石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

クウェート石油相、中国・ロシア訪問へ

2005-12-22 | OPECの動向
 クウェートのサバーハ石油相(現OPEC議長)は、将来の石油需給見通しについて協議するため世界第2位の石油消費国と産油国である中国及びロシア訪問の途についた。同石油相は出発に先立ちクウェートで、今回の訪問はOPECが進める産消対話戦略の一環であり、中国の今後のエネルギー需要と製油所新設計画を知りたい、と述べた。
 さらにクウェート自身としても12/5に中国とMoUを締結した石油精製・石油化学合弁事業(広州、総額50億ドル、製油所は20~40万B/Dで検討中)について交渉を完了させる意向を示し、ロシアについては10億ドルの債権問題を協議すると述べた。
 OPECは最近の石油価格高騰は製油所能力の不足によるガソリンなど石油製品の需給逼迫が原因であり、原油は十分に供給されているとしている。そのため消費国に下流部門への投資(製油所の新設)を求めており、今回のクウェートのように消費国と合弁製油所建設を目指す動きが活発になっている。
 一方、長期的に見て原油の余剰生産能力が低下していることは事実であり、OPECは産油国に対して既存の油田の生産能力アップや新規油田の開発などの生産増強投資を求めている。そして中国、インドなど今後ますます石油の需要が増大する国はエネルギーの安定確保を狙って産油国への上流部門(油田開発)投資に積極的な姿勢を示している。
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