3.世界の石油・天然ガスの消費量
(2) 1970~2021年の消費量の推移
(50年間でアジア・大洋州のシェアが15%から38%に急拡大!)
(3-2-1)石油 (図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G02a.pdf参照)
1970年の全世界の石油消費量は4,540万B/Dであったが、5年後の1975年に5千万B/D台に、そして1980年には6千万B/D台と5年ごとに大台を超える急増ぶりであった。その後1980年代は横ばい状態であったが、1990年以降再び増加に勢いがつき、1995年には7千万B/Dを超えた。そして2000年代前半には8千万B/D、2014年に9千万B/Dを突破して2019年には過去最高の1億B/D目前に達した。しかし2020年はコロナ禍の影響で消費が急減、2021年は多少回復したものの9,410万B/Dにとどまった。
消費量を地域別にみると、1970年には北米及び欧州地域の消費量はそれぞれ1,660万B/D、1,330万B/Dであり、この2地域だけで世界の石油消費の3分の2近くを占めていた。同年のアジア・大洋州の世界シェアは15% (670万B/D)であり、その他のロシア・中央アジア、中東、中南米、アフリカは4地域合わせても19%に過ぎなかった。その後はアジア・大洋州の消費の伸びが著しく、1980年には1千万B/Dを突破、1990年代前半には欧州を追い抜き、2000年の消費量は2,120万B/Dに達した。さらに2006年には北米をも上回る世界最大の石油消費地域となり、2021年の消費量は世界全体の38%を占める3,580万B/Dとなっている。
欧州地域は1970年に1,330万B/Dであった消費量が1980年には1,580万B/Dまで増加している。しかしその後は減少傾向をたどり1990年から2010年までの20年間はほぼ1,600万B/D前後で横ばい状態となった。2010年代に入ると減少傾向を示し、2021年の石油の消費量は1,350万B/Dで世界全体に占める割合は1970年の29%から14%に半減している。
北米地域については1970年の1,660万B/Dから1980年には2千万B/Dまで伸び、1980年代は需要が停滞した後1990年代に再び増勢を続け2005年には2,490万B/Dに達した。その後は減少を続け2021年は2,230万B/Dとなっている。これはシェールガスの開発生産が進み、エネルギーの消費構造が石油から天然ガスに移ったためと考えられる。 (天然ガスの生産・消費については次項参照)。
(続く)
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