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雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

素朴な副菜・豌豆粉(ワントウフェン)②

2011-03-11 09:41:25 | Weblog
 写真は宜良の市場にて。一年中、豆腐とともに豌豆粉は売られている。豆の種類は違うものの、作り方がにがりを使わない豆腐のようなので、兼業しやすいのだろう。ここでは白い鍔なし帽をかぶった人が売っていたが、回族(イスラム教で先祖代々つながっている人々)の方なのかもしれない。

【エンドウ豆の種類】
 「豌豆」とは中国語でエンドウ豆のこと。漢和辞典にも出ています。
 ところで日本でエンドウ豆といえば、スナップエンドウやサヤエンドウ、グリーンピースなどサヤにおさまった緑色が思い浮かぶのですが、豌豆粉は黄色。
 ビールのおつまみ・枝豆は緑でも、それを畑で完熟させ完全な種となると白い大豆になる、という関係のようなものがこのエンドウ豆にも当てはまるのかとおもいきや、別のタイプのものが使われていました。

 スナップエンドウなどの前者は軟莢種、と呼ばれるタイプで煮込まずにさっと食べられることから世界中で今、もっとも消費されています。雲南にも、もちろんありますが、豌豆粉で使うものは硬莢種に属します。さやが硬く、完熟・乾燥した豆を収穫して利用するもので、栄養価が高く、保存が利くことから昔から世界中で食べられてきました。

 豌豆粉に使われているのは、硬莢種の中でも中国で最も一般的な白エンドウ(煮ると黄色くなることから黄エンドウ、と呼ばれることも)。6世紀頃に書かれた世界最古の農業書「斉民要術」にも栽培法が書かれているように中国で古くからなじみのある主要なお豆です。インドでは豆カレー、ヨーロッパでは煮込んでポタージュスープなどに利用されています。

 ちなみに日本では白エンドウは、ほとんど料理に使われませんが、ミツ豆や豆カンテン(通称、豆カン)に使われる丸々としてホクホクした私には黒く見える赤エンドウや、青エンドウという、和菓子の塩豆や餡に使われるのが、同じタイプの硬莢種に当たります。
あの遺伝形質の実験「メンデルの法則」で使われたエンドウ豆も、この硬いタイプのものです。
                 (つづく)
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