1010 Radio

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パレスチナの新しいステータスと古い問題(1)

2012-12-12 | ラジオ
パレスチナは先週、国連のオブザーバー国となるための申請を行った。ガザ地区での戦争も、アメリカからの圧力も、この行動を抑えることは出来なかった。
そして国連総会は193カ国のうち、138カ国という圧倒的多数が賛成票を投じた。これは11月29日のことだった。反対票を投じたのはアメリカ、イスラエルさらにほかの6カ国だった。

ロシアのチュルキン国連代表が指摘したように、その投票はイスラエルそしてアメリカに対するシグナル、つまり世界は解決されないまま続く紛争にもううんざりしているというメッセージだ。
しかしアメリカは早速、そのような決議を非生産的であると決め付けた。アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は、決議を遺憾なものとするものと声明している。
「そのような決議は和平への道において、さらなる障害を生み出すものだ。我々は、イスラエルとパレスチナの直接交渉のみが、両者の望む和平を生むものだとする立場を崩していない。それはつまり、独立したパレスチナナが民主的なイスラエルと共に、平和と安全のなかで共存できる和平だ」
クリントン国務長官は、このように発言している。

国連での採決は木曜日に行われた。そして金曜日の11月30日にはすでにイスラエルは、パレスチナ占領地における3千戸入植計画を発表している。
東エルサレムおよびヨルダン川西岸地域を対象としている。国連はその日のうちに決議を採択し、イスラエルに対して1967年に占領したゴラン高原を放棄し、エルサレムを首都とするのを止め、パレスチナとの和平交渉を開始するよう求めている。
このようなイスラエルに対する決議は1967年以来、すでに15回にわたって採択されている。決議は強制的な効力を持っていない上に、そのうち一度たりとも実行されたためしがない。
悲観的な観測筋は、この問題がしばらく注目された後、またいつもの停滞した状態に戻っていくのではないかと見ている。イスラエルにとって有利な条件となっているのは、ファタハとハマスとの間に立場の違いが見られることだ。
さらにパレスチナには第三の勢力、つまりペルシャ湾岸諸国からの支援を受けたイスラム過激主義勢力が現れている。
悲観的な観測筋は、このような状態で和平交渉を行ったところで意味はなく、パレスチナは先ず自らの国内問題を解決しなくてはならないと指摘している。

パレスチナの新しいステータスと古い問題(2)^へ続く

12月2日放送 週間ラジオ展望