最近、こんな本を読みました。
「感動する脳」茂木健一郎著<PHP研究所>
手にしたきっかけは、いつも行く市川市の図書館。
大活字本のコーナーで池波さんの「鬼平」第19巻全3分冊と、
残りの2冊分(5冊が借り出し限度)を物色していたら、
目についたのが、表題の「感動する脳」でした。
借りてよかった、とても参考になり、大いに「感動」しました。

人の「心」を動かす源流は脳にあると著者の言う。
脳を活性するには「感動すること」だという。
アインシュタインが「感動することをやめた人は、
生きていないのと同じことである」と言ったように、
「感動」こそが、人を新しい行動にかりたて、
そして、人生を変える力になるというのが同書のコアとなっています。

齢をとると、よく「涙もろくなる」という。
たにしの爺も最近では、
「稀勢の里」の優勝インタビューを見ていて、目頭が緩みました。
映画を見ていて、暗がりで涙が出て、頬を伝わることがよくあります。
いづれも「感動した」証ですね。

人生において、胸が締め付けられるような苦しい思いや、
悲しみを味わうことがあります。
また、胸がワクワク、ドキドキする喜びを感じるときもあります。
脳科学者の著者は言う。
それらの苦しみや喜びのメカニズムの素は、
心・ハートではなく「脳内現象であると」。

同書によって「蒙が啓かれ」「感動した」フレーズを、
目次と本文から、いくつか抜き書きしてみました。
はじめにーー心は脳に宿る
人間の「心」を支配する脳
大切なのは「意欲」
「根拠なき自信」でも、脳は自信を持つ
意欲が脳を刺激する
人生は不確実性に満ちている
意欲は美しい環境から生まれる
欲望のレベルを高くしよう
「感動」は脳を進化させる
「若さ」とは、変化するということ
たくさんの言葉が心を豊かにする
「ネガティブ脳」のメカニズム
負のスパイラルから抜け出す方法
「感動脳」を育てる
心に空白部分をつくる

意欲なくして創造性は芽生えず、創造性のないところに、感動はやってこない。
脳は体験したことを一生、蓄積続ける。
側頭葉に蓄積された情報は、前頭葉によって「意欲」や「価値観」は活用される。
努力によって、多くの情報を側頭葉に蓄積するのが秀才で、それを前頭葉によって想像力に変えていくのが天才。
人間の文化は、美意識への高い欲望から生まれる。
不確実性へのチャレンジこそが、脳を活性化させる重要な要素である。
心の持ちようが脳の活動を裏付ける。
引っ込み思案の人は、脳までが引っ込み思案になっている。

本書は、評判の脳科学者・茂木健一郎さんが、
感動のメカニズムと人生について述べたもので、
ワクワク、ドキドキした日々を送りたい高齢者に必読の書です。
たにしの爺、「好奇心」と「感動」を求めて今日も徘徊を続けます。


池波さんの「鬼平」を読んでいると、実に楽しいです。
「鬼平」が終わったら、「剣客」です。