写真上は景洪の市場の片隅で見かけたトウモロコシ主体の酒の蒸留器。濃厚なトウモロコシの甘い香りが漂っていた。下はその市場に買い物に来ていたタイ族仏教寺院のお坊さん。子ども達は一度は出家させられるらしい。
【雲南各地に小さな蒸留酒メーカーあり。だが・・】
景洪の市場にいっても、パイチュウを醸造していました。
たまたま見かけたのはトウモロコシが主体でした。
ほかにソバ、ヒエ、粟、甘藷、コウリャン、大麦、ハダカ麦など、様々な雑穀からパイチュウが作られていました。それを竹筒に入れて、長い間、貯蔵する民族もいます。
パイチュウは理論上では何度も蒸留を繰り返すと最終的に純度100%のアルコールになりますが、その代わり風味はなくなり、どの原料から作っても同じ酒にたどり着きます。
このあたりの蒸留は1,2回なので度数は20数%から50%ほどです。
できたてのパイチュウをおじいさんからいただいたのですが、ピリッと辛くて、舌がしびれてしまい、いかにもアルコール、というお味。香りは、独特の軽さがあって、なんとも気持ちがよくなるものでした。
雲南ではパイチュウは、このように農村の家庭でも作られるほか、雲南各地の中小の酒造会社でも数多く作られています。
大きいところでは、大理の鶴慶乾酒が、かつて乾隆帝も喜んだ酒として知名度を保っていますが、ただ、雲南省のどこに持って行っても手みやげで喜ばれるのは、雲南産の酒より、四川の有名メーカーのもの。
五粮液 剣南春 水井坊 瀘州老窖などは、入れる箱も赤に金や銀が入った中国好みのきらびやかな装丁で、値段も雲南産の5~10倍違いました。
ここぞというところにうかがうときに、それらの専属販売店で購入し(ニセモノも出回っているのでこれは重要)、差し上げると目の色が明らかに違っておりました。
もちろん、ふところは痛みます。
(つづく)
※次回の更新はお休みします。