(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0546ImfWeoOct2021.pdf
IMF(国際通貨基金)では毎年4月および10月に世界各国の経済見通し「World Economic Outlook(WEO) Database」を発表しており、今年10月版(以下WEO2021Oct)がインターネット上に公開された。
*URL: https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2021/October
ここでは2018年から2022年までのGDP(current price, ドル建て)を取り上げ、成長率については前回2021年4月版(以下WEO2021April)[1]と比較して世界とMENA主要国の経済状況の変化を検証する。
(昨年の反動で軒並み高い成長率、来年は通常の成長ペースに!)
1.2021/22年のGDP成長率
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)
(1)全世界及び主要経済圏のGDP成長率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-01.pdf 参照)
IMFは今年(2021年)の世界のGDP成長率を5.9%と見込んでいる。次項に述べる通り4月版では6.0%と予測していた。昨年は新型コロナウィルスにより世界経済がマヒ状態に陥り、成長率は▲3.1%であったが、今年は昨年のマイナス成長を克服して回復軌道に入っている。但しコロナ禍の影響が長引いており今年の成長率はWEO2021Aprの6.0%からわずかながら下方修正している。来年(2022年)の成長率は4.9%と予測しており、世界経済は本来の成長ペースに戻ると見られる。
今年の成長率について経済圏毎に見ると主要先進7カ国(G7)が5.3%、EUは5.1%とされ、開発途上国のASEAN5カ国は2.9%、中東・中央アジアは4.1%とされている。これらの経済圏はいずれも世界平均の5.9%を下回っている。特にこれまで世界経済成長のエンジンとされてきたASEANの成長率が低いのが特徴である。これは世界経済全体の回復の遅れに加え、ASEAN諸国でコロナ禍が長引いているためである。しかし来年のASEANの予測成長率は5.8%であり、他の地域のいずれよりも高い。IMFではASEANが来年には経済成長を取り戻すと見ている。
G7及びEUの成長率は今年の5.3%及び5.1%から来年はそれぞれ4.7%及び4.4%になる。昨年の反動で今年の成長率は例年より高目であり、来年は本来の安定した成長になると見られる。中東・中央アジアは今年来年とも4.1%の成長率になる見込みである。
(続く)
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[1] 2021年4月版については下記参照。
http://mylibrary.maeda1.jp/0531ImfWeoApr2021.pdf
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