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(目次)
第1章 民族主義と社会主義のうねり(15)
031.イスラエル独立(その4):対英テロ活動を経てついに独立(1/3)
テロ(リズム)とは「政治目的のために暴力あるいはその脅威に訴える行為」(広辞苑)である。一般市民が犠牲となるテロ行為は決して許されるべきものではない。しかし国家の独立を賭けた戦いにおいては必ずテロ行為が発生する。時の政府あるいは権力者はテロを秩序を乱す犯罪行為とみなす。これに対して反権力者側はテロ行為は目的達成のための正当な手段の一つだと主張する。両者の主張がかみ合うことは無い。
多くのテロ行為は治安を握る権力者によって鎮圧されるが、反乱側が権力を奪取し国家として独立が認められると立場が逆転し、それまでの反乱者たちのテロ行為は「愛国的な行為」とみなされる。そしてテロの実行者たちは「英雄」に祭り上げられ国際社会もそれを受け入れる。戦後世界は国民国家が基本単位であり、政治学者は国家だけが正当な暴力装置を持つことを許されていると説く。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com