ロシアとNATOの共同ミサイル防衛システム構築の可能性

エストニアで開かれたNATOの外相会合では、ロシアとNATOによる共同のミサイル防衛MDシステムの構築に付いて、ロシアといわゆる透明な対話を開始する決定が承認された。
ロシアはこのイニシアチブを好意的に受け取ると同時に、平等の基盤の上でのみ、ロシアはMD分野において西側諸国と協力する用意があることを強調した。
ロシアのロゴジンNATO大使は、ロシアが以前からこの協議に関して言葉のレベルではなく、専門家レベルで協議するよう提案していると指摘した。

尚、現在ロシアの高い位置の専門家らは、MD協議に参加する可能性が検討されている。
ロシアはMD分野におけるNATOとの共同作業は、ミサイル脅威の分析ならびに、この脅威に対する共同対策の作成から始められるべきであるとの考えを示している。
NATOは現在、ロシアの参加無しに脅威への対策構想を組立てている。
この矛盾は排除されなくてはならない。

ロシアにはNATOとの共同MDシステムを進展させるための提案がある。
これに関して国際安全保障研究所の専門家は、ロシアの声からのインタビューに対し次のように答えている。
「ロシアはアゼルバイジャンのガバリにある、電波探知ステーションと新たにロシアの(?)近郊に建設された、同様の施設から情報を受け取る手段を持っている。
この他にも地対空ミサイルシステムS400トライアンフがある。
これはアメリカの持つ、同様の地対空ミサイルシステム・パトリオットと比較して戦術、技術的特性で優れている。

本質的にS400トライアンフはアメリカの可動基地システム「THAD」と同様の機能を持つものだ。
THADとロシアのS400は、ヨーロッパにある特に重要な施設などを防衛する場合に、極めて展望あるものとなる筈だ。
またロシアとNATOにミサイルの脅威に関する、情報交換センターが設立されたら重要な意味を持つだろう。
これはヨーロッパ(???)がMD システム構築に向けて、現実的な一歩を踏み出す事を可能とするだろう」
専門家はこの様に話している。

一方でアメリカがヨーロッパ大陸における、MD展開計画を常に変更していることから、MDシステムの配置に関してロシアは確かなものを得ることができず、警戒心を抱いている。

また国際安全保障研究所の専門家は次のように語っている。
「仮にアメリカがヨーロッパのMDの他に、弾道ミサイルの迎撃に関して追加的な境界をつくった場合には、ロシアと共同でMDシステムを構築するという、NATO諸国が表す意志の誠意に関して、ロシアが疑いを抱く大きな理由が生まれることになるだろう」

これらの懸念は5月19日に開催予定の、MDに関するロシアとNATOの専門家会合で一掃されるかも知れない。

※(???)は女性アナウンサーの不充分な発声で聴き取れない

4月24日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル