五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の1-3月期決算が相次いで発表された。
今回の決算の特徴は5社揃って前年同期(2013年1-3月)比で減収減益だったことである。各社それぞれの理由はあるものの全般的に言えるのは、石油・天然ガス価格が高値で推移しているとは言え、各社とも生産量の長期低落傾向から脱却できないため売上高の減少に歯止めがかからないことである。さらに石油・ガス価格がここ3年間ほぼ横ばい状態であるのに対して、開発生産及び精製コストが上昇しており利益を圧迫しているようである。
各社の決算概要は以下の通り。
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-20.pdf参照)
なお2008年から2013年までの通年の業績比較はレポート「五大国際石油企業2013年度業績速報シリーズ」を参照されたい。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0298FiveMajors2013.pdf
1.売上高
ExxonMobilの2014年1-3月の売上高は1,068億ドルであり、前年同期比でマイナス1.5%であった。その他の4社は、Shellが1,121億ドル(前年同期比―3.1%)、BP 917億ドル(同―2.6%)、TOTAL607億ドル(同―4.7%)、Chevron533億ドル(同―6.7%)であった。
2.利益
ExxonMobilの期間利益は91億ドル、前年同期比―4.4%であった。以下、Shell45億ドル(同―81.3%)、BP35億ドル(同―378%)、TOTAL33億ドル(同―11.2%)、Chevron45億ドル(同―36.9%)である。BPの利益の落ち込みが激しいのは、一昨年のメキシコ湾事故補償のため昨年1-3月期に多額の資産売却益を計上したことが主たる理由である。
3.売上高利益率
売上高利益率はExxonMobilが8.5%、Shell4.0%、BP3.8%、Total5.5%、Chevron8.5%であった。各社の前年同期の利益率はそれぞれ8.8%。7.1%、17.9%、5.8%及び10.9%であり、いずれも今期の利益率は前年同期を下回っている。
4.原油・ガス生産量
石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量はExxonMobil 4,151千B/D、Shell 3,245千B/D、BP 2,131千B/D、Total2,179千B/D、Chevron2,588千B/Dであり、いずれも前年同期を2~9%下回っている。
5.設備投資
2014年1-3月の各社の設備投資額はExxonMobil 84億ドル、Shell 107億ドル、BP 61億ドル、Total 40億ドル、Chevron 94億ドルでありShell及びChevronは前年同期を上回っているが他の3社は前年同期より少ない。
詳細は各社ホームページ参照。
ExxonMobil http://news.exxonmobil.com/press-release/exxon-mobil-corporation-announces-estimated-first-quarter-2014-results
Shell http://www.shell.com/global/aboutshell/media/news-and-media-releases/2014/first-quarter-2014-results-announcement.html
BP
http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/bp-first-quarter-2014-results.htm
Total
http://total.com/en/media/news/press-releases/20140430-Total-announces-its-interim-dividend-for-the-first-quarter-2014
Chevron
http://www.chevron.com/chevron/pressreleases/article/05022014_chevronreportsfirstquarternetincomeof45billion.news
以上
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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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