国連総会の支配的多数の賛成票が投じられ、パレスチナ自治政府に国連オブザーバー国家の資格が与えられることになった。
賛成138票、反対8票、棄権41票。反対票を投じた国の筆頭はアメリカとイスラエルだ。
パレスチナを、現在の国連オブザーバー機構なる曖昧な立場から、国連オブザーバー国家という立場に高めたところで、プラクティカルな観点からは、たいした意味はない。
イスラエルは今後も恫喝、脅迫を続けるだろうし、パレスチナ人の労働力の流入をブロックもするだろう。
アメリカは格上げが成った暁には、パレスチナへの毎年2億ドルの援助金を削減すると言って脅迫している。この措置は実施されるかも知れない。しかしこれだけの金額なら、アラブの同盟諸国にも補填することが可能だ。
アメリカ政府は自身の立場に拘り、こうした一歩は和平正常化プロセスにブレーキをかける、と訴えている。格上げは同情を呼び起こすのみに終わり、非生産的であると、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は述べている。
「パレスチナは和平への障害をまた一つ設けようとしている。イスラエルとパレスチナの直接対話のみが、双方にとって望ましい形の和平を実現できるのだ。アメリカはこの主張を固持するつもりだ」
国務長官は、このようにコメントしている。
加えて格上げ後、パレスチナは直ぐさま国際刑事裁判所にイスラエルを訴える可能性がある。新しい法的地位が、それを可能にする。
しかしそうした訴訟は愚かしいものだ。イスラエルもアメリカも、この裁判所の加盟国ではなく、従って自国の国民に対する法的訴えに応じる必要はないのだ。
格上げ決議の採択は、中東における新しい政治的、外交的現実を創造する。国連パレスチナ観察使節の代表リヤド・マンスール氏は、そう考えている。
「国連はこの決議によって、2つの国家の存在を認めることになる。一つは、1967年の国境に基づくパレスチナ国家だ。東エルサレムを首都とする国家がそれだ。また一つはイスラエルという国だ。この決議はこれら2ヶ国に全ての未解決の問題に関する交渉を進めるよう促す。
そして、1967年の占領に終止符を打ち、パレスチナに独立国家になる権利を与える和平合意を締結することを促すのだ」
マンスール氏は、このようにコメントしている。
パレスチナが国連の正式メンバーになるまでは、なお遠い道程がある。既に60ヶ国が正式に国家承認しているにも関わらずだ。
アメリカに国連安保理での拒否権がある限りは、パレスチナに正式メンバーの地位が与えられることはないだろう。昨年、既に試みは一度破れている。
本当のところアメリカとイスラエルは、国連がここまであけすけに、アメリカとイスラエルが採用している正常化の方法論に疲れを示すことに、不満を感じている。これまでイスラエルと、その近隣アラブ諸国の関係を仲介する役回りはアメリカに独占されていた。
イスラエルはアラブ諸国との対話を、あるいは米国(※何故ここの箇所はアメリカじゃなく「米国」になるんだ)を通じて、あるいは一対一で結ぶ以外の方法を好まない。この専一的状態への国連の介入侵入は、看過しがたい独占への挑戦と考えられている。
11月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
賛成138票、反対8票、棄権41票。反対票を投じた国の筆頭はアメリカとイスラエルだ。
パレスチナを、現在の国連オブザーバー機構なる曖昧な立場から、国連オブザーバー国家という立場に高めたところで、プラクティカルな観点からは、たいした意味はない。
イスラエルは今後も恫喝、脅迫を続けるだろうし、パレスチナ人の労働力の流入をブロックもするだろう。
アメリカは格上げが成った暁には、パレスチナへの毎年2億ドルの援助金を削減すると言って脅迫している。この措置は実施されるかも知れない。しかしこれだけの金額なら、アラブの同盟諸国にも補填することが可能だ。
アメリカ政府は自身の立場に拘り、こうした一歩は和平正常化プロセスにブレーキをかける、と訴えている。格上げは同情を呼び起こすのみに終わり、非生産的であると、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は述べている。
「パレスチナは和平への障害をまた一つ設けようとしている。イスラエルとパレスチナの直接対話のみが、双方にとって望ましい形の和平を実現できるのだ。アメリカはこの主張を固持するつもりだ」
国務長官は、このようにコメントしている。
加えて格上げ後、パレスチナは直ぐさま国際刑事裁判所にイスラエルを訴える可能性がある。新しい法的地位が、それを可能にする。
しかしそうした訴訟は愚かしいものだ。イスラエルもアメリカも、この裁判所の加盟国ではなく、従って自国の国民に対する法的訴えに応じる必要はないのだ。
格上げ決議の採択は、中東における新しい政治的、外交的現実を創造する。国連パレスチナ観察使節の代表リヤド・マンスール氏は、そう考えている。
「国連はこの決議によって、2つの国家の存在を認めることになる。一つは、1967年の国境に基づくパレスチナ国家だ。東エルサレムを首都とする国家がそれだ。また一つはイスラエルという国だ。この決議はこれら2ヶ国に全ての未解決の問題に関する交渉を進めるよう促す。
そして、1967年の占領に終止符を打ち、パレスチナに独立国家になる権利を与える和平合意を締結することを促すのだ」
マンスール氏は、このようにコメントしている。
パレスチナが国連の正式メンバーになるまでは、なお遠い道程がある。既に60ヶ国が正式に国家承認しているにも関わらずだ。
アメリカに国連安保理での拒否権がある限りは、パレスチナに正式メンバーの地位が与えられることはないだろう。昨年、既に試みは一度破れている。
本当のところアメリカとイスラエルは、国連がここまであけすけに、アメリカとイスラエルが採用している正常化の方法論に疲れを示すことに、不満を感じている。これまでイスラエルと、その近隣アラブ諸国の関係を仲介する役回りはアメリカに独占されていた。
イスラエルはアラブ諸国との対話を、あるいは米国(※何故ここの箇所はアメリカじゃなく「米国」になるんだ)を通じて、あるいは一対一で結ぶ以外の方法を好まない。この専一的状態への国連の介入侵入は、看過しがたい独占への挑戦と考えられている。
まんが パレスチナ問題 (講談社現代新書) | |
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11月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル