石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

日本は世界125位、政治参画分野の低さが致命的-「男女格差指数」(4)

2023-07-09 | その他

(世界ランクシリーズ その5 2023年版)

 

4.要素別比較(レーダーチャート)

 ここでは8カ国及び世界平均を取り上げ、これらを3グループにわけてそれぞれの総合順位、経済、教育、健康及び政治の4分野別スコアをレーダーチャートで表してみる。レーダーチャートは最も外側がスコア1.000(つまり男女格差が無い若しくは女性が男性を上回る)を示し最も内側はスコア0.000(即ち男女格差が無限大)である。グラフの実線が外側に広がるほど男女格差が少ないことを示し、また真円に近いほど4分野の男女格差が平均化していることを示している。

 

(際立って高いアイスランドの政治分野のスコア!)

(1)チャート1(アイスランド、米国、世界平均)

(図http://rank.maeda1.jp/5-G02.pdf 参照)

 総合スコアではアイスランドは0.912であり、米国は0.748、世界平均は0.684である。分野別に見ると政治分野はアイスランド0.901、米国0.248、世界平均0.221であり、アイスランドのスコアが際立って高い。経済分野はアイスランド(0.796)と米国(0.780)の格差は小さく、世界平均のスコアは0.601にとどまっている。教育及び健康分野は3者ともスコアが0.950以上であり有意な差は見られない。

 

(政治分野は印中日、経済分野は中日印の序列!)

(2)チャート2(日本、中国、インド)

(図http://rank.maeda1.jp/5-G03.pdf 参照)

 総合スコアは中国(0.678)、日本(0.647)、インド(0.643)であり、3カ国に大きな差異はない。分野別に見ると政治分野ではインドが0.253と最も高く、次いで中国(0.114)、日本は0.057であり2カ国との格差は大きい。経済分野の格差は中国(0.727)、日本(0.561)、インド(0.367)で政治分野以上に格差が大きく、しかも3カ国の中で政治分野トップのインドが経済分野では3カ国中最も低いことが特徴である。教育分野ではインドは男女完全平等(1.000)であり、健康分野では日本(0.973)が最も高いが、3カ国のスコアに大きな差は見られない。

 

(教育分野以外でトルコ、エジプトに劣るイラン!)

(3)チャート3(トルコ、エジプト、イラン)

(図http://rank.maeda1.jp/5-G04.pdf 参照)

 中東の三大国トルコ、エジプト及びイランはイスラーム国家と言う共通点を持つが、人種的にはトルコ人、アラブ人、ペルシャ人の違いがあり、また政治・経済体制も異なる。しかし男女格差で見るといずれも世界ランクはトルコ129位、エジプト134位、イラン143位と世界の最低レベルにとどまっている。

 

 3カ国を分野別に比較すると、経済分野の男女格差スコアはトルコ(0.500)、エジプト(0.420)、イラン(0.188)でイランのスコアがトルコ及びエジプトを大きく下回っている。政治分野についても同様の傾向が見られ、エジプト(0.175)、トルコ(0.106)に対してイランは(0.031)であり、イランの男女格差が非常に大きい。教育及び健康分野のスコアはいずれも0.940から0.980の範囲である。ただし上記に述べた通りこの2分野は世界平均が0.952及び0.960であるため、世界順位では100位前後にとどまる。

 

(続く)

 

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     前田 高行    〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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