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中国と日本は世界の終わりに歩を進めている(1)

2012-12-01 | ラジオ
日本と中国の政治エリートたちのなかには、尖閣諸島・釣魚をめぐる2国間関係の将来的な悪化がはらむ危険を理解しているものもいる。
しかし東京も北京もナショナリスティックなとは言わないまでも、過激な傾向をもつ世論の強力な突き上げに見舞われている。
領土問題において、日本市民も中国市民も相手の譲歩ばかりを望み、自らの譲歩には備えていない。

そう指摘するのは、モスクワ国際大学国際研究所の専門家、イワノフ氏だ。
「中国の専門家たちが語るところによると、正常な対話を再開するためには、日本側の譲歩が必要不可欠だ。すなわち、釣魚島をめぐる領土問題の存在を認めることだ。
中国側は日本がこの一歩を踏み出すことは困難ではない、と考えている。というのも、日本政府は既に1970年、毛沢東および小平との交渉において、その存在を認めているのだから。
両名とも賢明にも、この問題を将来に先送りすることを決断し合意を得た。そして今再び、同様のことを繰りことも可能なのだ。問題は日本の専門家や外交官が、かつて日本政府が領土問題の存在を認めたことはない、と主張していることであり、日本が再び先送り措置をとることは、不可能であると確信しているということだ」
専門家は、このようにコメントしている。

日本政府は一方で中国との領土問題の存在を否定しながら、また他面で、そうした退歩に憤激し、内閣の退陣を迫るような、世論の突き上げを受けている。また日本側は、もしも領土問題の存在を認めれば、中国側の領土返還主張に付け入る隙を与えるのではと危惧している。
この危惧が杞憂でないことは、南クリル諸島の例が教えてくれる。1980年代、ゴルバチェフが問題の存在を認めるが早いか、日本側は自身の立場を硬化させた。また2000年、プーチンが1956年代の日ソ共同宣言の有効性、および平和条約締結後の2島先行引渡しの理論的可能性を認めるが早いか、日本政府は四島一括返還を主張し出した。

中国と日本は世界の終わりに歩を進めている(2)へ続く

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11月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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