写真はパブのギネスの黒ビール。
【クリーミーで重くない味わい】
イギリスといったらパブ。語れるほどではないけれど、ちょいちょい食べに(飲みに)行っては、その雰囲気と味を楽しんでいました。
まず、前提として私はビール党です。それは単独ではなく、料理のお供として。やわらかなプチプチ感が適度に胃を刺激し、食事をおいしくしてくれます。炭酸水だと、私には逆にきつくて、料理への溶け込み方が違うように感じます。
アルコール度数は5%以下が理想。一度買って、その後、飲まなくなったビールは表示を見ると、5%を超えたものばかりで、自分でも驚くほど。
その意味で、雲南滞在時によく飲んでいた大理ビール(大理啤酒)は究極でした。価格の安さもさることながら、のど越しよく、食欲を刺激してくれて、しかもアルコール度数が、多くても2.5%。1%以下もあるという、ある意味、おそろしいラインナップなのです。日本で飲んだらどういうふうに感じるのかはわかりませんが、雲南は高地で気圧が低いため、この度数で十分、さわやかに感じるようです
(浙江省から配送されたポテトチップスの袋や化粧品の袋は常にパンパンに膨れ上がっていました。雲南の省都・昆明が標高1890メートル、大理は街の中心部が1974メートル、4000メートル級の蒼山を抱える地域なのです。)
現在でも日本人の昆明滞在者のブログを読むと
「大理ビールは、アルコール度数みると、気が抜けるけど、おいしい」
なんて書き込みがみられます。
一方で白酒(バイチュウ)と呼ばれるコウリャンなどを蒸留したアルコール度数のたいへん強いお酒も人気の土地柄でした。
風土とアルコール飲料のラインナップのなかでビールの立ち位置が変わり、度数や好みが変わってくると思うのですが、イギリスのビールも、スコッチウイスキーの存在があるからか、それほどアルコール度数が高くなくて(5%以下。4%台が多い)、それでいて、食事にとても合う。
私にとって最高のビールでした。
とくにギネスの黒ビールには感激しました。見た目と違って苦みがなく、とてつもなくクリーミー。おなかにもたまらない。そして食事の、とくに肉の煮込み料理の味を高めてくれるように感じます。アルコール度数は4パーセント台。(以来、日本でも缶ビールで特別な日に愛飲するようになりました。)
ちなみにイギリスで黒ビールは「ブラックビア」では通じず「ダークビア」。
「黒」ビールじゃなくて、「暗」ビールなんですね。
ギネスビールは、アイルランド発祥のビールで、「ギネス世界記録」の「ギネス」でもあります(現在は別会社に売却済)。
ウィキペディアの「ギネスビール」の項目をみると、アイルランドのダブリンから発酵前のホップを加えたギネス麦芽汁抽出物が世界各地に送られ、一定の指導の元に各地に「ギネスビール」が作られていることを知りました。
そうやって作られたナイジェリアのギネスビールはイギリスに逆輸入されているほど人気で度数は8%近く。マレーシアでは、意図的に酸っぱい地元のビールを加えて味を調えているとか。
近年、各地のコカ・コーラの味の違いに目覚めて旅の楽しみに必ず飲んでいましたが、これに各地のギネスビールを飲む楽しみが加わりそうです。
(つづく)