ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

まだやっているのか、スマートプレート

2005年01月20日 | ITS
1月15日付けの日刊自動車新聞によれば国土交通省はスマートプレートの実用化に向けて2月4日にセミナーを開き、民間の業態開発を促すとのこと。

スマートプレートとはICチップを埋め込んだナンバープレートで、2000年から実験を行っているが実用化はされていない。
実現すれば、ICチップに車両の登録情報や諸元データ、その他民間利用に関する情報を記録し、車両の出入り管理やロードプライシングに活用出来るとしている。しかし、これはETC(DSRC)のサービス利用と競合する話だ。

実は、元々スマートプレートは旧運輸省、ETCは旧建設省プロジェクトだった。
私はスマートプレート構想は消滅したと思っていたのだが、この話からは国土交通省になった現在も担当する局が異なり、方針が一本化されていないようだ。
これはこの話が国交省のITSホームページ(道路局の所轄)で全く触れられていないことからもよくわかる。

これが民間企業なら単に戦略がチャランポランいうことだが、役所は国民の税金を原資にして仕事をしているのだから、まったくいい加減にしてほしいと思う。

更に言わせてもらえば、スマートプレートは国民にとってどんな良いことがあるのかがさっぱり判らない。
このプレートの機能といえば、「特定の車両が特定の場所を通過したことが自動的に記録される」ことだけだ。
これを必要としている国民・事業者がいったいどのくらいいるのか?利用方法が見つからないからセミナーをやるらしいが、国民がナンバープレート代の値上げに納得するようなサービスが存在するとは思えない。
簡単に偽造できないという意味で盗難問題には有効かもしれないが、組織的な車両盗難の殆どが海外流出ということを考えればあまり関係ないだろう。

むしろ、Nシステムの精度向上かコスト低減が狙いなのかと邪推してしまう。
個人情報・プライバシー保護の観点から強力な反対の声があがるだろう。

いずれにしてもこのプロジェクトはさっさと店じまいして欲しい。

(Nシステムは正式に公表されている物ではないので、興味ある方は検索してみて下さい。)