(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してお読みいただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0466ImfWeoApr2019.pdf
5.世界および主要地域・国のGDP成長率の推移(2016~2020年)
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-11.pdf 参照)
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-05.pdf 参照)
(世界の平均成長率は3%台で推移、ASEAN5カ国は5%台を維持!)
(1)世界および主要経済圏
2016年(実績)から2020年(予測)までの5年間の経済成長率の推移を見ると世界全体では3%台で推移しており今年の成長率は3.3%、来年は3.6%である。
経済圏別で見るとG7の成長率は2016年の1.4%が翌2017年には2.2%にアップしたが、その後は年々減速する傾向にあり、今年(2019年)は1%台に落ち、来年は1.5%にとどまる見通しである。EUはG7より若干高めの成長率を維持しているが、G7と同様2017年の2.7%が5年間で最も高く、今年~来年は1.6~1.7%の低成長と見込まれている。
2016年に5.0%の成長率を達成したASEAN-5か国はその後も他の地域を大幅に上回る成長率を示し、今年及び来年は5.1%及び5.2%と予測されている。産油国を多く抱えたMENA地域は石油価格によって影響を受けやすく2016年の5.2%が2017年には一転して2.2%に急落、その後2年間は1%台後半の低い成長率にとどまったが、現在石油価格が高止まりしていることを受けて2020年の成長率は3.2%に上方修正されている。
(中国は減速気味だが6年間通じて6%台の成長率を維持!)
(2)世界とMENA主要国
日本の成長率は2016年の0.6%が2017年には1.9%に上昇したが、2018年以降、2020年までは0.8%→1.0%→0.5%と1%以下の低い成長が続く見通しである。日本の成長率は以下に述べるインド、中国にははるかに及ばず、米国、ドイツなどと比べても見劣りする低い水準にとどまっている。
米国の経済は先進国の中でも特に好調であり5年間を通じてほぼ2%台の成長を維持している。2016年以降の各年の成長率は1.6%→2.2%→2.9%→2.3%→1.9%である。中国は2016年から2020年までの5年間を通じて6%台の高い成長が続くと見られているが、その成長率は2017年の6.8%から年々低下し来年は6.1%と予測されている。これに対してインドは5年間で8.2%(2016年) →7.2%(2017年) →7.1%(2018年) →7.3%(2019年) →7.5%(2020年)と中国の成長率を上回る年7%以上の高い成長率が続く見込みである。
GDPがMENA最大のサウジアラビアは原油価格下落の影響を受けて2017年は▲0.7%のマイナス成長に陥ったが、翌2018年にはプラス成長に戻り2020年まで2%前後の成長が見込まれている。サウジアラビアに次ぐMENAのGDP大国トルコは2016年3.2%→2017年7.4%→2018年2.6%と高成長を続けてきたが、今年(2019年)はマイナス成長(▲2.5%)に転落する見込みである。
イランは2016年に12.5%の高い成長率を記録したが2018年(▲3.9%)及び今年(▲6.0%)は一転してマイナス成長に転落している。来年の成長も0.2%と低い見通しであり、石油輸出を含む米国の広範な経済制裁の影響が強く表れている。
(完)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp