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素朴な副菜・豌豆粉(ワントウフェン)①

2011-03-04 11:07:24 | Weblog
 雲南料理に黄色い豆腐のようなものがあります。市場では単独で売られていたり豆腐屋で、豆腐とともに並んで売られていたり、蒸かし饅頭と一緒に並べていたり、と様々です。これは、エンドウ豆で作られた、いわば甘くない羊羹で、おやつや副菜でよく食べられています。

 作り方は次の通り。
1.干しエンドウ豆を洗って水に浸し、豆が水を吸って柔らかくなるのを待つ。
2.石臼などで挽いてドロドロの液状にし、晒し布で濾す。
3.大鍋に水を加えて2.を入れ、ゆっくりと火を入れながら攪拌する。火は弱火でも強火でもないくらいに保つ。
4.ツヤがでてきたら、最後に強火でかき混ぜ、バットなどの容器に移し入れて冷ます。

こうして自然と固まったものが本物の豌豆粉です。(なかにはゼラチンで固めるものもあるとのことなので。)

 食べ方は、薄く切った豌豆粉の上に甘めの薄口醤油、酢、つぶしニンニク、炒めた刻み唐辛子、塩、しょうが、ごま、砂糖水、山椒、乳酸発酵させた漬け物の汁、刻み香菜(コリアンダー)、刻みニラなどを10種類以上を混ぜたたれをかけて食べるのが一般的。他に短冊切りにしてスープに入れたりしていただきます。

 質がいいものほど、黄色く、じつにおいしそう。豆腐ぎらいの娘はしょっちゅう給食に出されて、そのたびにため息をついていましたが、こどものおやつとしても重宝されていました。

 味は、豆の自然な甘みが好きな人にはたまらない、素朴な味です。私のように少し舌が鈍感な人にはボヤッとしたような、甘いのか何なのか今ひとつ分からないお味に思えてしまうのでした。
 けれども、豆腐屋の軒先で一日、じっくり見ていると、本当に豆腐と同じように1キロの固まりでドンドン買う人が多く、夕方には早々に売り切れてしまうのを見ると、雲南の人々が傾ける、この食品に対する愛情を感じずにはいられません。      (つづく)
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