写真上は、1989年のベルリンの壁を市民が歓声をあげて壊している映像をニュースで見たとき、映っていたブランデンブルグ門。行くとちょうど、ベルリン国際マラソンの前日で、子どもマラソンを開催していて、市民の温かな空気に満ちていた。世界的大都市なのに、小さな街の目の届く範囲ないで行われているお祭りのような雰囲気だった。
ベルリンの壁はなく、地面に20㎝ほどの太さの石組みがささやかにはめ込まれている線のみが往事をしのばせるのみ。石組みは基本的に道路の中央を直線的に引かれているのだが、この門のところのみ、門を囲うように丸い線となっていた。門は東側にある。よほどソ連がこの門を欲しかったことがわかる。
写真下、門を背にしてまっすぐ西を見ると、直線道路の先にドイツ映画のはじまるところによく映っていて、かつ「ベルリン天使の詩」で印象を残す金色の女神像が載る塔(ジーベスゾイレ・戦勝記念塔)が見えた。
これは東ドイツ側からも見えたであろうモニュメントに違いない。映画はきっと、塔の先のブランデンブルグ門、その先の東ドイツへの呼びかけの意味もあったのでは、と、位置関係を見て、映画の深い意味合いに、衝撃を受けた。
【ホテルがない訳】
ベルリンは旅行の手配をするなかでもっとも手こずった都市でした。どうがんばっても希望の額でホテルが予約できません。大手旅行会社の人は「とくに大きな会合などはありません」というばかり。これは、よほどホテルのない都市なのか。
そして行ってみると、なんとベルリン国際マラソンの真っ最中だったのでした。
[今回、手配に大手旅行会社を使ったのですが、逆にいろいろとトラブルに見舞われました。帰国後、指摘すると「今後の参考とさせていただきます」の一言で終了。諸事情のため、利用せざるを得なかった会社なのですが(だから殿様商売なのかも)、あまりに手配ミスが多かった。人件費代程度はせめてがんばってほしいものです]
【国際マラソンのイケてるプレイベント】
世界6大マラソン(ボストン、東京、ロンドン、シカゴ、ニューヨークがある)の一つなので当然、世界中の人がやってきます。
着いた翌日の昼間にベルリンの中心部にあるブランデンブルグ門に行くと大通りを跨ぐように大きなブルーの空気風船のような巨大なゲートや応援用舞台、巨大スクリーンなどが設置されていました。
そこを軽快なDJ風の司会者の言葉や音楽が流れるなか、子どもたちが元気に駆け抜けて行きました。
その日はベルリン国際マラソン本番の前日で、地元の子どもたちのマラソン大会が開かれていたのです。国際的な設備の中で走っているという誇らしげな顔をしたほほを赤らめた子どもたちの顔、顔、顔。
とてもいい企画です。
東京マラソンでも行われているのでしょうか? 交通規制がたいへんなのかもしれませんが、大人も含め、健康的で明るい空気に満ちていました。
(つづく)