УРАЧКА!!

雑文・駄文なお気楽日記です。よろしゅーに。

『チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~』

2013-01-08 19:38:17 | 映画
今日は、豆乳+青汁を飲んでみました。
色が微妙〜にストレートよりも黄緑に近いという感じで、でも味はやはりゆで青菜味でした(笑)
まぁ、豆乳自体も、無調整豆乳だと青臭い系だもんねぇ。
次は、ヨーグルト+にチャレンジだっ!!

で、先日見た映画です。

『チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~』予告編


邦題は「チキンとプラム」ですが、うーむ映画内に出てくるは出てくるけど、それが鍵となるわけでもないし、苦し紛れに日本配給側が付けた題名なんだろうなぁ、と思ったら、原題もやはり「チキンとプラム」らしい。フランス語だけど。
全然知らずに見たのですが、この映画の監督って、数年前にアカデミー賞長編アニメーション部門でノミネートされた自伝的アニメ映画「ペルセポリス」の監督さんなんだそうで〜。
あー、そう言われていれば、確かに途中でアニメの場面があるんだけど、そのあたりはまさしくペルセポリスっぽい絵柄でしたなぁ。
で、愛用のバイオリンを壊されてしまったバイオリン弾きが、新しい楽器を探すのだけどどうしても「自分の求める音の出せるバイオリン」が見つからない。
ので、絶望のあまり死ぬ事にした、というその死ぬまでの8日の間に、自分の過去とかをいろいろ回想する、という話です。
なんつうか、デコボコ脱線しているというか、それが味というか、素直に見せないのがフランス映画っぽい(爆)っていうか、観客に感情移入させるというよりは、登場人物をわりと冷静に客観的に見させるっていうのがフランス映画の特色なのかな?と思ったりして、というか。
同じネタの映画をもしハリウッドで作ったら、絶対こうやってこういう流れにして、と、いく予想はつくのですが、同じネタでも、その予想とおりいかんのがフランス映画とも言えますね。
まず、結構最初の方から、主人公の8日後の葬式シーンが出てくるので、
「一旦は絶望して死を望んだけど、改めてつきつめて考えてみて、やはり生きる事を選んだ、感動路線」的展開を一気にボツってくれます(爆)
そして、登場人物が主人公も含め、皆、相手の事を判ってないっていうのか理解してない、っていうのか。
それをそれぞれの視点から眺めている観客にはわかるけど、その一断面しか見ていない登場人物たちはそれに気づかない。
なので、理解しあいたい、愛し合いたい、と思っていても決して交わる事はなく、「水と油」状態のまま、なんですよね〜。
で、水と油を混ぜるためにはどうしたらいいか?
それは、マヨネーズの作り方で説明できますが、お酢と油に卵黄をプラスする事でマヨネーズが出来るんですが、この卵黄は水と油を乳化させて混ざらせる事が可能になり、お酢と油、という本来混ざりあわないモノを混ざり合わせて、さらにマヨネーズという新たな調味料に変身させる事が出来ます。
この映画も、水と油のように混ざりあわないそれぞれの人々を、映画という卵黄を介する事によって観客の脳内で乳化させ、新たな一つの物語として、マヨネーズとして完成する、と言う見方が出来る映画なのかもしれないなぁ〜と思ったりして。
卵黄=客観性、という事かも。
音楽家というか芸術家は、吐息を掴む事が出来る、その吐息を掴むには・・・
人並みの愛する人との幸せは求められない、その人を失ったからこそ、吐息を手に入れられるとかっていう件は、なんかわかるっていうかねぇ。
「恋愛映画」で、長く人々に愛される代表作となるような映画って、何〜故か「悲恋」系が圧倒的に多い、っていうのがこれと似ているかも。
愛の絶頂で断ち切らえる事で、その愛は永遠の命を得て、語り継がれるモノになる、けど、その愛が成立して持続するなら、後は落ちる一方、っていうのを皆、どっかでわかってるのかも(爆)
「永遠の愛」は、すでに続く事が不可能になっているからこそ、っていう事なのかもねぇ。
芸術もそれと似ているのかもしれません。
主人公のバイオリン弾きの、その永遠のかなわぬ恋の相手の名前は「イラーヌ」
後で、評論とか読んでて初めて気づいて納得したんだけど、イラーヌっていうのは監督の故郷「イラン」の事。
監督は、学生時代に欧州に留学して、そこで欧米的な教育生活を受けていき、故郷の生活では政治的にとか言論的にいろいろ摩擦が生じて、自由な発言表現が不可能で、今はフランス暮らしなんだそうですが、故郷からの弾圧や抑圧される恐れがあっても心はいつも故国イランを愛している、愛してやまないという、監督自身の心の現れでもあるんだなぁ〜と。
「故郷は、遠くにありて思うもの」っていう事なのかもしれませんが。
この映画も、単に「単体の映画」として見るよりも、もっと深く背景を想い測りながらみるタイプなのかもしれませんなー、っていうあたりもフランス映画っぽいかな?
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする