが、新弟子の役目である。
エレーナ:「危ないから、学校に通ってる場合じゃないと思うんだがな」
勇太:「その言い方じゃ、学校で怪奇現象引き起こしてることになるだろ?」
エレーナ:「実際そうなんだから仕方が無い。ぶっちゃけ、稲生氏の母校より凄い怪奇現象多発地帯だと思うぜ?」
勇太:「そんなに!?」
エレーナ:「稲生氏の母校ですら、一応セーフティゾーンはあっただろ?」
勇太:「ま、まあね……」
職員室や家庭科室、食堂や宿直室などは怪奇現象が全く報告されなかったことから、安全地帯と言えただろう(話の一環として登場した場所はあるが、あくまでもそこで怪奇現象が起きたわけではないという意味で)。
エレーナ:「リリィの学校はそんなもん一切無ェ」
勇太:「マジか。ヤだな……」
エレベーターを降りて、マリアの部屋に向かう。
エレーナ:「心配すんな。今じゃ、私らも怪奇側の存在だから」
勇太:「ええ?」
エレーナ:「ほら、自覚無ェだろ?私達、あの『飴玉婆さん』の知り合いな上、そっち側の存在だぜ?」
勇太:「う……。で、でもさすがに幽霊は怖いな……」
エレーナ:「オマエ、一応仏教徒だろ?」
勇太:「そ、そうなんだけど……」
エレーナ:「しかもホラーテイスト満載のイリーナ先生の御屋敷に普通に住んでる時点で、オマエ達もホラー側だってことだぜ」
勇太:「それはさすがに反論の余地は無い……」
そんなことを話しているうちに、マリアの部屋に到着する。
勇太:(何か今、エレベーターから部屋までの距離感が異様に長かったような……?)
エレーナはそんなこと気にせず、マリアの部屋をノックする。
エレーナ:「おーい、マリアンナ~!おはようだぜ!薬、持って来てやったぜ?」
しばらくすると、ミカエラがドアを開けた。
勇太:「ミカエラ、マリアに薬を持ってきた」
ミカエラ:「……どうぞ。お入りください」
ミカエラが2人を部屋に入れる。
随分と警戒が厳重だ。
部屋に入ると、メイド服姿のミカエラは右手にハンドガンを、同じ姿をしたクラリスはショットガンを持っていたのだから。
エレーナ:「戦争でも始める気かよ?オマエのお人形さん達は?」
マリア:「……うるさいな」
勇太:「マリア、具合はどうかな?」
マリア:「……いいように見える?」
エレーナ:「生理がヒドくて機嫌が悪く、ダンナや彼氏に当たり散らすタイプの女ってことだ。稲生氏、気を付けるんだぜ?」
勇太:「う、うん……」
マリア:「……おいコラ」
勇太:「マリア、エレーナから薬を買ったよ。これを飲んで、元気になってくれ」
エレーナ:「即効性ではないから、取りあえず今日1日は寝てることにはなるけどな」
勇太:「本当に効くの?」
エレーナ:「マリアンナの場合、この状態が数日続く予定なんだぜ。それが今日1日で済むなんて、メッチャ効く薬だと思わないか?」
勇太:「そ、そういうことなら……」
マリア:「……いくらだ?」
勇太:「あ、もう僕が買っておいたよ。僕のカードで」
マリア:「……そう。ありがとう」
エレーナ:「さあさあ、早く飲むんだぜ。飲んだらすぐに眠くなるから、よく寝ておくんだぜ」
勇太:「一応、眠くなる成分は入ってるんだね」
エレーナ:「そういうことだぜ」
マリアは薬を飲んだ。
エレーナ:「それじゃ稲生氏、今度は連泊の手続きだぜ。これはイリーナ先生のカードでいいんだろ?」
勇太:「この場合は仕方ないだろうね」
勇太はイリーナのプラチナカードを手に、エレーナと再び1階に向かった。
エレベーターを待っていると、ランドリーバッグを手にしたクラリスが後から付いてくる。
勇太:「どうしたの?」
クラリス:「マスターの服を洗濯しようと思います」
このホテルの1階には、宿泊者用のコインランドリーがある。
勇太:「じゃあ、僕がお金出すよ」
クラリス:「ありがとうございます」
エレベーターに乗り込む。
エレーナ:「稲生氏は洗濯しなくていいのか?」
勇太:「自分の服くらい、自分で洗濯するよ」
勇太は肩を竦めた。
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