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エピローグ(8)
196 見果てぬ平和(1/3)
皮肉にも「アラブの春」が中東でそれまでにない大量の難民を生んだ。故郷で名も無くつつましく暮らしていた彼らはやむを得ず国境を越えて逃げ延びた。そもそも彼ら庶民にとって「国境」は自分たちが生まれる前に英国とフランスがサイクス・ピコ協定を結び自分たちの手の届かないところで勝手に線引きしたものであった。そして今、「IS(イスラム国)」によって自分たちの目の前で国境が「溶けて」行こうとしている。
国境があるがために紛争に巻き込まれ故郷を追われる中東の難民の苦悩は、周囲を海に囲まれ地上の国境線を持たないがゆえに当たり前のように平和を享受している日本人には理解することはとても難しい。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com
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