ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

VICSビーコン続き

2006年11月06日 | ITS
昨日のエントリーから続いています。

交通管制システムの一環として、いろいろなセンサーが道路には設置されている。
単純に通過車両をカウントするセンサー(超音波式)、通過車両の速度も感知するセンサー(マイクロ波式)、画像処理により通行量、速度、車種まで感知するセンサー(画像式)
これらに加え、旅行時間を感知できるセンサーとして光ビーコンがある。

光ビーコンはビーコン受信器を装着した車両と双方向に通信をし、複数のセンサー間での同一車両の通過時間を計測することで、通過予想時間を割り出すことが出来る。
アップロードされる情報はプライバシーの観点からVICS車載器に電源を投入した際に発生するランダムなIDによって管理される。

これらのセンサーの中で渋滞情報として最も正確なデータを提供するのが光ビーコンであることは間違いないだろう。
光ビーコンは平成17年4月時点で2万8千機が設置されており、さらに拡大中である。

しかし、渋滞通過時間を計測するためにはビーコンVICSが付いた車が存在しなければならない。ところが、ビーコンVICSはこれまで消費者にあまり人気が無く、市販・純正共にあまり標準装備はされていない。3万円程度のオプション扱いになっている。
結果として現在走行している車両のうちビーコンが付いている車の割合は、比較的高級車が多い首都高速の実績で10%。すべての車両でいえば5%程度だろう。

一方、車載の通信メディアとしてETC(DSRC)がスタンダードになりつつある。現時点で大雑把に言えば4台に1台のクルマに装着されている。

もちろん、DSRCは光ビーコンにアップロードはしない。

つまり、道には赤外線の光ビーコン、クルマにはDSRCのETCが付いており、この互いに通信できないデバイスが、それぞれ増加中なのだ。

この項、もう少し続きます。