報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

小説の途中ですが、ここで本日の動静をお伝えします。 0606

2016-06-06 14:45:27 | 日記
 6月6日に雨ザァザァ降ってきて……なんてことはないな。
 まあ、ジメジメした曇り空ではあるが。
 今日の乗りバスは、地元の西武バスと国際興業バス。
 車種は全部、いすゞのエルガだ。
 西武の方は中型のエルガ・ミオであったが。
 要は、持病の潰瘍性大腸炎の医療給付証の更新手続きに必要な書類を集める為、先生に診断書を書いてもらうのが目的であり、検査とか診察ではない。
 この書類を集めるだけで一苦労なのだが、まあ、警備検定の資格証発行手続きと比べれば、まだ易しいのではないかと思う。
 区役所では住民票の写しだとか、課税証明書だとかを発行してもらった。
 何年か前まで、患者の自己負担額は年収に応じて区分が決められていたのだが、それが住民税の課税額に応じて区分されることとなった。
 その為、それまで申請書類の中に源泉徴収票が必要であったものが、それが無くなり、代わりに課税証明書が必要となった。
 年収の低い私にとっては年収額に応じた区分の方が有利だったのだが、課税額に応じた物となってからは、自己負担額は増加した。
 沖修羅河童さんから見れば、『日蓮正宗は功徳が無いですね〜!』とかっていう話になりそうだ。

 元より、一病息災で済んでいるのだから、それで良いとは思う。
 実際には他に歯周病や水虫で歯科と皮膚科に通院しているので、一病ではないのかもしれない。
 ただ、命に関わる病気が1つだけで済んでいるので、一病息災と言っているだけだ。
 潰瘍性大腸炎が直接の原因での死亡例は無いが、大腸癌への布石はあるし、下血による貧血も危険だ。
 私はまだ貧血で意識を失ったことは無いが、ただ、貧血の症状が出た場所が危険な場所ではないというのは幸運だった。
 中には駅で電車を待っていたら、貧血の症状が起き、線路に落ちて電車に轢かれて死んだ患者や、道路で倒れて車に轢かれて死んだ患者もいると聞く。
 仏法上で言えば、地獄界の相が強かった故の災難だということになろう。
 病気で苦しむのも、地獄界の相だというからね。
 こんな不良信徒でも、危険な所で症状が悪化することが無いという加護は受けられるということだ。
 だからこそ、私はなるたけ本山参りを続けているのである。

 大宮駅東口では、相変わらずエホバの信者が冊子配りをしている。
 もちろんスタンドに立てた冊子と、実際にそれを持って無言で立っているだけである。
 女性だけでなく、老執事のような年配の男性信者もスーツ姿で立つことがある。
 いずれはこの人達も、私の小説に出演してもらいたいと思う。
 大宮駅、特に東口での布教は大変だろう。
 いつ勘違い顕正会員がケンカを売って来るか分からないし、私はスルーだが、武闘派法華講員がアポ無し折伏してくるかもしれない。
 だからこそ、交番のすぐ近くで行っているものと思われる。
 但し、西口も安全かというとそうではない。
 パラパラ茜のオバハンのブログによると、大宮駅西口のエホバ信者の横を通ったとのことである。
 この時、オバハンは折伏という名の勧誘またはケンカ売りはしなかったもよう。
 ま、私もスルーであるがw
 いや、何か……お近づきになりたくない空気を放っているもんでね。
 オバハンもそう思ったか?

 今日はバスにしか乗っていないが、ま、電車では見られない街の風景を眺めるのもいいもんだよ。
 泣いても笑っても、来週の今頃は大石寺だ。
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“Gynoid Multitype Cindy” ハイジャック編 登場人物紹介

2016-06-06 10:17:48 | アンドロイドマスターシリーズ
 敷島とアリスが乗った飛行機がハイジャックされ、そして墜落してしまった!
 それまで“アンドロイドマスター”シリーズで主人公を張っていた敷島、何度もテロを掻い潜って来た男も、さすがに飛行機の墜落では死亡か!?
 ここでは主人公をシンディに移行しているが、それでも影の主人公として未だに影の厚いキャラが死亡した場合は……打ち切りだぜ、ヒャッハー!!

 あー、コホン。失礼しました。
 今回、ハイジャック編においては、本物語のアナーザー・ストーリー的な感じになっております。
 ヒューストンの工場でロイド達が整備や修理を受けている間、また、残った平賀が工場の技術スタッフに手伝ってもらいながらも、それに追われる中、デイライト本社に向かった敷島達は何をしていたのか、というものです。
 さて、作風が少し変わったこの番外編。
 キャラクターについては、まあ、色々とモデルがいますので、御紹介致します。

 ジャック・シュラ・カッパー:

 宗教テロリスト“ヤング・ホーク団”のリーダー。
 70歳前後という高齢ながら、足腰はしっかりし、また体型についてもガッシリしている。
 薄い頭髪は白だが、頭頂部は禿げあがっており、まるで河童のようである。
 本人もそれを凄く気にしており、CAから『河童さん』と言われたのにマジギレし、その乗務員のみならず、連帯責任と称して、乗務員全員を射殺した。(CAはジャックが日本語が分からないだろうと思って、日本語で言ったのだが、ジャックも日本語ペラペラだった)
 部下でもたまに言い間違える者がいるようだが、その際は(仲間だからか)射殺はせずに、頭上スレスレに発砲して、厳しく注意するに留める。
 このように、いかにもテロリスト・グループのリーダーよろしく、残忍性と冷酷性、そして銃の腕前は正にそれらしいものを兼ね備えているものの、メンタル面はかなり弱いもよう。
 ちょっとしたラッキーなことや、自分の努力で何とかなったものを全て『功徳』と称しており、それを他人に自慢話するのが趣味のようである。
 だがしかし、ハイジャックした飛行機が操縦不能に陥り、墜落確実となった際には、何だか怪しい祈りの言葉を捧げていた。
 『恋女房』と称する日本人女性と交際しているようであり(名前をカヨという)、敷島の叱咤によって、その女性の為に何としてでも生き残る努力を決意する。
 敷島と共に操縦席で操縦桿を操作したが、肝心の飛行機は、マスコミの報道によれば墜落したもようである。
 安否は現在のところ不明。
 モデルは【お察しください】。

 ハイジャック犯A:

 名前は不明。自称、年齢=彼女いない歴35年というから、35歳の男であることは判明(但し、あくまでも自称である)。
 ヤング・ホーク団のヒラ団員は全員、くすんだ緑色の軍服に黒い防弾チョッキ、そしてガスマスクを被る為、彼らの素顔を見ることはできない。
 このまま結婚はおろか、彼女もいないまま人生を終えてしまうことに絶望を抱えていた。
 そして、童貞であることまで告白し、他人にそれを指摘されたり、近くでイチャつきカップルを見かけると激高する。
 過去にテロ活動の一環で、デートスポットでのカップル虐殺を率先して行っていたという。
 テロリストとしての目標は、世界各地のディズニーランドでの爆弾テロ。
 敷島達が夫婦としての会話をしているだけで銃口を向けるほどだが、他の仲間からもそれは呆れられているようで、さすがにハイジャック犯Bに窘められていた。
 尚、飛行機が墜落の危機に晒された時は、神に白人美女を望んだ。
 但し、ゲルマン人(主にドイツ系など)は嫌いで、スラブ人(主にロシア系)が良いという変なこだわり。
 日本人である敷島からは、「どれも同じ白人だろ」と突っ込まれていた。
 その敷島から独身であることのメリットを説かれ、物凄くスッキリしていた。
 飛行機墜落後の安否は不明。
 モデルは作者のネガティブな部分の分身。

 ハイジャック犯B:

 ヤング・ホーク団のヒラ団員。
 他のヒラ団員と同じ恰好、装備をしている。
 ハイジャック犯Aの思考、行動には物凄く疑問を持っている常識人で、敷島達が夫婦の会話をしているだけでショットガンを発砲したAに対して注意した。
 ヤング・ホーク団は英語で会話しているはずなのだが、何故か敷島はBが仙台弁で喋っているように聞こえた。
 モデルは多摩準急先生。
 リアルでも普段の私との会話は、何の飾りっ気も無い仙台弁丸出しである。

 ハイジャック犯C:

 ヤング・ホーク団のヒラ団員。
 装備と武器は、AやBと同じ。
 たまたま近くのトイレから出てきたジャックに敬礼をしたものの、「カッパー」ではなく、「カッパ」と短く言ってしまったため、「河童」と聞き間違えられ、頭上スレスレに銃弾を発砲されるというお仕置きを受けてしまった。
 飛行機墜落後の安否は不明。
 モデルは特に無い。

 ハイジャック犯D&E:

 ヤング・ホーク団のヒラ団員。
 今回のハイジャック作戦において、ハイジャックした飛行機の操縦役を任される。
 尚、作戦で乗員を予め全員殺すつもりであったのか、それともジャックの残忍・冷酷な行動による作戦変更によるものなのかは不明。
 あまり真面目な性格ではないようで、事前の作戦会議でコクピット内での飲食は禁止だとジャックから注意されていたにも関わらず、弁当やらジュースやらを広げていた。
 乱気流の揺れでそれらを全てぶちまけてしまい、操縦不能に陥らせる。
 尚、この2人だけパラシュートを装備しており、ジャック達を残して自分達だけ脱出した。
 モデルは特に無いが、何故か法華講武闘派はイメージしてしまった。
 何か事があると、自分達だけ真っ先に逃げ出しそうな感じがしたからだ。

 ハイジャック機の男性乗務員:

 物語には直接登場していないが、ヤング・ホーク団が行動を起こした際、ジャックと何か会話したもよう。
 日本語も喋れるようで、『河童くん、こんにちはw』と陰で他の乗務員に言ったところ、そのCAがジャックに面と向かって言ってしまった。
 ジャックも日本語が喋れる為、バレてしまい、そのCAは頭が無くなるほどの至近距離で射殺された。
 激高したジャックは、腹いせに連帯責任と称して機長も含む乗務員全員を射殺し、部下に操縦を任せるが、結果は【お察しください】。
 モデルは……すいません、んっ?さんです。

 このように、当作品においては、モデルがいたりいなかったりするキャラクターが数多く登場します。
 もしかして、「あれ?このキャラって……?」と思うことがあれば、きっとそうです。
 質問は御受け致しますので、ヨロシクです!
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“Gynoid Multitype Cindy” 「功徳爺の末路」

2016-06-05 20:59:04 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月20日14:30.天候:晴 アメリカ合衆国南部上空・某国内線航空機内 敷島孝夫&アリス敷島]

 デイライト・コーポレーションの本社を訪れるべく、ニューヨークへ向かった敷島とアリス。
 そこで重役達と会談した後、再び飛行機で平賀達の待つヒューストンへ戻ろうとした。
 しかし、そこで飛行機がハイジャック犯達に乗っ取られるという事態に遭遇した。
 ハイジャック犯のリーダーは、歳の頃、60歳から70歳くらいと思しき老人であったが、足腰などはしっかりしている。
 名前をジャック・シュラ・カッパーと言った。
 まあ、頭の禿げ具合が河童みたいなのは内緒であるが。
 何かのカルト宗教の一団らしく、神の啓示を受けてハイジャックをしているらしい。
 しかし、そんな飛行機が謎の縦揺れを起こした。

 ジャック:「何事だ!?」

 ジャックはインカムで操縦席を乗っ取っている部下達に問うた。
 すると、返ってきた答えは……。

 ハイジャック犯D:「こちら、コクピット!閣下、大変です!さっきの乱気流の揺れで、弁当やらジュースやら全部ぶちまけてしまいました!何かもう色々ブッ壊れて操縦不能です!」
 ジャック:「なにぃっ!?だからあれほどコクピット内での飲食は禁止だって、事前の作戦会議で言ったでしょうが!」
 ハイジャック犯D:「すいません!一抜けさせてもらいます!」
 ハイジャック犯E:「だ、脱出〜っ!」

 コクピット組、とっととパラシュートで脱出してしまう。

 ジャック:「あっ、コラ!待ちんしゃーい!」
 ハイジャック犯B:「な、何だべまづ!?飛行機操縦できんの、あいつらしかいねぇべっちゃ!どうすっぺし、閣下!?ご指示を!!」
 敷島:(何であいつ、作者の田舎の方言なんだ?)
 ジャック:「こ、このままじゃ、墜落だよ〜!こんなことなら、恋女房とおとなしく【あらあら(はあと)】【うふふ(はあと)】しときゃ良かったーっ!死にたくないよ、カヨーっ!」
 敷島:「あいつ、日本人女性とでも付き合ってんのか?いい歳こいて……」
 アリス:「のんきに突っ込んでる場合じゃないでしょ!タカオはいくつものテロを掻い潜った男でしょ!?何とかしなさいよ!」
 敷島:「何とかって言われても……!」
 ハイジャック犯A:「俺はこのまま一生童貞のまま死を迎えるのか!?神よ!救いたまえ!我に美しい白人女性を与えたまえ!」
 敷島:「おーい、そこの童貞アニキ」
 ハイジャック犯A:「童貞って言うなぁぁぁぁぁっ!!」
 敷島:「うちのアリスで良かったら、話くらいさせてやるぞ?お前の好きな白人女性だ」
 ハイジャック犯A:「ゲルマン人は嫌いだーっ!スラブ系がいいっ!!」
 敷島:「アリスって、ゲルマン系だったっけ???てか、俺から言わせりゃ、どっちも同じ白人だっつの!それより、ちょっとどけ!」
 ハイジャック犯A:「な、なに!?俺を不幸な男だと思ってバカにするのか!?」
 敷島:「独身で彼女無しも悪くないだろ?少なくともDVの被害を受ける心配は一切無いぞ。最近の女もイカレてるのが多いからな」
 ハイジャック犯A:「なに!?」
 敷島:「しかも稼いだ金は全部自分のものだ。せっかく稼いだ金を変な小遣い制にされるよか、よっぽど幸せだろうが」
 ハイジャック犯A:「おおっ、神よ!!」
 敷島:「分かったら、さっきの爺さんの所に連れて行け!このままだと墜落する!時間が無い!」
 ハイジャック犯A:「は、はい!神父様!」
 敷島:「誰が神父だ!」

 敷島は操縦席付近でパニクってるジャックの所まで向かう。

 敷島:「おい、そこの爺さん!」
 ジャック:「何だよ、もう!今、神に祈りを捧げてるのに忙しいんだから、話し掛けるなよ!……御本尊様をタダの物で不要品って言ってゴメンなさい!どうかお助けください!」
 敷島:(神への祈りで、御本尊?何の宗教だ?)
 ジャック:「ナンミョ〜ホ……ゲホッゲホッ!」
 敷島:「別の宗教になってねぇか、おい!?てか、祈りの言葉で咳き込んでるようじゃ、神も見放すわ、そりゃ!……って、そうじゃない。甘ったれんな、クソジジィ!!」

 敷島、ジャックの胸倉を掴む。

 ジャック:「ヒイッ!」
 敷島:「お前、ボスなんだろ!?だったら、ボスらしく漢を見せてみやがれ!!」
 ジャック:「お、OTOKOを見せる?な、何ですか、それは!?」
 敷島:「知りたけりゃ、やらないか……じゃなかった!ついてこい!」

 敷島、ジャックをコクピットに連れ込む。
 ついでにアリスも呼んできた。

 アリス:「……言われた通りに応急処置はしてみたわ」
 敷島:「よし!さすがは自称、天才ロボット博士だな」
 アリス:「自称って何よ!?」
 ジャック:「あのー、夫婦喧嘩はよそでやってくれます?」
 敷島:「おっ、そうだった。アリスは席に戻ってろ。ちゃんとシートベルトをして、頭を低くしてな」
 アリス:「分かったわ」

 アリスはコクピットを出て行った。

 ジャック:「なぁ、おい。本当に大丈夫なんだろうな?」
 敷島:「任せておけ。こう見えても、俺はバスでテロ・ロボットに3回も突撃したことがある。この飛行機もエアバス。バス繋がりだ。何とかなる!」
 ジャック:「そ、そうか。(ていうか、明らかに地上のバスとエアバスじゃ、運転方法が違うと思うが……)」
 敷島:「あの島に不時着するぞ!俺が合図するから、それと同時に操縦桿を思いっきり引くんだ!」
 ジャック:「了解した」
 敷島:「今だ!レバーを引け!!」
 ジャック:「うぉぉぉぉぉ、ダメだ!すごく……固いです」
 敷島:「もう1度カヨさんとやらの顔を見たいんだろ!?だったら諦めんなっ!気合いを込めろ!」
 ジャック:「カヨ……!お、おう、そうだった!こなくそぉぉぉぉぉっ!!」
 敷島:「わぁーっ!?さすがに無理があったか!?」
 ジャック:「激突する!衝撃に気をつけろ!!」

[同日18:00.天候:雨 アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン市郊外・デイライト・ヒューストン工場]

「な、何だって!?敷島さん達の乗った飛行機がハイジャック!?」
 敷島達の戻りを待つ平賀達の元に、不吉な報がもたらされた。
「プロフェッサー平賀!すぐに・出撃命令を!」
 エミリーがすぐに動こうとする。
「ま、待て!相手はテロリストだぞ!?何をしでかすか分からん!下手すりゃ、自爆テロの恐れも……」
 応接室内のテレビで、また速報が流れる。

〔「番組の途中ですが、ここでハイジャック事件の続報をお伝えします。件の航空機は行方不明になった後、カリブ海上の無人島、ガンコードッパク島に墜落しているのが発見されました」〕

「つ、墜落!?」
「プロフェッサー平賀!すぐに・救助命令を!プロフェッサー平賀!御命令を!」
 ガクッと両膝をつくシンディ。
「あ、あたし……また廃品になっちゃった……ゴミになっちゃった……」
 一気にオーナーとユーザーを失ったと認識した。
 所有者のいないロイドは、粗大ゴミと同じだと思考しているシンディは絶望の淵に立たされたのである。
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“Gynoid Multitype Cindy” 「ハイジャック」

2016-06-04 21:14:51 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月20日14:00.天候:晴 アメリカ合衆国ニューヨーク→ヒューストン行き某国内線航空機内 敷島孝夫&アリス敷島]

 ニューヨークにあるデイライト社の本社に赴いた敷島夫妻は、そこの重役と色々な話をした。
 まずは重役より、日本から事件解決の為に出向いてくれたことに対する礼。
 そして結果として、事件を解決してくれた礼であった。
 だが、その後で、色々あった。
 まず、会社と対立していたアルバート所長を生きたまま警察当局に逮捕させ、司法裁判に掛けることができたことは及第点である。
 重役の1人、アルバート常務を助けられなかったことは、会社として大損害であるが、しかしそれは敷島達の契約に入っていない為、敷島達に影響は無く、そもそも査定の対象外。
 ジャニスとルディだが、捕獲の依頼を達成することができなかったということで、こちらは減点となった。
 アリスは、あの状況下での捕獲は無理で、メモリーとデータだけでも無事に確保できたことを評価してほしいと迫ったが、そこはアメリカ。
「契約は契約だ」
 と、バッサリ切られた。
 それとも、デイライト社ならではの対応だろうか。
 別の重役には敷島達の活動に否定的な者もおり、帰りの飛行機はファーストクラスなど言語同断で、エコノミークラスで良いという者もいた。
 最終的には、ビジネスクラスで決まったのだが。
 敷島達は反論したものの、どうしても言い訳になってしまうものが1つあった。
 それは、シンディが何の躊躇も無く、ヘリパイロットを狙撃したこと。
 シンディには殺意も悪意も無く、ヘリで逃げられたり、リンとレンを連れ去られるのを防ぐ為に行ったことであった。
 だが、単なるパイロットをマルチタイプが狙撃するのはどうかという指摘には、完全な反論ができなかったのである。
 無論、結果的には、そのおかげでクエントがジャニスに対して、そのヘリで特攻することができたわけだが。
 とにかく、帰りの飛行機はもちろん、ギャランティについても、当初の契約とは大幅に異なった額になってしまった。

 アリス:「本社もクズばっかね。アルバート所長の気持ちが少しは分かる気がするわ」
 敷島:「日本のデイライトさんは、いい人達ばかりなのにねぇ……。まあ、国際線のビジネスクラスも、最近はレベルが高いみたいだし、それでいいんじゃないのか?」

 敷島も会社経営者ということもあってか、何となく感づいた所があるのだが、帰りの飛行機はファーストクラスというのはただの“釣り”で、デイライト社的には何のかんのと難癖つけて、ファーストクラスには乗せないのが本音であったと思われた。
 なのでビジネスクラスは、とても検討した方だと思う。

 アリス:「この飛行機だってエコノミークラスなのよ。冗談じゃないわ」
 敷島:「ビジネスクラスとエコノミークラスしか無い国内線だからな。何でも、ビジネスクラスは満席だったっていうから、しょうがない。それに、重要なことが1つあるだろ?」
 アリス:「まあね」
 敷島:「この飛行機を無事に降りるという重大なミッションが!」

 どうして敷島がそんなことを言ったのか。
 何故かそこへ、くすんだ緑色の軍服に黒い防弾チョッキを羽織り、ガスマスクを被った上で、どうやって持ち込んだのか、ショットガンを構えた男が1人、敷島達の所へ近づいてきた。

 ハイジャック犯A:「こら!お前ら!何をコソコソ喋っている!?黙らないと撃つぞ!」
 敷島:「うおっ!?あ、いや、申し訳無い。ちょっと、夫婦水入らずの会話を……!」

 するとハイジャック犯A、ショットガンを天井に向けて1発発砲する。

 敷島:「!!!」
 アリス:「きゃっ!!」
 ハイジャック犯A:「ナメてんのか、お前!?この俺が年齢=彼女いない歴35年、生涯独身まっしぐらの非リアだと思ってナメた口ききやがったな!?あぁっ!?」
 敷島:「い、いや、そんなつもりはない!ここ最近は独身時代が物凄く懐かしく……」
 アリス:「タカオ!後で説教よ!」
 敷島:「ああっと!?」
 ハイジャック犯A:「てめぇら……!」
 ハイジャック犯B:「おい、何やってんだ?」
 ハイジャック犯A:「あっ……!こいつらがリア充だと思って、非リアの俺をバカにした態度取りやがってよォ、蜂の巣にしてやろうかと思ってたんだ」
 ハイジャック犯B:「バッカ、オメェ!弾は無駄撃ちすんなって、閣下に言われたべ!?それより、そろそろ閣下がお戻りになる頃だ。配置に戻れ!」
 ハイジャック犯A:「分かったよぉ……」

 ハイジャック犯2人、敷島達の席から離れる。
 敷島達、ホッと一息。
 と、そこへ、今度は敷島達から1番近い所のトイレから、1人の男が出てくる。
 とてもスッキリした顔である。

 男:「ふ〜、スッキリスッキリ。快便、快便。この歳になっても、体はとても健康。功徳〜〜〜〜!!」
 ハイジャック犯C:「河童閣下!」

 パーンッ!(ハイジャック犯Cに対し、男が無言で手持ちのハンドガンをぶっ放す。弾はハイジャック犯Cの頭上スレスレを飛んで行った)

 男:「怨嫉謗法はやめなさいと何度も言ってるでしょう?以後、気をつけるように」
 ハイジャック犯C:「も、もも……申し訳ありません……」

 男は機内アナウンスのマイクを取る。

 男:「あー、コホン。えー、乗客の皆さん、こんにちは。えー、突然のことで、大変驚かれたことと存じます。それに関しましては、深くお詫びを申し上げるところでございます。申し遅れました。私達は神からの啓示を受け、世界に平和と幸せをもたらすことを目的とする活動組織、ヤング・ホーク団であります。そして私、ヤング・ホーク団の代表を務めております、ジャック・シュラ・カッパーと申します。以後、お見知り置きを」
 アリス:(ヤング・ホーク団?若い鷹……いや、若鷹かしら?)
 敷島:(ハイジャック団の団長の名前がジャック……w)
 ジャック:「乗員は既に私共で、全員射殺しております。つまり、私達の指示に素直に従って頂けない場合……安全の保障はできないということでありますな。そこの所、重々ご承知おきください」
 敷島:(さらっと恐ろしいこと言ってんなー……)
 ジャック:「皆さん、緊張されておりますな。では緊張をほぐす為に、私の功徳を申しあげます。【今朝、趣味のパワーリフティングのトレーニングをやった。昨日より少し重い物を持ち上げることができた】功徳〜〜〜〜〜〜!!」

 シラー……。(←乗客一同、どこが凄いのかシラける)

 敷島:「どこが功徳だ?単なる、ヒマな年寄りの日記の延長じゃないか。なあ?」
 アリス:「そうね」

 するとジャック、敷島達の所へやってきて、敷島の頭にベレッタを突き付ける。

 敷島:「!!!」
 ジャック:「日本人は怨嫉謗法してダメですね〜!だから、チャイナやコリアのみならず、ロシアからも足元見られてるのですよ。差別が何だ!差別はされる方が悪い!私もクソッタレ米国白人に差別される側ですが、御覧なさい!今ではこうして、差別する側に回れました!功徳です!!」
 敷島:(ダメだ、このジジィ、イカレてる……)
 アリス:(ていうか、日本語ペラペラね、この爺さん……)

 と、その時だった!
 ズシンと大きく飛行機が縦揺れを起こす。

 アリス:「なに!?」
 敷島:「乱気流か?」
 ジャック:「おい、操縦席!操縦席!何があった?答えろ!」

 ジャックは一旦敷島達から離れると、インカムで操縦席を占拠している部下達に何事かを問うた。
 すると、操縦席にいた部下からは、驚くべき答えが返ってきたのである。
 それは一体……!?
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“Gynoid Multitype Cindy” 「ロイド達の増上慢」

2016-06-03 20:57:44 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月18日14:00.天候:雨 アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン市郊外・DC Inc.ヒューストン工場]

 平賀も特別に交わったチームで、ジャニスとルディの暴走の原因を探っていたデイライト・コーポレーション。
 その答えは彼らが遺したメモリーやデータ、そして鏡音リン・レンの中にあった。
 平賀は広大な工場の中の、大会議室でレポートを行っていた。
「今回、マルチタイプα号機とβ号機、通称ジャニスとルディが暴走した原因は、偏に“感情”です。“感情”の暴走。これに尽きます」
 平賀の発言に、室内の参加者達がざわついた。
 尚、この場に敷島とアリス、そして鳥柴はいない。
 ニューヨークのデイライト本社に行き、そこで役員達と会談することになっている。
 本来は平賀も呼ばれていたのだが、平賀はこちらの調査に加わりたいと自ら志願したのである。
 ジャニス達のメモリー、そしてリンとレンのメモリーから、原因がほぼ判明した。
「それでは、そもそもアンドロイドに“感情”を持たせること自体が間違いだったというのか?」
 参加者の科学者が手を挙げて質問した。
「いえ、それ自体は間違いではありません。現に、サンプルとして日本から輸送したボーカロイドの鏡音リンとレンを見て頂ければ分かるように、人間に劣らぬ豊かな感情でもって、人気を博している場合もあります」
「ではどうして、ジャニスとルディは暴走するに至ったのか?」
「それは、増長です」
「増長!?」
「はい。増上慢とも言いますね」
「どういうことだ?」
「アルバート所長の研究ノートを見るに、彼はそもそもマルチタイプの開発に積極的ではなかったようです。当初の話ですが……」

 アメリカのロボット研究者自体が、そもそも人間そっくりのロイドを作ることに消極的であった。
 ましてや、それに感情を持たせることなど、無駄でしかないと考える者が大多数であった。
 アルバートもその1人。
 だが日本において、それが一定の成功を収めていることを知ったデイライト本社の重役(アルバート・ブラックロード常務か)は、アルバートに開発を命じた。
 アルバートは感情豊かな者という理由でシンディのデータを取り寄せたが、やはり紛い物であったようだ。
 それでも感情を持たせたロイドの製作には成功する。
 日本人研究者ならそれを伸ばす実験を行うところだが(ボーカロイドでも、初音ミクは歌を歌わせるより先に感情を豊かにする実験を行った)、アメリカではテロ対策などの実戦に使えるかどうかの実験に入ってしまった。
 まず、そこが間違い。
 それでも感情を搭載されたジャニスとルディは、与えられた命令通りに、テロ組織や犯罪組織の撲滅を行った。
「まず、ここでも大きな間違いがあります」
 と、平賀。
「日本では警察や政府機関の指導で、マルチタイプを前面に出したテロ対策を行えません」
 また、ざわつく室内。
「それは警察のメンツなどが本音でありましょうが、しかしそれが結果オーライとなっています。エミリーとシンディはKR団崩壊後、活躍の場を狭めてしまいましたが、それが却って増長を招くことを防いでくれているのです。分かりますか?……ジャニスとルディは、製造後すぐ実戦投入され、それがなまじ成功を収めてしまった為に、増長を招いたということなんですよ」
「異議あり!」
 他の研究者が反対意見を述べた。
「それではまるで、マルチタイプを実戦投入してはいけないということになるではないか!しかし、日本の1号機と3号機はKR団との戦いや、先日のアーカンソー研究所の調査などに投入されたものの、暴走していないではないか!」
「それは彼女達が、ちゃんと『増長すると、後で痛い目を見る』ことを学習しているからですよ。しかしジャニス達は、そんな学習を積む前に実戦投入されてしまったのです」
「そんなの、いくらでも調整すれば良いではないか!」
「そこが、アルバート所長の大きな失敗の1つです」
「何だと?」
「恐らくアルバート所長も、功績を焦っていたのでしょう。何しろ、会社からの評価が気にくわないという理由で、すぐに独立を企てるような御仁ですからね。彼らの増上慢に気づかなかったか、或いはそれを『自信』とか『プライド』程度にしか思わなかったかと考えられます。だが、そうではなかった。彼らが製作者であるアルバート所長に対し、裏ではナメた行動をしている、実は暴走していることに気づいた時には既に修正不可能な状態になっていたということです」

 最初はジャニスやルディも素直に従い、テロ対策や凶悪犯罪対策の実験を受けていた。
 それが悉く成功したことで、製作者のアルバートはもちろんのこと、周囲の人間達もさぞかし喜んだことだろう。
 そして、それを見たジャニス達も、役に立てたことを素直に喜んだに違いない。
 ここまでは良かった。
 だが、味を占めたアルバートや周囲の者達は、更にそういった実験プロジェクトを進めてしまった。
 何しろ、アメリカのテロ対策や凶悪犯罪対策だ。
 テロリストや凶悪犯罪者で観念しない者は、射殺に決まっている。
 日本では例えそういった者であっても、マルチタイプが射殺することは許されていない。
 だが、アルバート達は平気でジャニス達にテロリストや犯人達を射殺させた。
 そうしていくうちに、ジャニス達にある感情が芽生える。
 『自分達は人間よりも強いのではないか』と。
 そう考えること自体は、そんなに問題ではない。
 エミリー達は、『だからこそ、自分達の力を世の為・人の為に役立てるのだ』という思考になっている。
 それも、長年稼働してきた中で培った“学習”によるもの。
 しかし、ジャニス達は違った。

「あろうことか、製作者であるアルバート所長より上に立とうとしていたのでしょう。しかし、そこは製作者。自分もそうですが、万が一に備え、緊急に強制シャットダウンさせるリモコンは持っています。彼もそれを持っていて、ジャニス達もそれは知っていた。だからこそ、表向きはアルバート所長に従う態度を取っていたのでしょう。ただ、どうもジャニスとルディとでは、多少考えが違ったようです」
「違った?」
「ジャニスは本当にアルバート所長に取って代わろうという気があったのに対し、ルディはまだある程度、アルバート所長に従う気はあったようです」
 そしてこの暴走姉弟は、リンやレンも仲間に引き入れようとした。
 恐らく、双子の姉弟機という共通点が、親近感を持たせたのではないか。
 だが、リンとレンは断ったらしい。
 ジャニスは怒ってリンとレンを破壊しようとしたが、何故かそれをルディが止めた。
 無論、それは裏でアルバート常務と通じていたからであり、それを考えると、ルディは姉のジャニスをも裏切ろうとしていた可能性がある。
 いずれにせよ、既に本人達は破壊された為、遺されたメモリーなどから調査するしかなかったわけだが……。
 尚、アルバート所長自体は警察からの事情聴取に対し、コピーロボットの暴走が原因で、自分が命令したわけではないと容疑を否認している。
 だが、コピーロボットのプログラムを調べてみると、最初から常務を射殺するように組まれていた為、もはや言い逃れはできない。
「いずれにせよ、マルチタイプは製造も使用法も難しいものです。何しろ、はっきり言ってオーバーテクノロジーですからね。『マルチタイプを世界一使いこなす男』、敷島孝夫さんのやり方に否定的な者もいるでしょうが、この結果を鑑みるに、あながち彼のやり方は否定できないものと思われます」

 工場内は社員の福利厚生の為に、単に社員食堂だけでなく、社内ラウンジも設けられている。
 そこには自動演奏機能付きのグランドピアノがあり、普段はそれでピアノが流れている感じだが、今はエミリーが座ってピアノを弾いていた。
 その横では、シンディがフルートを吹いている。
 大会議室では平賀のレポート発表と、質疑応答が行われている中、ラウンジではほのぼのとした時間が流れていた。
「『オーッホホホホホッ!さあ、跪きなさい!』昔々ある所に♪悪逆非道の王国の♪頂点に君臨するは♪齢14の王女様♪……」
 リンはミュージカルでも歌った持ち歌を披露していたが、如何に“傲慢の悪魔”ルシファーに取り憑かれて増長し、悪政に次ぐ悪政を敷いた王女が主人公の歌を歌うなど、平賀が発表したレポのテーマを痛烈に皮肉っているように思えた。
コメント (2)
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