ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

高速道路無料化 民主党マニフェスト

2005年08月19日 | ITS
民主党のマニフェストに、高速道路の無料化、という項目が盛り込まれている。
(余談だが、産業廃棄物処理のマニフェストとはスペルが違うってことを今知った。)

これが実現したら、ETCを基軸にしているITS構想は完全に吹っ飛ぶという意味で、民主党が政権をとったらITS業界は大問題になる。

過去の記事(12月1日)でも、「料金徴収をやめてしまうことが一番コストダウンにつながる」と指摘しているとおり、私は民主党の主張には一理あると思っている。

とは言っても、無料化は非現実的である。
今現在の通行料が世界水準から見てばかばかしく高額であることは間違いなく、見直す必要があることは否定しないが、いきなり無料にする意味がわからない。いま徴収できている受益者の負担金を完全に放棄することに意味があるのか?

メリット・デメリットが釣り合っていないと思うし、本当にまともにビジネスケースやそれによる交通量の増大影響などを試算しているのか、大いに疑問である。

単純に利用者の立場で考えれば、「高速道路無料化、いいね」ということで投票する人もいるかもしれない。しかし、実際に実行しようとすれば間違いなく自動車関連増税とセットになるだろう。さもなければ自動車を使わない人にとって不公平だ。

どうも、口当たりのいい話だけ載っけているという感が否めない。

この議論、公団廃止による行政改革がゴールだとすれば、正しい方向は無料化ではなくステッカー方式の採用や重量税への転化などで料金所を廃止するということだと思うのだが。