ロシアは9日、第二次世界大戦の戦勝65周年を祝った。
モスクワ赤の広場の軍事パレードをはじめ、市内だけでも400万人の人々が様々な行事に参加した。
またこの日に合わせて国内で第二次大戦の影響、大戦から得られる教訓について様々な分析がなされている。
大戦の対価、教訓と言っても歴史的なものばかりではない。
国内情勢への影響は現在に至るまで存在する。歴史家で作家のソコロフ氏は特に人的被害に注目している。
「最も悲しむべきは、戦争による人口減少だ。
勝利の対価は恐ろしく高くついた。人口の危機とでもいうべきもので、その影響は程度の差こそあれ現在に至るまで続いている。様々な理由で出生率が落ちた。戦争による世代の穴というのは、現在の人口状況にも波及している」
ソコロフ氏は、このように発言している。
第二次大戦時、ソ連が受けた人的被害の公式的数値は時代を追うごと、政権が代わるごとに上方修正されてきた。
スターリン時代1400万人だった犠牲者数は、ブレジネフ時代には2000万人となり、ソ連末期のゴルバチョフ政権時では2700万人まで膨れ上がった。
現時点では、今年の戦勝記念日を前に科学アカデミーが発表した2660万人というのが最新の数字だが、今後も修正が行われるだろう。
メドヴェージェフ大統領は8日、国内メディアからの取材に対し「状況を簡略化しない、集計を最後まで続ける」と語っている。
今後数字が増えるにせよ減るにせよ、ソ連国民が大戦により甚大な被害を受けたという事実事態には変わりはない。
国際関係大学の教授は次のように語る。
「我国は20年ごとに人口の穴に陥る。つまり戦争にとられ、帰って来なかった世代、その子供の世代、さらにその子供たちの世代ということだ。
また我国は大戦中に国の富の30%を失ってしまった。これに対し米国は全体の0.1%、イギリスでも1.5%の損失に留まっている」
教授はこの様に発言している。
大戦の結果、ロシアでは1700の都市が壊滅状態となり、7万の村が瓦礫と化した。どの家族にも犠牲者や被害者が存在する。
ロシア人にとって大戦は、単なる歴史上の1コマというには大きすぎる存在なのだ。人々は自分の土地を民族の存続を賭けて戦った。勝利はそうした危機意識による団結の結果、得られたもだ。
ですから戦いはソ連崩壊後ばらばらになったCISの国々を、まとめるものでもある。
5月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
モスクワ赤の広場の軍事パレードをはじめ、市内だけでも400万人の人々が様々な行事に参加した。
またこの日に合わせて国内で第二次大戦の影響、大戦から得られる教訓について様々な分析がなされている。
大戦の対価、教訓と言っても歴史的なものばかりではない。
国内情勢への影響は現在に至るまで存在する。歴史家で作家のソコロフ氏は特に人的被害に注目している。
「最も悲しむべきは、戦争による人口減少だ。
勝利の対価は恐ろしく高くついた。人口の危機とでもいうべきもので、その影響は程度の差こそあれ現在に至るまで続いている。様々な理由で出生率が落ちた。戦争による世代の穴というのは、現在の人口状況にも波及している」
ソコロフ氏は、このように発言している。
第二次大戦時、ソ連が受けた人的被害の公式的数値は時代を追うごと、政権が代わるごとに上方修正されてきた。
スターリン時代1400万人だった犠牲者数は、ブレジネフ時代には2000万人となり、ソ連末期のゴルバチョフ政権時では2700万人まで膨れ上がった。
現時点では、今年の戦勝記念日を前に科学アカデミーが発表した2660万人というのが最新の数字だが、今後も修正が行われるだろう。
メドヴェージェフ大統領は8日、国内メディアからの取材に対し「状況を簡略化しない、集計を最後まで続ける」と語っている。
今後数字が増えるにせよ減るにせよ、ソ連国民が大戦により甚大な被害を受けたという事実事態には変わりはない。
国際関係大学の教授は次のように語る。
「我国は20年ごとに人口の穴に陥る。つまり戦争にとられ、帰って来なかった世代、その子供の世代、さらにその子供たちの世代ということだ。
また我国は大戦中に国の富の30%を失ってしまった。これに対し米国は全体の0.1%、イギリスでも1.5%の損失に留まっている」
教授はこの様に発言している。
大戦の結果、ロシアでは1700の都市が壊滅状態となり、7万の村が瓦礫と化した。どの家族にも犠牲者や被害者が存在する。
ロシア人にとって大戦は、単なる歴史上の1コマというには大きすぎる存在なのだ。人々は自分の土地を民族の存続を賭けて戦った。勝利はそうした危機意識による団結の結果、得られたもだ。
ですから戦いはソ連崩壊後ばらばらになったCISの国々を、まとめるものでもある。
5月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル