「勉強」が唯一の趣味である、たにしの爺……
予てから手にしたいと思っていた巨著「虚数の情緒」
―――中学生からの全方位独学法―――
東海大学出版会、2000年2月20日発行。
総ページ1001、4300円。
書店で幾度も手にしてみたが、値段と厚さと中身――
半分は数式の羅列と数表・図形ばかりの本書。
基本的には「数学書」である。
購入しても、果たして読み切れるかと考えると、
買い込む勇気が出なかった。
市の図書館に久しぶりに行ったので、
検索してみたら、あった。「どこにありますか」と、
係りに聞くと、「書庫にしまってあります」という。
「貸してもらえますか」と聞くと、係りの人「ハイ」。
始めて見たらしく「すごい本ですね」といって、出してきてくれました。
2週間の貸し出し期間を何回、延長したら読了できるか、
それとも途中で手に負えなくなり、停読になるのか。
まず、著者・吉田武さんの8ページにわたる「巻頭言」から読み始めよう。
「二十一世紀の我が国は、嘗て無かった未曾有の混乱状態になるだろう。
………………(中略)…………………………
我が国の知力は明らかに落ちている、品性を失っている、それも凄まじい勢いで、
………………(中略)…………………………
何か大事なものを欠いている、人間的な色彩を失って居るのである」
爺もそう思っている。