石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(10/25-10/31)

2015-10-31 | 今週のエネルギー関連新聞発表

10/27 JOGMEC    ウズベキスタン共和国と資源分野の技術協力や共同調査に関する合意文書を締結 http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000058.html
10/27 BP    BP reports third quarter 2015 results, sets out forward plans http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/third-quarter-2015-results.html
10/28 丸紅/日本原子力発電    カズアトムプロム社との覚書の締結について http://www.marubeni.co.jp/news/2015/release/00044.html
10/29 JOGMEC    カザフスタン共和国と鉱物資源分野の共同調査に関する覚書を締結 http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000059.html
10/29 Shell    Royal Dutch Shell plc third quarter 2015 results announcement http://www.shell.com/global/aboutshell/media/news-and-media-releases/2015/third-quarter-2015-results-announcement.html
10/29 Total    Third quarter and first nine months 2015 results http://www.total.com/en/media/news/press-releases/third-quarter-and-first-nine-months-2015-results
10/30 東燃ゼネラル石油他    天然ガス火力発電に関する新会社設立について http://www.tonengeneral.co.jp/news/uploadfile/docs/20151030_1_j.pdf
10/30 ExxonMobil    ExxonMobil Earns $4.2 Billion in Third Quarter of 2015  http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-42-billion-third-quarter-2015
10/30 Chevron    Chevron Reports Third Quarter Net Income of $2.0 Billion http://www.chevron.com/chevron/pressreleases/article/10302015_chevronreportsthirdquarternetincomeof20billion.news

 

*IOC(国際石油企業)の第3四半期業績については本ブログでとりまとめてレポートします。

 

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(復刻)ボルネオ便り(第3信)

2015-10-31 | その他

*本稿は筆者が1990年から1992年までマレーシアのボルネオ(サラワク州ミリ市)で石油開発のため駐在した時期に思いつくままをワープロで書き綴り日本の友人達に送ったエッセイです。四半世紀前のジャングルに囲まれた東南アジアの片田舎の様子とそこから見た当時の国際環境についてのレポートをここに復刻させていただきます。

第3信(1990年7月)
 今回のヒューストン・経済サミットは東西冷戦構造の崩壊という歴史的な状況の中で、東側諸国に対する経済援助、先進国間の農産物自由化問題が主要議題になりました。これらは経済問題とはいえ極めて政治的要素の濃いものですが、昨年度のサミットではフロンガスによるオゾン破壊、炭酸ガスによる地球温暖化、熱帯雨林乱開発等の地球環境問題が取り上げられたことを覚えておられますか? 環境破壊は目に見えないゆっくりした速さで忍び寄ってくるため、つい問題を先送りしがちですが、次の世代は確実にその被害者になる訳ですから、今、恒久的な対策を講じることが、われわれの世代の義務なのでしょう。

 私はボルネオで石油開発に携わっていますが、ここはアマゾンと並ぶ熱帯雨林の宝庫で、近くを流れるバラム河はジャングルの奥地で切り出された巨木を積んだ艀が毎日行き来しています。この木材の最大のお得意は何と言っても日本であり、そのため当地にも20社30人近くの商社マンが駐在しており、ボルネオ全体ではかなりの人数に上るそうです。樹木の生長を上回るスピードで切り出すため、伐採は奥地へ奥地へと進んで行きます。巨木を切り出した後には小さな木だけが残ります。今のまま伐採を続けると今世紀中にサバ、サラワク(ボルネオにあるマレーシアの2州)のジャングルから巨木が姿を消してしまい、元に戻るには40年以上かかると言われており、世界の環境保護団体が乱伐に警告を発し、マレーシア政府に対策を迫っています。

 このサラワクのジャングルにペナン族と言う原住民が住んでおり、彼らは今なお木の上にヤシの葉で覆っただけの家に住み、狩猟を生活の糧とする移動生活をおくっています。しかし、伐採が進むにつれ鹿や野豚などの生物は姿を消し、彼らの住む場所さえ失われるため、彼らは伐採阻止の直接行動を起こし政府との間でトラブルが絶えません。このペナン族を研究対象として彼らと起居を共にしているスイスの民族学者がおり、彼は森の民に同情して一緒にゲリラ的な活動をしています。これに手を焼いた政府は彼の首に懸賞金をかけ必死に探していますが、森の民に守られ神出鬼没の現代版ロビンフッドの行方は杳として判りません。

 環境保護と言う見地からすれば、保護団体や民族学者の立場を擁護したくなりますが、ここではあえて別な見方をご紹介します。この国にとって木材は重要な外貨獲得手段の一つで、多くの人々の生活がかかっており、もし伐採を制限すれば大量の失業者が出ます。その失業者は環境保護団体が面倒を見てくれる訳ではありません。環境保護運動は先進国の専売特許です。先進国は過去数十年以上にわたり世界の資源を散々浪費し、さっさと高度な文化生活を築き上げると、今後は環境保護を訴え、今でも資源を浪費しているように見えます。開発途上国としても資源保護の重要性は十分承知していますが、当面は貴重な資源を売って国民の生活水準を向上させ、先進国に追いつくことが優先課題と考えています。このようなときに、環境保護の名のもとに資源の輸出を制限するのは先進国のエゴである、と開発途上国は主張しているのです。生活が豊かになって初めてその豊かさが環境破壊と言う犠牲の上に成り立っていることに気がついたからと言って、その代償を開発途上国にだけ負担させるのは理不尽だとする、彼らの理屈に一理あると思われます。

 先進国側にも資源を浪費しないような努力と、開発途上国に対し積極的に援助する度量が必要ではないでしょうか?

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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