(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0491WorldRank4.pdf
(世界ランクシリーズ その4 2019年版)
3.男女不平等指数 (Gender Inequality Index, GII)
(人間開発度は世界15位だが、男女平等度は世界42位の米国!)
3-1.2018年の不平等指数
(表http://rank.maeda1.jp/4-T02.pdf 参照)
男女不平等指数(GII)は、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、エンパワーメント、そして労働市場への参加の3つの側面で、ジェンダーに基づく不平等がどの程度存在するかを表す指数である(第1項参照)。
不平等指数が世界で最も低い(即ち男女が最も平等な)国はスイスであり、同国のGII指数は0.037である。また世界2位はスウェーデンとフィンランドでGII指数は0.040、4位及び5位はオランダ(GII0.041)とノルウェー(同0.044)である。いずれもヨーロッパ諸国であり、スイスを除く2位から5位まではすべて北欧諸国である。
人間開発指数(HDI)で取り上げた国々のGII指数と世界ランクを見ると、韓国はGII指数0.058で世界10位である。同国のHDIランクは世界22位であり韓国は男女の平等度が極めて高い国である。韓国とは対照的なのが米国であり、同国のHDIは世界15位であるが、GII指数は0.182であり世界42位にとどまっている。日本はGII指数0.099、世界23位である。中国は韓国と同様GIIの世界ランク(39位)がHDIの世界ランク(85位)を大幅に上回っている。ロシアとインドはいずれもHDIとGIIの世界ランクがほぼ同じである。
中東ではイスラエルがGII指数0.100、世界ランク24位で日本(23位)に続いており最も高い。これに肉薄しているのがUAEであり、同国のGIIは0.113、世界ランク26位である。中東の大国を比べると、サウジアラビアは世界49位、トルコ66位、エジプト102位、イラン118位であり、イランが最も低い。
(指数、順位とも大幅にアップしたUAE!)
3-2.2018年と2017年のGII比較
今回のジェンダー不平等指数及び世界ランクを前回2017年のそれと比較すると、スイスは2年連続の世界1位である。スウェーデン、オランダ及びノルウェーは引き続き2位から5位に入っており、北欧諸国が世界のトップレベルであることは変わりがない。
日中韓、米国、ロシア及びインドの6カ国を見ると、順位がダウンしたのは米国、日本及び中国3カ国である。但し下落幅は小さい。韓国は2年連続で世界10位であり、インド及びロシアはロシアが前年の53位から49位に、またインドも同127位から122位にアップしている。指数(Index)で見ると中国のみ下落しており、その他の5カ国はいずれも指数が上がっている。世界平均でもGII指数は0.002とわずかながらも上昇している。世界各国で指数が上昇しているため、日本や米国は指数アップにも関わらず順位がダウンする結果となっている。
イスラエル、UAEなどの中東主要国は世界順位、GII指数の変動幅が大きい。中でもUAEはGII指数が0.119改善し、世界ランクは49位から26位へと大幅に上昇している。これに対してイラン及びイラクは指数が約0.03下がりランクも8~9位下がっている。中東で最も世界ランクが高いイスラエルも昨年の21位から今年は24位に下がっている。
以上
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