たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

向島百花園 秋の野花 スカイツリー

2010-10-16 18:09:16 | 散策の詩

3連休の一日、たにしの爺は東京に出かけました。
東京下町歩きで「向島百花園」に行ったことを前回に続いて書きます。


入り口の庭門です。園内には歌が書かれた行灯がいくつもあります。

ここは文人たちの足跡が多く残されています。
入り口でいただいたパンフによりますと、
<入り口付近の庭門に蜀山人の扁額、両脇には詩人・大窪詩仏が書いた「春夏秋冬花不断」「東西南北客争来」の木版がかかっています。そのほか、句碑を含め29の句碑、石柱が園内随所に建ち、庭造りに力をあわせた文人墨客の足跡をたどれます>
と記されています。


吾亦紅と女郎花です。

現代作家で、ここをラブスポットにした本があることは、前回に書きました。
小川糸さん「喋々喃々」―-日暮里で趣味の和装店を営む主人公の栞が、男に、
「百花園」の名物・お月見の会に誘われた前日、何を着ていくか着物選びの場面があります。27ページ。


 <私は、袷を解いて単に仕立て直したばかりの大島紬を一枚取り出す。
 濃紺に、幾何模様のような椿の柄が鏤めてある。なんとなく最近の澄み渡った空の感じに近いので、今回は迷わずこのきものを選んだ。
 ……帯には、植物の繊維で編まれた締めやすい黄土色の昼夜帯を合わせてみる。昼夜帯は表と裏に違う布を使っているので、裏返せば、昼と夜とで趣の異なる表情を楽しむことができる。
 ……特に泊りがけの旅行の時などには重宝する。
 帯止めに兎を選ぶと、ぐんとお月見の雰囲気が盛り上がった。>




萩のトンネルの前にあるこの行灯には、
「わびさびの和服の集ふ月見の会(八恵)」と記されています。

公園のように思っていたが、園内は花木と草にあふれた庭という感じです。
縦横に幾筋もの小道が延びていて、両脇には秋の草木が溢れています。


萩のトンネル周辺はハギの道。シロハギが多いです。


ススキの道です。


ザクロやへびうり、アケビの棚も。



園内からは東京スカイツリーも見えます。