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スエズ経由よりも2倍速い北方海路

2010-08-29 | ラジオ
ロシアはヨーロッパからアジア太平洋諸国へ物資を輸送する、新たな海上輸送ルートを提案している。
これは北極海を通るルートで、エジプトのスエズ運河経由のルートに比べると、かなり輸送時間が短縮できる。

このルートを使った輸送が本格化すれば、スエズルートの重要性はかなり下がるものとなる。
そうした夢の実現に向けて、すでにロシアのタンカー『バルチカ号』が10万トンのガス・コンデンセートを乗せバレンツ海への出口である、ロシアのムルマンスクから、北極海航路を通って中国に向けて出発した。
バルチカ号の前には強力な砕氷船が進み海路を開いている。
この北極海航路プロジェクトの主な目的は、アジア諸国との交通輸送ルートの確立だ。

ロシア国民経済予測研究所の研究員は次のように指摘している。
「バルチカ号はガス・コンデンセートを北極海ルートで、中国を運ぶために出発した、初の大型タンカーだ。ご存知のようにロシアはエネルギー資源の輸出国だ。その意味でロシアにとって北極海ルートを使えば、かなり大きな節約になるのだ。
例えば大型タンカーが一昼夜、およそ500トンのディーゼル燃料を使うのだが、北極海ルートの長さは約600海里、一方スエズ運河を通っての南ルートは1万1千海里ですから、経済的な優位性は明らかだ」
研究員は、このように発言している。

また専門家達はムルマンスク、上海の間の距離を、もし北極海ルートで使えば22日間、一方スエズ運河を通る南側のルートだと42日間と見積もっている。
この場合、北ルートを使えば燃料費は、ほぼ100万ドルの節約になる。加えて南ルートの場合、海賊に襲われてしまうリスクもある。
もちろん北では氷の海を行かなくてはならないが、支障のない航行のために強力な原子力砕氷船が船団を先導する。
また最新のナビゲーションシステムや気象観測システムが、船が航路から外れないよう安全航行を保障する。

中国、日本、韓国といった東アジアの国々では、エネルギー需要が絶えず高まっている。
サハリン大陸棚のガスは、すでに海路、日本をはじめアジア太平洋諸国へと供給がスタートした。
そして今、注目を浴びているのが、ヤマル半島のガス田開発でガスはヤマル半島から北海ルートを通じて東へと輸出される。
交通輸送に関するユーラシア代表者会議の決定に従って、北極海ルートは欧州とアジアを繋ぐ、基本的な輸送海路の一つに加えられている。
計画によれば26日、タンカー・バルチカ号は(?)で砕氷船と別れ、ベーリング海峡を通って太平洋に入り、中国・上海への旅を続ける。

尚、北極海ルートを使った次の中国行き航路はノルウェイの港から、鉄鉱石を積んだ船が31日の出航を予定している。

ところどころ音声が途切れて聴き取れず

8月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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