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中国と日本は世界の終わりに歩を進めている(2)

2012-12-02 | ラジオ
このように問題の存在を認めた暁には、中国は南クリル諸島の例にならって、釣魚島の返還要求を加熱させるかもしれない。日本側は、そのことを理解しているようだ。
これを危惧するからこそ、日本政府は中国との領土問題の存在を認めないのだ。その間にも日中関係は悪化を続けている。
問題を解決するために日本政府が講じる方策は、妥協と退歩によって中国政府との関係を正常化させることではなく、アメリカとの軍事協力を発展させ、自らのの軍事力を増強することであるようだ。しかしこの方策は、日本にとって危険含みだ。そして世界全体にとっても、深刻な不快事なことである。
イワノフ氏は、そう見なしている。
「日本では既に、中国海軍の増強とバランスさせるための海上自衛隊の強化について討議が始まっている。また中国を相手とした集団的自衛権の行使をアメリカとともに行う道を開くために、憲法の条文を改める可能性についての発言も行われている。日米軍事同盟の強化は、中国にとって不愉快なプレゼントとなる。しかし日本にとっても、確実に問題の数は増えることになる」
イワノフ氏は、このようにコメントしている。

アメリカをリーダーとするアジア太平洋地域における、反中国ブロックの構築に突き動かされ、中国はますます自国の軍事力を増強させていく、とイワノフ氏は続けている。
軍事費の膨張が中国経済に否定的な影響を与えることも有り得る。中国政府はそのことの責任を日米の敵対的外交に負わせるだろう。
そしてそのことが、反日的また反米的気分の新たな高まりを呼ぶだろう。結果、軍事力による問題解決を主張する中国のナショナリスト、およびび軍人たちのポジションが強化される。同様のプロセスが、日本においても起こるだろう。
というのも中国との経済協力が頓挫することは、日本経済にとっても手痛いことに違いないからだ。結果として、日本にナショナリストの政権が出来ること、また日本政府が自ら背負った核武装放棄の約束が破棄されることも、可能性から排除してはならない、ということになる。
これら全てのことは、相当に間近に起こり得る。もしも日中関係が軍事衝突というステージにまで進んでしまったら、それこそ文字通りの、この世の終わりだ。少なくとも、現在見られる世界秩序が拠って立つところの、国際関係モデルは終焉を迎える。
イワノフ氏は、そう考えている。

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11月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル