一方で所長は南北朝鮮が近い将来、和解する可能性もあまり無いと見ている。
2000年、2007年に開かれた南北朝鮮首脳会談は、南北関係の正常化への期待を抱かせるものだった。
2000年の首脳会談は象徴的な意味合いが強かったものの、2007年の会談では異なる分野での協力に関する具体的なプランが提示され、両国関係の発展に向けた実際的な一歩となった。
しかし世界にはこうした動きを気に入らない国もあったのだ。
所長をはじめとする多くの専門家は、多くの大国が宣言のレベルではなく、実際の政府のレベルでの朝鮮統一に関心を持っていないと考えている。
「日本は統一した朝鮮国家が危険な経済競争相手となり、日本の自衛隊より高度な軍事力を有する軍を備えた国となることを危惧している。
一方、中国にとって許し難い問題となるのは、北朝鮮が消失してしまうことだろう。北朝鮮はイデオロギー的には複雑ではあるものの、重要な軍事的、政治的同盟国であり、何よりも軍事戦略的な摩擦を含む、直接のアメリカとの衝突を予防する重要な干渉地帯となっているのだ。
またアメリカは統一した朝鮮が、外交上の独立路線を強めていくことを懸念している。
統一した朝鮮の指導部が、いずれかの段階で朝鮮領内からの米軍撤退を提起する可能性もあるのだ。
何故なら米軍が駐留するための論拠が無くなってしまうからだ。
しかし北朝鮮指導部自体、朝鮮統一にはあまり関心が無いようだ。
経済的に有利に立つ韓国が北朝鮮を吸収する形になることは間違い無い。
中国、アメリカ、日本、ロシアの4ヶ国の中、南北朝鮮の統一に賛同しているのはロシアだけだ。
朝鮮が統一すれば国境を接した、新たな貿易相手国が生まれることになるのだ。
東南アジアとヨーロッパを結ぶ、広域ルートを開拓する上で障害物が無くなると言う訳だ」
また所長はこの先数年で、事態がどのように進展するのか、現実的なシナリオとして第三の道があるとして次のように話している。
「現在、米韓合同で実施されている海軍の合同軍事演習によって齎された緊張状態が終結すれば、恐らく対話は再開されるだろう。
(???)と同様、早期の結果をもたらすものではないと思われるが、韓国と北朝鮮の間で今、起こっているような緊張状態は、これまでにもあった。
ギリギリのところで対立しながらも両国は、もし今合意しなければ、互いに悲惨なことになりうることを理解していたのだ」
衝突の火花を散らしては、また鎮火すると言うプロセスを繰り返しながら韓国と北朝鮮は、これからも長年にわたって朝鮮半島に存在していくことだろう。
しかも南北朝鮮の統一は両国だけに掛かっているわけではない、
この問題をめぐっては、それぞれ異なる思惑を持った調停役の国々が積極的に取組んでいる。
アジア太平洋地域に人口7400万人の国家が誕生することを、誰もが望んでいる訳ではないのだ。
※(???)は女性アナウンサーの不明瞭な言葉で聴き取れない
7月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
2000年、2007年に開かれた南北朝鮮首脳会談は、南北関係の正常化への期待を抱かせるものだった。
2000年の首脳会談は象徴的な意味合いが強かったものの、2007年の会談では異なる分野での協力に関する具体的なプランが提示され、両国関係の発展に向けた実際的な一歩となった。
しかし世界にはこうした動きを気に入らない国もあったのだ。
所長をはじめとする多くの専門家は、多くの大国が宣言のレベルではなく、実際の政府のレベルでの朝鮮統一に関心を持っていないと考えている。
「日本は統一した朝鮮国家が危険な経済競争相手となり、日本の自衛隊より高度な軍事力を有する軍を備えた国となることを危惧している。
一方、中国にとって許し難い問題となるのは、北朝鮮が消失してしまうことだろう。北朝鮮はイデオロギー的には複雑ではあるものの、重要な軍事的、政治的同盟国であり、何よりも軍事戦略的な摩擦を含む、直接のアメリカとの衝突を予防する重要な干渉地帯となっているのだ。
またアメリカは統一した朝鮮が、外交上の独立路線を強めていくことを懸念している。
統一した朝鮮の指導部が、いずれかの段階で朝鮮領内からの米軍撤退を提起する可能性もあるのだ。
何故なら米軍が駐留するための論拠が無くなってしまうからだ。
しかし北朝鮮指導部自体、朝鮮統一にはあまり関心が無いようだ。
経済的に有利に立つ韓国が北朝鮮を吸収する形になることは間違い無い。
中国、アメリカ、日本、ロシアの4ヶ国の中、南北朝鮮の統一に賛同しているのはロシアだけだ。
朝鮮が統一すれば国境を接した、新たな貿易相手国が生まれることになるのだ。
東南アジアとヨーロッパを結ぶ、広域ルートを開拓する上で障害物が無くなると言う訳だ」
また所長はこの先数年で、事態がどのように進展するのか、現実的なシナリオとして第三の道があるとして次のように話している。
「現在、米韓合同で実施されている海軍の合同軍事演習によって齎された緊張状態が終結すれば、恐らく対話は再開されるだろう。
(???)と同様、早期の結果をもたらすものではないと思われるが、韓国と北朝鮮の間で今、起こっているような緊張状態は、これまでにもあった。
ギリギリのところで対立しながらも両国は、もし今合意しなければ、互いに悲惨なことになりうることを理解していたのだ」
衝突の火花を散らしては、また鎮火すると言うプロセスを繰り返しながら韓国と北朝鮮は、これからも長年にわたって朝鮮半島に存在していくことだろう。
しかも南北朝鮮の統一は両国だけに掛かっているわけではない、
この問題をめぐっては、それぞれ異なる思惑を持った調停役の国々が積極的に取組んでいる。
アジア太平洋地域に人口7400万人の国家が誕生することを、誰もが望んでいる訳ではないのだ。
※(???)は女性アナウンサーの不明瞭な言葉で聴き取れない
7月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル