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ロシアとシリアの協力の展望

2010-05-12 | ラジオ
ロシアとシリアには年間10億ドル以上の取引がある。
仮に経済危機が起こらなかったならば、この取引高はさらに増していたことだろう。
一方で今年の状況は大きく変化した。企業家達の間で締結される契約数も、増加に向かうとの公算が高くなっている。

シリアの企業家たちはこの楽観的な期待を、先ず何よりも10日から11日にかけて実施される、ロシアのメドヴェージェフ大統領のシリア訪問と関連付けている。
尚、ロシア大統領によるシリア訪問は、現代のロシア史において初めてのものとなる。

外交関係が樹立された1944年7月からロシアにとってシリアは、中東地域における主要なパートナー国の一つとなっている。
両国の間で特に緊密な協力関係が続けられはじめたのは、アサド氏がシリア大統領に就任した1970年代。
まさにそのときにソ連はユーフラテス川に(???)水力発電所の建設を開始し、石油採掘産業の構築において技術支援を実施し、シリアの北部と南部を繋ぐ120キロ以上の線路を敷設している。

一方で東洋大学学長はソ連崩壊後、ロシア側からのシリア支援は著しく減少したと語り次のように話している。
「ロシアの新しい企業家たちは、シリアに付いてあまり認識を持っておらず、この国に付いて想像することがあまり出来なかった。
なのでソ連崩壊後、ロシアの企業家達の関心は東ではなく西側に向けられた。
そのほかシリアには負債処理に関する問題もあった。負債額は130億ドル以上あった筈だ。
現在この問題は解決され負債の一部は返済され、残りはロシアの投資に借り替えられた。
シリア国民はメドヴェージェフ大統領の訪問に、大きな期待を抱いている。
彼らはロシアが古い施設の再建だけでなく、新たな施設の建設においても審議すると見込んでいる。
これは送電線や石油採掘および石油加工産業の近代化だ。
もちろんシリアはこの分野で、ロシアの大手企業と協力することを考えている」
学長は、この様に話している。

さらにシリアはロシアの支援の下で、観光業を発展させることを念頭においているとし、その理由としてシリアは世界でも、非常に古い歴史を持つ国の一つであり、興味深い歴史的遺産が数多く保存され、多くの世界的文明の発祥地であると語り次のように述べている。
「シリアにはカインがアベルを殺害した、人類史上初の殺人が行われた場所がある。ここには巡礼者ヨハネの首が治められている。
またシリアにはマールーラの街のように、住民達が現在でも(???)語で話している場所がある。
これは聖書の言葉イエス・キリストが話していた言葉が保存されている、世界で唯一の場所だ。

一方で残念ながら、国のインフラ整備は非常に遅れている。
交通網やバス、ホテルは不十分だし観光ガイドも養成する必要がある」

また学長は現地での人材育成に関して、ロシアには何の問題もないと語っている。
何故ならシリアにはロシアで高等教育を受けた人々が多くおり、ロシア語を話す人たちが大勢いるからだ。
加えてシリアでは、ロシア語が最も普及している言語の一つでもあるからだ。

(???)は若い女性アナウンサーの声が相変わらず小さすぎて聴き取れず

シリア大統領 アサドの中東外交 1970-2000

夏目 高男
明石書店


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5月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル