たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

オランダ映画「人生はマラソンだ」と2本のインド映画

2014-08-10 14:27:03 | 劇場映画

8日の金曜日に都内で5時から集まりがあったので、
それまで昼の時間つなぎに、劇場映画を予定していました。

好きな劇場の一つ、銀座・和光ウラの「シネスイッチ銀座」。ここで今、
インド映画「マダム・イン・ニューヨーク」が掛かっています。
シネマレビューでチェックしていた映画です。
英語コンプレックスのインド人主婦がニューヨークの「英会話教室」に通い、人生に自信を取り戻していくという。
たにしの爺も英語は苦手で、というより英語アレルギー。
映画を見てインド人女性のように英会話上達のコツを知りたいと思っていました。



1時からの上映に合わせて、すこし早いと思いましたが、正午少し過ぎ映画館に行きました。
「えっ、なにこれ。」中年以上のご婦人が行列しているではないか。
今日はレディスデーで950円で見られる日だったのです。
男性の係員「1時からの券は売り切れです。立ち見でよかったら入れます。」と連呼しています。

「さーどうしよう。立ち見の勇気はない」し、とにかく5時までの時間を工面しなければ‥‥。
同館のもう一つのスクリーンで1時半からの上映、
オランダ映画「人生はマラソンだ」の方には席があるという。
スポ根もの(?)はあまり好きでないしと思いながら券を買いました。
ノーチェックの映画でしたが、これが儲け物のいい作品でした。とにかく面白い。



オランダのロッテダム、自動車修理工場のオーナーと職工の3人と足が不自由なエジプト青年。。
メタボの中年組、仕事はそっちのけで、カードとビールが手放せない。
ふざけるなと言いたくなるほどの不真面目で楽天家だ。





税金滞納で修理工場が没収ピンチに立ってしまう。
そこで滞納金肩代わりのスポンサーを探し、
「4人がフルマラソン完走」の賭けに出たのです。
走るのは、そうです。あの有名なロッテダム・マラソンです。





4人は「マラソンなんて、無理無理」と練習は遊び半分です。
それにみな深刻な身内事情を抱えています。
例えば、オーナーは仲間に言えない身体の事情。
あるいは一人は、妻が敬虔な宗教信者、安息日の日曜にマラソンなんて、
神が許しませんと教会に缶詰状態です。
さあ、スタートの号砲は鳴った。完走は果たせたでしょうか。



オランダ的な猥雑でご都合的な展開もありますが、
じわりと涙腺が緩んでスクリーンがかすんできます。
マラソンに仕立てた人生の真剣さがラストを引き締めてくれます。



この映画は8日が当劇場での最終日でした。
9日からはインド映画「めぐり逢わせのお弁当」に代わりました。
予告編を見ました。インドのムンバイが舞台です。
「誤って配達されたお弁当をきっかけに、孤独や悩みを抱えた男女が、
交流を深めてゆく姿を描いたドラマ」



このブログを綴っていた今朝、毎日新聞朝刊日曜版のコラム、
「藤原帰一の映画愛」にこの映画が採り上げられていました。
藤原さんのこのコラムは比較的、あまり一般的でない難しい作品が登場しますが、
予告編を見たせいか、私の感性にぴったりはまっていました。
紙面を紹介します。読みにくかったら拡大してみてください。



藤原さんの映画コラムはWebでも見られます。
「藤原帰一の映画愛」で検索してみてください。

「シネスイッチ銀座」は今、2スクリーンともに、インド映画が掛かっていることになります。
午前午後のはしごで見に行くしかないと思いつつ‥‥さてどうしよう。
長々とお付き合いありがとう。