大寒も過ぎ寒さ増す24日、厳冬期の山寺の立石寺に登山してきました。
東北の名刹を代表する松島の瑞巌寺、山寺の立石寺、平泉の中尊寺と毛越寺を詣でる行脚を
「四寺廻廊」ということになっています。
この四寺は平安時代に慈覚大師円仁によって開かれた古寺でもあるが、
今では有数の観光寺院になっていることは、ご承知の通りですね。
この四寺には、江戸時代に松尾芭蕉も奥の細道で訪れて詠んでいます。
山寺で詠んだ「閑さや岩に染み入る蝉の声」は誰も知っています。
爺はこれまで、松島・瑞巌寺、平泉・中尊寺、平泉・毛越寺は複数回訪れています。
山寺・立石寺も正月元旦に詣でいます。
そのときに山門脇のお蕎麦屋さんで頂いた「板そば」の美味しさが記憶に残っていて、
今回も「板そば」が目当ての要素もありました。
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仙台から「仙山線」に乗って50分。
仙台市の近郊を離れ、山形県に入ると雪に覆われた深山幽谷の林間を縫って走る。
ときたま氷山の一角のように鋭く真っ白い山々の峰が視界に入っては、
また形を変えて現れます。
山寺への玄関「山寺駅」は改装修理中でした。改札を出ると正面に
岩場の上に迫り出すように張り付いた開山堂と五大堂が目に入ります。
駅前の突き当りを右折してちょっと行き、左折すると、
赤い欄干の宝珠橋を渡って大日堂前を右折しそのまま進むと、
蕎麦屋さんの先に石段の登山口がある。
登りきると重文の根本中堂があります。
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左方向に道沿いに進むと芭蕉の句碑がある、念仏堂の先が山門。
入山料300円を払って、
除夜の鐘で有名な鐘楼を右手に見て、狭い石段の四寸道から登山が始まる。
石段には雪が積もって凍っている。
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くの字状に幾つもの石段を雪に足が取られないように注意深く登る。
途中の雪に埋まった「せみ塚」を見て仁王門から奥の院に至ります。
五大堂へは幾筋もの細い雪道を辿っても行き詰まりだったり、道が消えていたり分かりにくい。
ようやく開山堂脇の雪に埋もれた滑り台状態の登り口に取り付いて、
手すりとロープに掴まって、五大堂の舞台に出る。
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視界が天空に180度開けた。素晴らしい鳥瞰です。
眼下に雪に覆うわれた街並みが一望できる。
こんな急峻な岩場に、よく幾つもの建造物を造ったものだと感心しながら、
修行者の執念を思わずにはいられませんでした。
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帰路は上りより剣呑だ。
舞台脇から参詣登山者は一人づつ、ロープと手すりに沿って滑るように降りる。
その先は、氷状になった石段を一歩づつ確保しながら降りる。
時折、杉木の上から雪の塊が「ザザーと」落ちてきて石段を雪で埋める。
無事山門に辿り着き、要した時間は1時間弱、
今朝は降圧剤を飲み忘れていたので心配していたが、
息も上がらず「はあ、はあ」しないで往復できました。
雪掻きをしていた蕎麦屋のおばさんに「店やっている?」と聞くと、「やっているよ」という。
「板そば」食べたいというと「どうぞ、どうぞ」と愛想がいい。
壁のメニューを見ると1640円、一番高値の商品だ。
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以前元日に来たとき、初めて「板そば」を賞味して以来、
山寺の「板そば」を大げさに言えば「夢見てきた」ものでした。
蕎麦つゆの味も、添えられた具材の風味もなかなかいける。
蕎麦を肴に土地のお酒を一本ゆっくり空ける。
そばの量は結構多いがのど越しがよく美味い。
そば処「信教坊」の暖簾が掛かっていました。。
「板そば」由来…「板そば振る舞い」
山形県は明治から昭和初期まで養蚕が盛んで、
養蚕は知人や近所の人たちの手を借りなければならない大変な作業が続く。
その労をねぎらい、酒と「大きな箱板に盛り付けた手打ちそば」を振舞ったのが板そばの由来だという。
山形の伝統を代表する味覚となっている。
山形からつばさに乗り帰路につく。
飯豊連峰の白銀の峰ね峰が夕日に輝いている。
米沢を過ぎ福島まで深い雪の中。
眠ってしまったのか、気がつけば大宮についていた。