たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

(4) 八甲田山 8/1

2015年08月14日 | 登山
酸ヶ湯(6:40) 地獄湯ノ沢(8:05) 仙人岱(8:50) 大岳(10:05) 避難小屋(11:00~12:00) 丸沼(13;20) 酸ヶ湯(15:15)

(写真撮影でコースタイムを大幅にオーバーしています)


八甲田山は初めてですが酸ヶ湯は二度目です

見上げれば青空が覗く登山日和 そう焦る事はありません

肌寒い空気に包まれて心のウォーミングアップ

“どんな花に出会えるかしら” 登山前のこんな時間もまたいいものです






登山口は登山者用トイレの脇の階段から始まります

雨天時には難儀しそうな粘土質の登山道周辺はダケカンバに囲まれた気持ちの良い道でした


この辺りは火山性ガス(硫化水素など)が発生する場所であり全ての木々が枯れている殺伐とした一角です

脇には「臭いのする時や目、鼻、喉に刺激を感じたら非常に危険ですので、その場に立ち入らないで下さい」

と書かれた立看板が設置されておりました

この日は特に注意書きの様な事は有りませんでしたが自然に速足となってしまいます







     

ここも不気味な場所

何時の間にかガスが舞い風も出て来ました

追い風なので登るのに支障は有りませんでしたが一度は帽子を飛ばされた程です

     

ノリウツギ & マルバシモツケ




チングルマ

花の時期も過ぎ名の通りのチングルマです

花は美しく穂は風情が有りますね


ウメバチソウ

     



目も覚める様なキンコウカ


ダイモンジソウ


タチギボウシ

群馬で良く見かけるギボウシとは違った美しい立ち姿でした






増々ガスが濃くなってきました

この辺り一帯は仙人岱と呼ばれるお花畑

以前は湿原だった様ですが登山者に踏み荒らされて消失してしまったそうです

自分だけ良ければという考えの人間は何時の世にも居るんですね

仙人岱の中ほどに八甲田清水という水場が有りました

(辰五郎)と有るのは、この方が見つけたという事なのでしょうか

早速、一口→無味無臭、軟らかいお水です


ヨツバシオガマ


イワイチョウ


コバイケイソウ


斜面を覆うハクサンボウフウ(?)


ウサギギク


ミヤマリンドウ


ミヤマホタルイ

いよいよ大岳へ向かう緩斜面、ここも仙人岱の一角でしょうか

一面のおはな畑が広がります

多くの登山者が追い抜いて行く中、花に引き止められ少しも前進できない私達でした


道は一転し安山岩が風化した非常に歩きにくい道となりました

風も増々強まり苦しい登りを強いられます

ガスさえなければ徐々に近づく大岳や周囲の山々に気も紛れようものですが

足元だけしか見えない目隠しされた状況下では、まるで青森第五連隊の雪中行軍のようです

余談ですが弘前から入山し雪中行軍を成功させた一方の弘前第31連隊の福島泰蔵大尉は群馬県出身者です

途中で鏡沼の標識を見ましたが形は見えず僅かな水音に、その存在が確かめられるだけでした

     

前方に杭の様な物がボーッと浮かぶ斜面でヤマハハコとイワギキョウを見つけた時

「山頂は、この直ぐ上ですよ」そう声掛けして下さった女性の親切が有り難く身に沁みる山頂直下でした




着きました

何とコースタイムより1時間オーバーしての登頂です

風は立っていられないほど強くとにかく寒い

此処からは岩木山だって見えたでしょうにね

目の前には乳白色のベールが広がるのみ

私達は登頂の喜びを噛みしめる事も無く早々に退散、9合目の避難小屋を目指します

(続く)


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(3)尻矢崎の寒立馬 7/31

2015年08月12日 | 登山

恐山の次に仏ヶ浦に是非 寄りたかったのですが食堂の方に尋ねますと

「此処からですと行くだけで優に4時間掛かってしまいますよ

むしろ寒立馬(かんだちめ)で有名な尻矢崎でしたら帰りがけに寄れますのでいいんじゃないですか?」

と、薦めて下さいましたのでナビを尻矢崎に設定 寒立馬に会いに約35キロをひた走ります

前方に見える灯台が徐々に大きくなり散策する観光客の姿がチラホラ見えてきましたが草原に馬の姿が無い

暑くて引っ込んじゃった??まぁ草原の花を見るだけでもいいかと車を停めます


居ました、居ました

灯台めざして数分歩いた海沿い

ノンビリ草を食む寒立馬の群れ






この寒立馬は青森県の天然記念物に指定されている農耕馬で

極寒にも耐える逞しい体格をしています

寒立馬と言うからには雪の吹きすさぶ中を疾走する姿が絵になるのでしょうが

とてもとても、その時期に運転してくる勇気は有りません


こちらは親子でしょうか

群れから離れてノンビリとお散歩、いいですね




さて一寝入り

ドタンと転がると後はだらけた姿で爆睡

身近にもいたっけ

お腹が満ちると同じ姿で爆睡する人


こんな触れ合いも楽しいですね

でも調子に乗り過ぎるのは止めないとね






いい光景だなとコンクリートブロックに腰かけて眺めていますと

音もなく迫りくる群れ・・・視線を感じて目を上げれば・・・ウウウ・・・目の前に・・・

この後、増々近づかれた私は無様な格好で逃げ出したのでありました




馬糞を踏まない様に気を付けながら先端に行きますと太平洋の大海原を背景に小さな磯が有り

其方が群れなら此方もと無数のカモメ(?)が体を休めています










では寒立馬とお別れして花でも探しに行きましょうか

歩いてみれば未だまだ無数に有りましたが何せ馬の落し物も負けずに散らばって

どちらに目を置いて良いのか分からないくらいです

思えばヨーロッパアルプスと(あちらは牛でしたが)状況がソックリ




岩礁にゴイサギとアオサギを見つけました

かなり遠い所に居ましたので思い切り引っ張って写してみましたが何とか表情は撮れた様です

頭上には2羽のトンビも至近距離で近くを飛び回っていましたが、車の中からでしたので、こちらは失敗

どうも、こういう物を見ますと興奮してしまって思う様な写真を写す事が出来ません

じっくり構えないと駄目ですね




下北半島の鎌の柄の部分まで下りてきました

この辺りは沼が多く、その中の一つ鷹架沼で一息入れます



更に下って小川原湖で再び下車

民家数個の鄙びた所ですが湖でとれるシジミやアサリを生活の糧にしているのでしょうか

定置網や小振りの漁船が何艘か置かれ、それが余計に鄙びた感じを助長させていました

今朝、一夜を明かした道の駅「しちのへ」に戻り此処から八甲田山に向けて車を走らせます




尻矢崎から休憩を入れて約4時間、前方に立派な高田大岳が見え

そして「地獄沼」を見れば登山基地である酸ヶ湯はもう直ぐ

明日はいよいよ憧れの八甲田山です

(続く)


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(2)東北の旅 8/31 恐山

2015年08月10日 | 登山
茨城を出発して七戸の道の駅「しちのへ」まで来ました

道の駅を利用するのは初めてですが洗面所もトイレも清潔で中々快適です

今日はこんな時でも無ければ来られない下北半島の恐山へ行ってみたいと思います

途中、不老不死ともうたわれる「恐山冷水」と言う水場が有りました

一杯飲めば10年、2杯で20年、3杯で死ぬまで若返る・・・んだそうです

余り飲むと子供より若返ってしまい威厳をなくすので1杯にして置きましたが・・・さて・・・








恐山と言うからには上の方に有るのではと思いましたが道はドンドン下りに転じます

やがて左に宇曽利湖(うそりこ)が見えて来ました

既にこの辺りも硫黄の臭いが立ち込めています

奥に目を転じますと北岸の白茶けた部分が恐山なのでしょう


ジャーン、三途の川を渡るあの世への橋

でも私には下の看板の方が恐ろしい




入山料500円を支払い門を潜りますと左に恐山菩提寺本堂、右に寺務所と宿坊

そして正面に鎮座するのが本尊安置地蔵殿

ここは比叡山、高野山と共に日本三大霊場に数えられ慈覚大師によって開山されました


地蔵殿の脇から遊歩道に入りますと、嫌でも卒塔婆の林立が目に入って来ます

そして亜硫酸ガスで焼けた山肌

進むにつれ荒涼とした景色

岩間から吹き出す硫黄と、たち込める硫黄臭

とても、この世とは思えない景色に変貌しました












聞こえて来ませんか?

一つ積んでは父のため・・・二つ積んでは母のため・・・

     



不気味さを盛り上げます



上は水子地蔵、風車のカラカラ、キリキリする音はあまり気持ちの良いものでは有りませんね

下は血の池地獄で藻が発生すると池の水が真っ赤になるそうですが今日は澄んでいました






景色は一変し前方に砂浜が見えました

その白い砂浜の向こうには青い水を湛えた宇曽利湖が広がります

地獄から天国に舞い戻った様な・・・その名も「極楽浜」




再び地獄への道へと誘導されました

嫌でも通らなくてはならない道です


気を付けましょう、極悪人はここへ押し込められますよ






約40分の道のりを歩いて最後に向かったところはまさに極楽浄土

この温泉は参詣者で有れば無料で入れます

下の写真が女性用

勿論、私も入りました

極楽・極楽 

(続く)


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(1)東北の旅 ・ 7/28~30先ずは茨城へ

2015年08月08日 | 登山
「7月の下旬に遊びに来ない?」

旅に出る一週間前に茨城の友人から、そんな電話を頂きました

雄さんの帯状疱疹で延期していた友人宅訪問です

どうしようか迷いましたが出発を2日早めて旅の始まりは茨城からとなりました




友人宅自慢の見事なカサブランカは最盛期には何と100個の花を付けたそうです

傍らに咲く珍しい大振りなツユクサにも驚かされました



            

(クリックで大きくなります)
 

友人のご主人は元自衛官

幹部だけが授かる栄誉の瑞宝雙光章が床の間に輝くお部屋で2年ぶりの再会に話が弾みます

同じく床の間には自衛隊時代に粘土で作ったと言う努力賞の力作「達磨大師」と

こちらも手作りの幻の城「安土桃山城」が飾られて有りました

そして昨年、今年と二年がかりで四国巡礼88か所を制覇

最後に高野山の御朱印を頂いて89ヶ所、見事な証であるお軸が誇らしげに掛けられていました

翌日

友人の案内で牛久大仏と河童の画家、小川芋銭記念館へと向かいます




以前、友人宅を訪れた時には(20数年前)着工が始まったばかりで大仏様の指が広場に置かれ

その巨大さに驚かされたものでした

6年がかりで完成した牛久大仏は奈良の大仏様が掌に乗ってしまう程の巨大さで

当然ギネスブックに登録された世界最大の120mを誇る大仏様として、この地に降臨されました


これが親指の大きさです


体内には極楽浄土を表す「蓮華蔵世界」と言う黄金の空間が有り

その一つ一つにお骨が収められていますが空きスペースはあと僅か

ご希望の方はお早めに御予約をと言ったところでしょうか












隣接して動物とのふれあい広場が有ります

先ずは猿の曲芸

次は「暑くてもう、やっちゃーいられねーよ」と苦笑いしている様なヤッギー

以前、お邪魔した時にも遊んだ人懐っこいリス達

餌を持っていると来るわ来るわ、ウカウカしていると頭にも上って来そうな勢いです




小川芋銭記念館に向かう途中、蓮の沼地を見つけました

白一色です

ピンクの蓮も感動しますが一面、白と言うのは別な感動が有るものです


やってきました

小川芋銭が牛久を河童の町として世に広めた、その河童の碑

牛久沼の畔で何を思っているのでしょう

ちょっぴり寂しげな表情に河童伝説のロマンを感じました




石碑から竹林の小路を進みますと小川芋銭の画室兼居室(雲魚亭)が有ります

生憎、今日は休館日で中に入る事は出来ず画伯の絵を観る事は出来ませんでしたが

ひっそりと暮した芋銭の人と成りが垣間見られた事に深い感動を覚えた雲魚亭でした

二泊お世話になった私達は友人夫婦に見送られ、いよいよ東北へと旅立ちます



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