ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETCのコアバリュー:販売促進の側面

2005年08月28日 | ITS
前回、ETCによる給油所決済など、いわゆるDSRCサービス機能それ自身を「直接消費者から料金を取る」ビジネスモデルとして成立させることは不可能だろうと書いた。

では「販売促進」型のビジネスモデルならありうるのか?

直接消費者から対価を取らないモデルとして、おおむね以下の3つがあげられそうだ。

1)広告宣伝モデル
  DSRCを使って車載器に広告宣伝を発信する。
2)顧客囲い込みモデル
  会員割引、ポイント制度などをDSRCサービスにより管理する
3)利便無償提供モデル
  DSRCによる利便性向上を集客のためのツールとして割り切り、価格転嫁をしない

1)のケースはいずれにしてもプッシュ型広告配信となり、「迷惑メール」にうんざりしている消費者が喜んで受け入れるとは思えない。
さらに、走行中の車両への配信は規制が入ると思われる。実際、スマートウェイ推進会議の7月の発表でも、プッシュ型情報はあくまで道の駅駐車場構内、と明言されている。

敷地内限定という制限が付くと、集客促進は望めず、事業者側にとって魅力はない。

2)のケースはそれなりにいろいろ考えられるが、普通は会員カードなどで管理する物であり、DSRC決済顧客に特定する意味はない。

3)のケースは、DSRC決済の利便を消費者がどこまで評価するかにつきる。
例えば、自分なら近くて現金決済の駐車場と遠くてDSRC決済の駐車場のどちらを選ぶか、ということを考えると良い。
もしくは、DSRCでドライブスルー決済できるということが、その日の昼飯の選択の理由になるのか、考えると良い。どうも、事業者側の投資(設備と利用手数料)に見合うとは思えない。

ということで、どう考えてもいうほどの経済効果は無いと思うのだが、どうだろうか?