Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった』

2009-08-11 20:39:04 | 読書。
読書。
『宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった』 佐藤勝彦
を読んだ。

この本の内容とは直接関係はないのですが、
「この頃、考えることをやめている自分がいる」と、
読了からしばらくたって思い始めています。
このブログのテンプレートを変えたことを契機に、
ブログ開始当初の記事を読んでみて、
あの頃は今よりも知識が少なかったし、独りよがりではあったけれど、
その狭い範囲の中でも、深くものごとを見つめようとしていた姿勢が
感じられました。考えることを穴を掘ることに喩えるならば、
僕は水が湧き出るまで穴を掘ろうとしていた。
そういう意識のベクトルがどう変わったかについては、
思い当たることがありますが、ごく私的なことなので書きません。
そうして、変わったベクトルの力の慣性から逃れること、
角度を何度か修正することは、けっこう難しくして辛いもののような気がします。
とにかく、ちょっと、物事を考えるということをもう少し多くの時間を割いて
やっていきたいです。あの頃と今との相違点の一つに、自分のアホさ加減の
認識の度合いというものがあります。あの頃はあんまり自分がアホだと
気づいていなかった。そういうものの影響も、考え方や文章作成の見映えとかに
影響がでるものなんじゃないか。良きにしろ悪しきにしろ。
また、いまでこそ毎日ここを更新していますけれど、
あの頃は書くことが見つかったときにだとか、気が向いた時にだとか、
不定期に更新していました。
毎日書いて、それでクオリティが高いとなると、けっこう難しいことです。
質より量なのか、量より質なのか、意見がわかれるところでしょう。
僕は、毎日更新するというこの量が、最低限の基本の在り方であって、
そこをスタート地点として質を高めれば良いと考えています。
でも、そのうちぷんと飛ばしてしまうこともあるかもしれませんが…。

さて、関係の無い話が長くなりましたね。
この『宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった』は、
1991年に発行されたものを大幅加筆修正して
去年発売されたものということです。コンビニで買いました。
PHPから出版されていて、値段は500円です。
著者は東大の教授です。
これまでにわかった宇宙の成り立ち、ビッグバンとは何か、
それ以前はどうなのかということなどを、量子論や相対論を用いて、
砕いて説明してくれています。
宇宙論なんですが、たぶん、入門書よりもやさしいです。
やさしい分だけ、あんまり身にならないということも言える。
それでも、そんな最新(でもないのかな)の宇宙論を楽しんで読めます。
書名にもあるとおり、僕らが住むこの広い宇宙は、実は唯一の宇宙では
無いのだということです。子宇宙、孫宇宙…などが無限にあると。
そして、僕らの住むこの宇宙も、もしかすると、どこかの宇宙の孫とかひ孫
なのかもしれない。ワームホールで繋がっているらしいのですが、
それでも、宇宙同士での因果の関係はないそうで、行き来はできないみたいです。
このような話題がいくつも展開されています。
それも、観測以前の、理論を展開することで予言されたことが現代になって
証明されたとかって、すごい頭の良い人たちがいるもんだと感心しました。
これぞまさに学者先生です。宇宙論は役に立たない学問と呼ばれる
こともあるそうですが、そのうち役に立つかもしれませんしね。
わかりやすく解説してもらえると、一般の人も楽しむことができますし、
これからも多くの若者が携わって、発展していって欲しいです。
そうそう、水素とか炭素とか、人間や地球を作っている物質がありますよね。
それらの知られた物質が宇宙ではどのくらいの割合なのか、
ということが本書に書かれているのですが、なんと、
宇宙を構成している物質のたった4%だそうです。
残りの96%は暗黒物質だとか暗黒エネルギーだとかと言われている
正体不明のものなんですって。
こんなんじゃ、まだまだ『スター・トレック』の時代は訪れませんね。
この人生が終わったら、今度は500年後くらいに人間として生まれ変わって
みたいですね。そんな未来の世の中を体感したいです。
って、人類は滅びてるかもしれないのか。大いにありうる。
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