ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

テレマティクスはどこへいく

2005年12月26日 | ITS
モバイルキャストはM-Linkという新商品のTVCMをはじめた。同社Webサイトからも商品紹介を見ることが出来る。
大切な電話も逃がさない、というキャッチフレーズから、なにか新しい通信をはじめたのかと思ったら、要は単なるbluetoothアダプターつきヘッドセットだ。

この会社はテレマティクス関連会社のはずだが、最近は普通だったら「台湾の面白ハイテク商品」で終わってしまうような商品を、「かっこいいトレンディー商品」のようにお化粧して販売する会社のようになっている。しかし、TVCMとは思い切ったことをするものだ。

実は、テレマティクス関連企業は軒並み苦しんでいる。
あまり知られていないが、ハイパフォーマンスカー用品で一時期市場を席巻したAPEXも、i-mobissesなる通信型盗難警報をメインとしたテレマティクスに手を出したが、その後会社組織の変更など、かなり苦しんでいるようである。

そもそも、トヨタのG-Bookにしてもかなりの苦戦が伝えられている。G-Bookがいらないから、という理由で、販社装着のナビを選ぶユーザーが多いという話も現場からは聞こえてくる。

2年前、自動車関連に強いと言われる某有名証券アナリスト(日本3景的な名前の人)とテレマティクスについて議論したことがある。彼はきわめて単純にテレマティクスが自動車産業を変える、と言っていた。

私は、テレマティクスなんて絶対に普及しないと主張したが、「ハイテク嫌いの反動的意見」位に思ったらしく、あまり議論がかみ合わなかった。

要するに、そのサービスはユーザーにとって必要か否かであり、自らの生活者としての感覚で考えれば、「そんなものいらない」という結論になるはずなのだが。