ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

DSRCサービス利用 日刊自動車記事

2005年08月18日 | ITS
夏休みで気が付かなかったが、8月4日付け日刊自動車にJARI発表のDSRCデモとユーザー調査結果が掲載されていた。
証券新報ダイジェストから

上のリンクにあるように、DSRCサービス利用はユーザーに受け入れられることが確かめられた、という論調であるが、これはちょっとおかしいだろう。

デモは駐車場のゲート通過で行われたようだが、サンプル(90人)の55%が「利用したい」といっていることをうけて「過半数が肯定した」と言い切っている。

しかし、一般になにか便利な商品、サービスを、それによるトレードオフ(他のことが不便になるとか、価格が高いとか)をいわずに提示した場合、80-90%の肯定意見が出るのが普通だ。私は55%は「とても低い」数値だと思う。

例を示そう。
既に、入場時にナンバープレートを読みとり、事前精算をすることで出口ゲートが自動的に上がる仕組みを備えた駐車場がある。私の知る限りでは、銀座地下や玉川高島屋だ。

これを経験した人に便利か、と聞けば、殆どの人が「YES」と答えるだろう。大した利便ではないが、窓を開けなくて済むということは便利には違いない。
しかし、「駐車料金が他よりも高くても利用するか」といわれると、殆どの人が「NO」だと思う。

今回のJARI調査でも、52%の人が「車載器の価格は1万円以下」と回答している。つまり、通常のETC並ということだ。
これは「そのサービスでは現行ETC機器に対して価格プレミアムを認めない」という意味である。

日刊自には「市場性が改めて確かめられた」とあるが、私には「約半分のユーザーが」「ETCにおまけで付いてくるなら便利だから使う」程度の市場性、という結論でしかないように思える。