シェールオイル時代は果たしてくるか

シェールオイル開発は、世界の燃料エネルギー領域に新たな突破口を、※ひろこうとしている。国際エネルギー機関・IEAの予想によれば、シェールオイルを積極的に進める事で、アメリカは8年後の2020年までに、世界最大のオイル生産国であるサウジアラビアとロシアを抜くだろうとのことだ。

一方ロシアにおけるシェールオイル採掘の見通しも、かなり有望だ。ガスプロムネフチとシェルの専門家たちはすでに、西シベリアの最大の産地開発に向けた行動ロードマップを準備した。
ロシアはシェールオイルの開発に着手しようとしている。シェール、つまり油母頁岩は、主に今から4億5000年前に、海底に溜まった動物や植物の遺骸から形成されたものだ。この分野では現在、アメリカが世界をリードしているが、可燃性シェールの採掘という面では、ロシアにも非常に明るい将来性が開けている。
何故ならばロシア領域には、世界のそうしたシェールの10％が埋蔵されているからだ。

全体として専門家たちは世界のシェールオイル資源は、現在すでに存在が分かっている石油の数倍だと見積もっている。現在の消費水準で概算すれば、シェールオイルは、300年分を賄える。
またシェールオイルの大産地はアメリカやロシアばかりでなく、オーストラリアやブラジル、中国、イスラエル、一連の欧州諸国、中東や北アフリカでも見つかっている。　
ただし、このオイル採掘における基本的な問題は、開発の採算性にある。なぜならシェールは個体であり、そこから石油を取り出さなくてはならないからだ。その加工の際に、環境問題で引き起こされるのではないかという深刻な懸念もある。つまりシェールオイルを製造する時に、大量の二酸化炭素が大気中に放出される事となるからだ。

ロシアの声の記者はロシア国立グプキン記念石油ガス大学の、コノプリャニック教授にマイクを向け意見を聞いてみた。
「シェールオイルの時代は始まったばかりだ。ロシアの燃料エネルギー潜在力に巨大な可能性を付与する事になるだろう。
それは技術面でのイノベーションであり、生産技術の近代化だ。なぜならシェールオイルの開発は、それを取り出し加工する産業領域の、急激な変革を必要としているからだ」
教授は、このように発言している。

ロシアがシェールオイル採掘分野にデビューしたのはガスプロムネフチとシェルの共同プロジェクトだった。このプロジェクトは、西シベリアにある産地で実現される見込みだ。
その面積はアメリカのテキサス州、およびメキシコ湾で両社が行っているプロジェクトとほぼ合致する。
現在のところまだ開発段階だが、9年後の2021年までには、それなりの採掘が始まる見込みだ。
こうしたシェールオイルには、世界中の大手の石油会社も非常に大きな関心を示している。

※「突破口を、ひろこうとしている」???

	エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (ＮＨＫ出版新書　356)
	クリエーター情報なし
	NHK出版

11月17日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル