アメリカは北朝鮮による人工衛星の発射を、極めて挑発的な行動であり、地域の安全にとっての脅威となるものであると明言した。
しかし地域にとっての本当の脅威は、アメリカが北朝鮮を軽視し、その不可侵性を保障しないということにある。
モスクワ国際関係大学の国際研究所主任学術研究員イワノフ氏は、そう見なしている。
1998年、北朝鮮は最初の学術衛星クヮンミョンソン1号を打ち上げた。しかし平壌にとっては意外なことに、アメリカは学術衛星の打ち上げを、アメリカ本土に到達可能な長距離ミサイルの発射実験であると評価し、北朝鮮からのミサイル攻撃の脅威なるものを喧伝し出した。
北朝鮮の指導者、故金正日総書記は、当時、アメリカの慌てぶりを一笑に付した。
曰くどうやらアメリカは北朝鮮という小さな国が、核弾頭を膨大に保管している巨大な国家であるアメリカを脅かすことが出来る、と考えているらしい。ということは、つまりアメリカは、我々を愚か者だと見なしているのだ。このように当時総書記は述べている。
1998年の、この衛星打ち上げは、軍事とは程遠い目的を持っていた、とアンドレイ・イワノフ氏は見なしている。
「第一に平壌が望んだことは、北朝鮮は軽視してはならない。また交渉相手に数えねばならない相手だ、とアメリカに認めさせることだった。
北朝鮮は、その目的を達したと言って良いだろう。アメリカと北朝鮮の間には活発な討議が開始され、1999年にはマデレーン・オルブライト米国務長官の平壌訪問まで実現した。
北朝鮮側は長距離ミサイルの発射実験、および軍事的核開発プログラムを中止する。
またアメリカ側は北朝鮮に原発建造のための巨額の支援金を供給する。このような内容の合意も結ばれた。原発建設によって、北朝鮮はエネルギー的飢餓から救われる筈だった」
このように専門家は、語っている。
アメリカには北朝鮮に必要なのは支援ではなく、むしろ経済的に窒息させ、韓国に吸収されるよう追い込むことであると考える、少なからぬ数の政治家が存在していた。そのことこそが問題だったのだ。
2001年、ジョージ・ブッシュがホワイトハウスの主人になって以降、こうした考えを持つ政治家の立場は強固なものとなった。
一方で2000年、北朝鮮の金正日総書記と、韓国の金大中大統領が平壌で会合を持ったことを皮切りに、北朝鮮の国際的な孤立状況を改善するためのプロセスが始まった。しかしブッシュ政権は、このプロセスを推進しなかった。また当時、西側諸国のいくつかで、北朝鮮を外交的に承認するプロセスが開始された。このことが、予見不可能で危険な国という北朝鮮のイメージを払拭し、アメリカの極東アジアへの、駐留の必要性に疑義を差し挟む契機になった。
※新人男性アナウンサーの「軽視」というアクセント間違ってます
※北朝鮮、ワシントンへのメッセージを発射(2)へ続く
12月12日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
しかし地域にとっての本当の脅威は、アメリカが北朝鮮を軽視し、その不可侵性を保障しないということにある。
モスクワ国際関係大学の国際研究所主任学術研究員イワノフ氏は、そう見なしている。
1998年、北朝鮮は最初の学術衛星クヮンミョンソン1号を打ち上げた。しかし平壌にとっては意外なことに、アメリカは学術衛星の打ち上げを、アメリカ本土に到達可能な長距離ミサイルの発射実験であると評価し、北朝鮮からのミサイル攻撃の脅威なるものを喧伝し出した。
北朝鮮の指導者、故金正日総書記は、当時、アメリカの慌てぶりを一笑に付した。
曰くどうやらアメリカは北朝鮮という小さな国が、核弾頭を膨大に保管している巨大な国家であるアメリカを脅かすことが出来る、と考えているらしい。ということは、つまりアメリカは、我々を愚か者だと見なしているのだ。このように当時総書記は述べている。
1998年の、この衛星打ち上げは、軍事とは程遠い目的を持っていた、とアンドレイ・イワノフ氏は見なしている。
「第一に平壌が望んだことは、北朝鮮は軽視してはならない。また交渉相手に数えねばならない相手だ、とアメリカに認めさせることだった。
北朝鮮は、その目的を達したと言って良いだろう。アメリカと北朝鮮の間には活発な討議が開始され、1999年にはマデレーン・オルブライト米国務長官の平壌訪問まで実現した。
北朝鮮側は長距離ミサイルの発射実験、および軍事的核開発プログラムを中止する。
またアメリカ側は北朝鮮に原発建造のための巨額の支援金を供給する。このような内容の合意も結ばれた。原発建設によって、北朝鮮はエネルギー的飢餓から救われる筈だった」
このように専門家は、語っている。
アメリカには北朝鮮に必要なのは支援ではなく、むしろ経済的に窒息させ、韓国に吸収されるよう追い込むことであると考える、少なからぬ数の政治家が存在していた。そのことこそが問題だったのだ。
2001年、ジョージ・ブッシュがホワイトハウスの主人になって以降、こうした考えを持つ政治家の立場は強固なものとなった。
一方で2000年、北朝鮮の金正日総書記と、韓国の金大中大統領が平壌で会合を持ったことを皮切りに、北朝鮮の国際的な孤立状況を改善するためのプロセスが始まった。しかしブッシュ政権は、このプロセスを推進しなかった。また当時、西側諸国のいくつかで、北朝鮮を外交的に承認するプロセスが開始された。このことが、予見不可能で危険な国という北朝鮮のイメージを払拭し、アメリカの極東アジアへの、駐留の必要性に疑義を差し挟む契機になった。
※新人男性アナウンサーの「軽視」というアクセント間違ってます
※北朝鮮、ワシントンへのメッセージを発射(2)へ続く
テポドンの脅威―北朝鮮のミサイルを理解するために | |
クリエーター情報なし | |
新紀元社 |
12月12日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル