酸ヶ湯(6:40) 地獄湯ノ沢(8:05) 仙人岱(8:50) 大岳(10:05) 避難小屋(11:00~12:00) 丸沼(13;20) 酸ヶ湯(15:15)
(写真撮影でコースタイムを大幅にオーバーしています)

八甲田山は初めてですが酸ヶ湯は二度目です
見上げれば青空が覗く登山日和 そう焦る事はありません
肌寒い空気に包まれて心のウォーミングアップ
“どんな花に出会えるかしら” 登山前のこんな時間もまたいいものです



登山口は登山者用トイレの脇の階段から始まります
雨天時には難儀しそうな粘土質の登山道周辺はダケカンバに囲まれた気持ちの良い道でした

この辺りは火山性ガス(硫化水素など)が発生する場所であり全ての木々が枯れている殺伐とした一角です
脇には「臭いのする時や目、鼻、喉に刺激を感じたら非常に危険ですので、その場に立ち入らないで下さい」
と書かれた立看板が設置されておりました
この日は特に注意書きの様な事は有りませんでしたが自然に速足となってしまいます





ここも不気味な場所
何時の間にかガスが舞い風も出て来ました
追い風なので登るのに支障は有りませんでしたが一度は帽子を飛ばされた程です


ノリウツギ & マルバシモツケ


チングルマ
花の時期も過ぎ名の通りのチングルマです
花は美しく穂は風情が有りますね

ウメバチソウ



目も覚める様なキンコウカ

ダイモンジソウ

タチギボウシ
群馬で良く見かけるギボウシとは違った美しい立ち姿でした



増々ガスが濃くなってきました
この辺り一帯は仙人岱と呼ばれるお花畑
以前は湿原だった様ですが登山者に踏み荒らされて消失してしまったそうです
自分だけ良ければという考えの人間は何時の世にも居るんですね
仙人岱の中ほどに八甲田清水という水場が有りました
(辰五郎)と有るのは、この方が見つけたという事なのでしょうか
早速、一口→無味無臭、軟らかいお水です

ヨツバシオガマ

イワイチョウ

コバイケイソウ

斜面を覆うハクサンボウフウ(?)

ウサギギク

ミヤマリンドウ

ミヤマホタルイ
いよいよ大岳へ向かう緩斜面、ここも仙人岱の一角でしょうか
一面のおはな畑が広がります
多くの登山者が追い抜いて行く中、花に引き止められ少しも前進できない私達でした

道は一転し安山岩が風化した非常に歩きにくい道となりました
風も増々強まり苦しい登りを強いられます
ガスさえなければ徐々に近づく大岳や周囲の山々に気も紛れようものですが
足元だけしか見えない目隠しされた状況下では、まるで青森第五連隊の雪中行軍のようです
余談ですが弘前から入山し雪中行軍を成功させた一方の弘前第31連隊の福島泰蔵大尉は群馬県出身者です
途中で鏡沼の標識を見ましたが形は見えず僅かな水音に、その存在が確かめられるだけでした


前方に杭の様な物がボーッと浮かぶ斜面でヤマハハコとイワギキョウを見つけた時
「山頂は、この直ぐ上ですよ」そう声掛けして下さった女性の親切が有り難く身に沁みる山頂直下でした


着きました
何とコースタイムより1時間オーバーしての登頂です
風は立っていられないほど強くとにかく寒い
此処からは岩木山だって見えたでしょうにね
目の前には乳白色のベールが広がるのみ
私達は登頂の喜びを噛みしめる事も無く早々に退散、9合目の避難小屋を目指します
(続く)

人気ブログランキングへ