ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

首都圏 高速道路の未来を考える シンポ その1

2007年12月19日 | 高速道路
mobility21主催の「首都圏 高速道路の未来を考える」シンポジウムについて。

まず、早稲田大学の杉山雅洋教授によるオープニングスピーチ。

わが国において、なぜ大阪が地盤沈下し、東京がここまで大きな都市となったのか。
教授は東京をORIVERKETと称する。Original, Versatile, marketから成る造語で、オリジナリティ溢れる多様な市場都市、ということらしい。そして、それが大阪を上回る大都市になった理由らしい。私には徳川以来ずっと首都だから、という理由しか思いつかないのだが。
まあ、そんなトウキョウを支えているのが道路ネットワーク、ということである。

教授は高速道路無料化論にはまったく与しないという。
その理由は、ひとつに渋滞のコントロール、もうひとつは受益者負担の原則だという。
確かに、受益者負担という意味での高速料金はその通りだろう。
しかし、それは世界一高額なわが国の高速料金に対する十分な説明にはなっていない。

そもそも高速道路というインフラは国家の宝物だと思う。それに対して「高いから使わない」というような料金を設定すること自体、もったいない話だ。
ましてや、料金で通行量をコントロールするという発想が良く理解できない。
使うべき車両がすべて通行しても渋滞を引き起こさないように設計されてしかるべきだと思う。(まあ、これはわが国の国土と車両台数の関連から難しいのだろうが。)

それ以上に私が強く思うことは、「クルマは出来る限り専用道路を走るべきだ」ということだ。高速道路での交通事故死の発生率は一般道のそれに比較して圧倒的に小さい。

渋滞しない程度に料金を高くする、という選択肢が社会的に正しいことなのかどうか、よく議論する必要があると思う。

明日以降に続く