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中国が朝鮮半島に求めるものは何か(1)

2012-12-08 | ラジオ
中国指導部の交替に伴って、中国の内政および外政にどのような変化が起こるのか。
こうした今こそ中国の対北朝鮮政策について考察してみるべきだ、と、クンミン大学教授のロシア人、ラニコフは考えている。ロシアの声のために書き下ろした彼の論文を紹介する。
対北朝鮮政策に思いもよらない展開が見られるとは予期されない。その点中国はアメリカと異なっている。現在のアメリカの政治は、つまりつまるところ、北朝鮮無視、あるいは北朝鮮無視だ。
アメリカの対北朝鮮政策は長期的な展望を持っておらず、そのため遅かれ早かれ見直しを迫られるだろう。翻って現在の中国の政策は、長期的かつ戦略的性格を有している。

地域における中国の国益に従って、相当に厳格かつ合理的な優先順位が形成されている。
第一に中国は朝鮮半島の安定を望んでいる。より広くは北東アジアの安定を。中国にとって、この地域に起こる如何なる危機も、極めて望ましくないことだ。
中国指導部にとって、経済成長のテンポを高く保つことが極めて重要なのだ。というのも中国自身の安定のために、速いテンポの成長ということが必要だからだそのために朝鮮半島の安定を守ることは、中国政府にとって最優先事項なのだ。
それに続く第二の優先事項、それは朝鮮半島が南、ソウル主導で統一されるというシナリオを阻止することだ。
南北両朝鮮の政治的また経済的ポテンシャルの格差に鑑みれば、万が一南北朝鮮の統一が起こったとしても、それが東西ドイツ統一の例にならうであろうことは、何人にも疑いの余地がない。

結果として朝鮮半島で引き起こされかねないことは、本質的には、現在の韓国の強大化ということだ。このことは中国の国益に合致しない。というのも、そうした形態の統一朝鮮は、早い話がアメリカと同盟関係を保つでしょうから。他にも中国は、統一朝鮮が中国北東部の島々に対する領土主権を主張する可能性を危惧している。

中国が朝鮮半島に求めるものは何か(2)へ続く

朝鮮半島201Z年
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日本経済新聞出版社

11月12日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル