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ワリコミ追悼考察・まつり前夜1

2014-03-08 19:13:37 | Weblog
写真は昆明駅周辺のバスターミナル。昆明駅を目指し、もしくは昆明駅より雲南全土に散るバスターミナルが集結。日頃より昆明では突出して治安が悪い。私も普段の生活ではめったに近づかなかった。(2008年夏撮影。)

【「8」の謎】
 またまた悲しいことに、昆明で無差別テロが起きました。昆明駅で死者29人、負傷者143人の大惨事です。

 中国政府は証拠などを示すこともなく、今回の犯人をまたも中国からの独立を目指すウイグル族の人達の犯行、と発表しています。マスコミはこのテロについての取材を制限され、新華社報道に準じるように通達を出しているそうです。

 昨年10月末に天安門広場に車でつっこんで炎上した自爆テロもウイグル系中国人という政府発表で世界にあっという間に広がりました。

 このときに政府が実行犯としたのが3人、他に食糧調達部隊などで5人、計8人による犯行と発表しました。その後、ごく普通の考えでウイグル系の犯罪という立場に賛同しない発表を行った中央民族大学の経済学者イリハム・トフティ氏が1月に突然、拘束され、2月25日には国家分裂容疑で逮捕されたということです。国家分裂容疑はチベットのダライラマ14世などにも出されている死刑もありうる容疑です。

先日の3月1日の昆明駅での無差別殺傷事件をよくよく考えていくと、不思議なことに10月末の政府見解と共通点が浮かび上がることに気づきました。

 まず、テロの実行犯が8名だと断定し、即座に射殺、もしくは逮捕されたこと。事件が起きると、証拠を出さずに中国からの独立を目指すウイグル族の一派の犯行だと、間髪を入れずに発表したこと。国内での報道は外国以上に情報が少なくなっているということです。

 中国のマスコミには報道規制がなされていますが、それでも中国の人の「つぶやき」を見ると、

Ⅰ 8人で25分の時間で172人を8人で殺傷するには、犯罪者一人あたり、約1分で1人ずつ斬りつけなくてはならないが、ナイフのみでしかも抵抗もする男性客もいる場所で可能なのか

Ⅱ 警察が押収したナイフの量は何十本もあるが本当に実行犯は8人なのか、事件はまだ解決していないのではないか

Ⅲ 射殺された実行犯とされた人物は、たまたまそこに居合わせた一般人を誤って撃ったらしい

と、警察はなんら真実に近づいていないことを示す見解が次々と出されているのです。

以前、中国明代の聞き書き民話集として創られた『聊齋志異』や『世説新語』と日本の昔話を比較して読んでいたことがあるのですが、その時、気づいたことが、数字の不思議。

双方とも日にちは「3」が多用され、他に人数や饅頭の数などでは、日本は「7」、中国では「8」が目立って多く出てくることです。たぶん、縁起がよいことと、この数字なら「いっぱい」という感じがするという感覚なのでしょう。

テロ犯が8人と発表されるのも、根拠がない場合だからこそ、依拠したい数字なのかもしれません。それだけに真実とはあまり思えない物語性のある数字に思えます。  (つづく)
コメント
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