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日本、政治危機の瀬戸際

2012-12-14 | ラジオ
日本は巨大な政治危機の瀬戸際に立っている。こうした結論に衆議院選挙前夜に行われたロシアの声の円卓会議に参加した専門家たちは達した。
政府は深刻な経済改革を敢行しなければならない。それにアジア太平洋地域の今後の発展がかかっている。

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専門家たちは選挙のだいぶ前から自民党の勝利を予言してきた。その働きによってではなく、むしろ政治上のライバル、民主党の凋落によってだ。
民主党は3年間政権党を務めた。しかしその間、国民の失望を募らせただけたった。
アジア諸国研究所のコーシュキン教授は、そのように見なしている。
「日本の有権者は政治家への信頼を失ったばかりではなく、こうした政治そのものへの信頼も失った。また政争に明け暮れる2大政党への関心を失った。自民党がかつて政権を失ったのは、スキャンダルと汚職にまみれていたためだ。自民党は金の亡者の巣窟のレッテルから逃れられなかった。
日本国民は何か新しいものを、何らかの革新を期待したのだ。しかし選択肢は豊富ではなかった。自民党がだめだから民主党、というだけのことだった。しかし民主党には余りにも経験が足りなかった」
教授は、こうコメントしている。

選挙で誰が勝利しようとも、その者の前に既に10年以上続いている経済危機の克服、という課題が立ちはだかる。新しい政府には、実効的かつ根本的な改革を敢行するための勇気が求められる。アレクサンドル・パノフ元駐日ロシア大使はそう考えている。
「問題は日本の経済危機の深部構造にある。問題はこれからも存在し続けるだろう。
グローバリゼーションの時代には、国を開き、全く別様に国内の金融関係を構築しなければならない。日本には従来どおり閉鎖的な経済があり、このことが資金の流動性を阻み、日本の発展を阻害している」
元駐日ロシア大使は、このようにコメントしている。

外交政策に関しては日本は自立して国益を追求していくという試みを続けていた。そのことが最も顕著に示されたのは、イランとの貿易を禁ずるアメリカの措置を、日本が支持しなかったことだ。
ロシア科学アカデミー極東研究所の日本研究センター主任研究員、パヴリチェンコ氏はそう語っている。
「日本は文字通り、イランからの石油供給を受け続けるための権利を要求したのだ。日本は可能な限り自身の自立した政治路線を追及し、国益を追求した。しかしそれは非常に困難なことたった。
もしもアメリカから逃れるならば、その行き着く先はどこなのだろうか。日本には他に友人がいない。中国あるいは韓国だろうか。しかし長い過去の歴史が国家間関係の改善と深化を阻んでいる」
主任研究員は、このようにコメントしている。

解決し残された歴史的課題、中国および韓国との領土問題という課題がここで重要だ。2012年はこうした問題が先鋭化した年だった。
このことが経済的な協力関係にも打撃を加えた。日本の新しい内閣の前には、ナショナリストたちを宥め、領土問題に関する意見の不一致を後景に押しやり、経済協力を活性化させるための賢明さが求められている。
例えば日本、中国、韓国、3ヶ国の共通経済圏の創設計画。ロシアの専門家たちは、日本にとって、中国および韓国との3ヶ国協力関係がアメリカの推進しているTPPプロジェクトへの参加の、オルタナティヴに成りうるかどうかということに疑問を感じている。
しかし経済問題の早急な解決なしには、日本には再び政治への不信感の危機が到来することだろう。

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朝日新聞出版

12月11日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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