風雪に耐えて咲く山桜の下
男はひたむきに正義を貫き
女は熱い思いを胸に秘めた。
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江戸後期、庄内の城下、不幸な結婚生活に耐えていた野江は、久しぶりに実家を訪れ、咲き誇る山桜の下にたたずむ。
薄紅色の花の枝に背伸びして、手を伸ばしたとき背後から、「手折ってしぜよう」と男の声、精悍な長身の武士が立っていた。
手塚弥一郎だった。
山桜に引き寄せられた二人。
たった一度の出会いが、運命の回り道になる。
磯村野江役の田中麗奈、辛抱強い耐える若内儀役を熱演しているが、やはり若さが邪魔になると言うか、奥行きに欠けるのは仕方がないか。
手塚弥一郎役の東山紀之、正義を貫く凛とした、清々しさはさすがのものだった。
満開の山桜の下で、たった一度、出会った男と女――
運命に耐える女を見つめ、ひたすら胸に秘めて生きた、孤高の武士が振るった、正義の刃が切り開く…………
回り道のあとで見つける、いるべき道はあるのか―ー
雨の中を、藤沢周平原作の「山桜」を観にいってきた。配給会社のせいか、いつも行くところでは、やらないと言う。初めてのところに行った。
朝10時前だと言うのに、チケット売り場は長蛇の列。
昨日から始まっている「インディー・ジョーンズ」「奇跡のシンフォニー」「ざ・マジックアワー」がお目当てのようです。
「山桜」の館内は中年以上ばかり、20組ほどぱらっとしていた。静かなのがいい。